今回はF1とFIA-F2、そしてスーパーフォーミュラのラップタイムを比較してみます。
まあF1が一番速いのは歴然。そしてFIA-F2とスーパーフォーミュラは同じサーキットを走らないので単純な比較ができません。
しかしF1とFIA-F2はヨーロッパラウンドでは基本共催で、F1とスーパーフォーミュラは鈴鹿サーキットで開催します。
ということで、F1と両カテゴリーのラップタイムのパーセンテージを比較して、FIA-F2とスーパーフォーミュラのどちらが速いのかを決めたいと思います。
はたしてF1はどれだけ速いのか? そしてFIA-F2とスーパーフォーミュラ、どちらが速いのか?
最後にインディカーとの比較も。
では、いってみましょー
ザックリ見出し
【F1 vs. スーパーフォーミュラ】ラップタイム比較(鈴鹿サーキット)
まずはF1とスーパーフォーミュラから。舞台となるのは両カテゴリーを開催する唯一のサーキット、鈴鹿です。
比較は2024年3月に開催されたスーパーフォーミュラ開幕戦と、2024年4月に開催のF1第4戦日本グランプリ。両開催ともに晴れのドライコンディションで、気温も大きく違いません。
ポールポジションラップタイム
今回はポールポジションラップとファステストラップの両方のタイムで比較しますが、まずはポールポジションラップタイムから。
カテゴリー | F1 | SF |
---|---|---|
PPラップタイム | 1分28秒197 | 1分35秒789 |
F1とのタイム差(%) | – | 108.6% |
ドライバー | マックス・フェルスタッペン | 阪口晴南 |
マシン | レッドブル RB20 | ダラーラ SF23 |
エンジン(PU) | ホンダRBPT | トヨタ |
馬力 | 約1000馬力 | 約550馬力 |
タイヤ(ホイールサイズ) | ピレリ(18インチ) | ヨコハマ(13インチ) |
記録日 | 2024年4月6日 | 2024年3月9日 |
天気(路面) | 晴れ(ドライ) | 晴れ(ドライ) |
F1のポールポジションタイムはマックス・フェルスタッペン選手が記録した1分28秒197。対するスーパーフォーミュラは阪口晴南選手の1分35秒789ということで、F1の108.8%のタイムでした。
450馬力も差がある両カテゴリー。さらにF1は毎年マシンが刷新されるのに対し、スーパーフォーミュラが使用するダラーラ製SF23は、2018年に完成したSF19がベースになります。
にもかかわらずスーパーフォーミュラが意外と善戦していますね。ヨコハマタイヤの性能が相当良いのでは、と私は考えますがどうでしょう。
ちなみにF1日本グランプリ予選で一番遅いタイムが周冠宇選手の1分30秒143なので、スーパーフォーミュラマシンがF1予選に出場してもダントツの最後尾。まあ、そりゃそうか。
ファステストラップタイム
続いては決勝レースでのファステストラップのタイム比較です。
カテゴリー | F1 | SF |
---|---|---|
PPラップタイム | 1分33秒706 | 1分39秒287 |
F1とのタイム差(%) | – | 106.0% |
ドライバー | マックス・フェルスタッペン | 山本尚貴 |
マシン | レッドブル RB20 | ダラーラ SF23 |
エンジン(PU) | ホンダRBPT | ホンダ |
馬力 | 約1000馬力 | 約550馬力 |
タイヤ(ホイールサイズ) | ピレリ(18インチ) | ヨコハマ(13インチ) |
記録日 | 2024年4月7日 | 2024年3月10日 |
天気(路面) | 晴れ(ドライ) | 晴れ(ドライ) |
F1のファステストラップタイムはマックス・フェルスタッペン選手が記録した1分33秒706で、スーパーフォーミュラは山本尚貴選手の1分39秒287ということで、両カテゴリーの差はさらに詰まり106.0%という結果でした。
予選よりも詰まった理由はなぜなのか?
F1日本グランプリのフェルスタッペン選手はトップ走行時のタイムだったのでDRSを使用しないタイムで、山本尚貴選手は任意で使えるOTSを使用したタイムだったから詰まったのかもしれません。
ちなみにF1は、ファステストラップを記録したドライバーに1ポイントが与えられる(10位以内フィニッシュに限る)ので、終盤にポイント獲得を狙い、フレッシュタイヤでアタックをすることもありますが、このレースのフェルスタッペン選手はタイヤ交換をしなかったタイムです。
まあ、ファステストラップタイムはタイヤ状態、DRS OTS、トウなど様々な要素があるのでタイムのみの単純な比較とは言えませんが、スーパーフォーミュラがF1の106%のタイムとは相当速いですね。
【F1 vs. FIA-F2】ラップタイム比較(カタロニアサーキット)
今度はF1とFIA-F2のタイム比較です。FIA-F2はF1のヨーロッパラウンドと共催ですが、低中高速コーナーがありマシンパフォーマンスが現れるスペイングランプリの舞台、カタロニアサーキット(バルセロナ)で比較します。
ポールポジションラップタイム
カテゴリー | F1 | F2 |
---|---|---|
PPラップタイム | 1分11秒383 | 1分24秒766 |
F1とのタイム差(%) | – | 118.7% |
ドライバー | ランド・ノリス | ポール・アロン |
マシン | マクラーレン MCL38 | ダラーラ F2 2024 |
エンジン(PU) | メルセデス | メカクローム |
馬力 | 約1000馬力 | 約620馬力 |
タイヤ(ホイールサイズ) | ピレリ(18インチ) | ピレリ(18インチ) |
記録日 | 2024年6月22日 | 2024年6月21日 |
天気(路面) | 曇り(ドライ) | 晴れ(ドライ) |
2024年F1スペイングランプリでの予選は、ランド・ノリス選手が記録した1分11秒383がポールポジションタイム。対するFIA-F2はF1の前日にポール・アロン選手がマークした1分24秒766がポールポジションタイムでした。
ということで、FIA-F2のタイムはF1の118.7%・・・意外と遅い!?
あまりにも差があったので路面状態を疑いましたが、F1は曇り、FIA-F2は快晴の中行われ、路面は両カテゴリーともにドライでした。
ならば他のサーキットではどうかと思い調べてみましたが、イモラではF1の1分14秒746に対しFIA-F2は1分27秒056で116.5%、ハンガロリンクではF1の1分15秒227に対しFIA-F2は1分30秒028で119.7%ということで、F1との差はほぼ変わりませんでした。
FIA-F2のマシンは2024年に導入されたダラーラ F2 2024。現行F1マシンに似せて設計された最新型マシンにもかかわらず、F1とのタイム差はかなりあったのが驚きでした。
ファステストラップタイム
続いては決勝でのファステストラップタイムの比較。
FIA-F2は土曜日にリバースグリッドのスプリントレース、日曜日に正規グリッドのフューチャーレースが行われますが、レース総距離がスーパーフォーミュラに比較的近いフューチャーレースのファステストラップで比較します。
カテゴリー | F1 | F2 |
---|---|---|
PPラップタイム | 1分17秒115 | 1分27秒918 |
F1とのタイム差(%) | – | 114.0% |
ドライバー | ランド・ノリス | アンドレア・キミアントネッリ |
マシン | マクラーレン MCL38 | ダラーラ F2 2024 |
エンジン(PU) | メルセデス | メカクローム |
馬力 | 約1000馬力 | 約620馬力 |
タイヤ(ホイールサイズ) | ピレリ(18インチ) | ピレリ(18インチ) |
記録日 | 2024年6月23日 | 2024年6月23日 |
天気(路面) | 晴れ(ドライ) | 晴れ(ドライ) |
F1は2位ランド・ノリス選手がトップのマックス・フェルスタッペン選手を追いかけた終盤に記録した1分17秒115。対するFIA-F2はアンドレア・キミアントネッリ選手がレース後半の31周目にマークした1分27秒918でした。
FIA-F2は予選からの落ち幅が少なくF1との差は114%まで詰めましたが、それでもタイム差は10秒以上とやっぱり遅いです。
まとめ
ということで、結果は下記の通り。
カテゴリー | F1 | SF | F2 |
---|---|---|---|
F1とのタイム差(%) | – | 108.6% | 118.7% |
ドライバー | マックス・フェルスタッペン | 阪口晴南 | ポール・アロン |
マシン | レッドブル RB20 | ダラーラ SF23 | ダラーラ F2 2024 |
エンジン(PU) | ホンダRBPT | トヨタ | メカクローム |
馬力 | 約1000馬力 | 約550馬力 | 約620馬力 |
タイヤ(ホイールサイズ) | ピレリ(18インチ) | ヨコハマ(13インチ) | ピレリ(18インチ) |
記録日 | 2024年4月6日 2024年6月22日 | 2024年3月9日 | 2024年6月21日 |
天気(路面) | 曇り(ドライ) | 曇り(ドライ) | 曇り(ドライ) |
FIA-F2から約10%速いのがスーパーフォーミュラで、その8%速いのがF1という結果でした。
F1とスーパーフォーミュラの差よりも、スーパーフォーミュラとFIA-F2の差の方が大きいのはかなり意外ですね。
スーパーフォーミュラとFIA-F2がこんなにも違うのはなぜなのか?
エンジンパワーはFIA-F2の方が約70馬力も高く、マシンは同じダラーラ製ですがFIA-F2の方が最新。なぜ??
恐らくですがFIA-F2は最新のマシンといってもそこはワンメイク。速さを追求するのではなく、F1へのステップを考えた設計のマシンなのかも。
そしてFIA-F2のタイヤはF1と同じピレリ製で18インチのリム径ですが、コンパウンドは同じではなく、FIA-F2専用設計のコントロールタイヤなので、かなりグリップを落としているのでしょう。
対するスーパーフォーミュラはF1に次ぐ速さを売りにしているため、ヨコハマタイヤがデータが豊富な13インチサイズの攻めたタイヤを供給しているものと推測します。
何はともあれ、スーパーフォーミュラはF1に次ぐ速さを持ったカテゴリーだったという結論でよろしいかと。
うん? インディはどうなのって?
近年インディカーシリーズはF1と同じサーキットでの開催がないんです。
直近では2019年の第2戦がサーキットオブジアメリカズ(COTA・F1アメリカグランプリの舞台)で行われており、当時のポルポジションタイムが1分46秒0177。対する2019年F1アメリカグランプリのポールポジションタイムが1分32秒029で、インディカーはF1の115.2%。2024年アメリカグランプリのポールポジションタイム1分32秒833(路面再舗装あり)と比べると114.2%ということで、やっぱりスーパーフォーミュラの方が速いようです。
ということで、マッチ会長のおっしゃる通り、スーパーフォーミュラはF1の次に速いマシンでした。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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