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【1990年→2025年】F1開催地域の変化

2024年のF1は史上最多24戦も行われましたが、本日長い長いシーズンが終焉します。

そのラスト2戦は中東のカタールとアブダビ。最近中東でのF1開催が多くない? そしてブームのアメリカも急激に増えたような・・・。

私がF1を見始めた1990年はヨーロッパが中心で、その他の開催地は僅かばかりだったのに・・・。

ということで、今回は1990年から2025年(予定)の開催地域の変化を調べてみました。

ちなみに地域といっても呼び方や区分は様々。なので今回は下記の国連による世界地理区分をもとにします。

国連による世界地理区分
  • アフリカ州:東アフリカ、中部アフリカ、北アフリカ、南部アフリカ、西アフリカ
  • アメリカ州:北アメリカ、南アメリカ
  • アジア州:中央アジア、東アジア、南アジア、東南アジア、西アジア
  • ヨーロッパ州:東ヨーロッパ、北ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西ヨーロッパ
  • オセアニア:オーストラリアニュージーランド、メラネシア、ミクロネシア、ポリネシア
  • 南極

この国連の世界地理区分によると世界を6つの大洲で分け、さらに細かく分けた小地域に分類されています。中東はアジア州西アジアで、中央アメリカはアメリカ州北アメリカに分類されます。

では、この地理区分にF1開催地域を当てはめてみましょう。

1990年のF1開催地域

まずは、比較となる1990年のF1開催地域を国連による世界地理区分で分けてみます。

1990年のF1開催地域
  • ヨーロッパ州:10回(62.5%)
    西ヨーロッパ(モナコGP、フランスGP、西ドイツGP、ベルギーGP)
    南ヨーロッパ(サンマリノGP、イタリアGP、ポルトガルGP、スペインGP)
    北ヨーロッパ(イギリスGP)
    東ヨーロッパ(ハンガリーGP)
  • アメリカ州:4回(25.0%)
    北アメリカ(アメリカGP、カナダGP、メキシコGP)
    南アメリカ(ブラジルGP)
  • アジア州:1回(6.2%)
    東アジア(日本GP)
  • オセアニア:1回(6.2%)
    オーストラリアニュージーランド(オーストラリアGP)

カッコ内は1990年の全16戦に占めるその地域の割合ですが、ヨーロッパが62.5%で圧倒的に多いですね。

まあ、F1はヨーロッパが発祥の地で人気も絶大。また全チームの拠点もヨーロッパなので、世界選手権といえど、当時の輸送インフラのことも考えるとヨーロッパが中心となるのは当然です。

ヨーロッパ以外だとアメリカ州(南北アメリカ)が4回の開催で全体の25%です。

ブラジルは多くのF1ドライバーを輩出し、南北アメリカ最大のF1人気を誇ります。またカナダやメキシコもF1人気が高い地域ですが、アメリカは・・・人気なかったなあ。

現在はグランプリを多く開催するアジアですが、当時は日本が唯一のF1開催国でした。

2025年のF1開催地域

さあ、35年経った2025年のF1開催地域はどのように変化したのか。見ていきましょう。

2025年のF1開催地域
  • ヨーロッパ州:9回(37.5%)
    西ヨーロッパ(モナコGP、オーストリアGP、ベルギーGP、オランダGP)
    南ヨーロッパ(エミリアロマーニャGP、スペインGP、イタリアGP)
    北ヨーロッパ(イギリスGP)
    東ヨーロッパ(ハンガリーGP)
  • アメリカ州:6回(25.0%)
    北アメリカ(マイアミGP、カナダGP、アメリカGP、メキシコシティGP、ラスベガスGP)
    南アメリカ(サンパウロGP)
  • アジア州:8回(33.3%)
    西アジア(バーレーンGP、サウジアラビアGP、アゼルバイジャンGP、カタールGP、アブダビGP)
    東アジア(中国GP、日本GP)
    東南アジア(シンガポールGP)
  • オセアニア:1回(4.1%)
    オーストラリアニュージーランド(オーストラリアGP)

結果は2025年も1990年同様にF1開催数が一番多いのはヨーロッパでした。

ただ、24戦中9戦と開催数は1回減り、全体に占める割合も37.5%と1990年の62.5%から大幅に減。ドイツグランプリやフランスグランプリなど、歴史あるグランプリが徐々に消えていくのは残念でなりません。

アメリカ州は1990年の4回から6回に増えていますが、全体に対する割合は変わらず25%でした。

そんな中、アメリカでのF1人気高騰でアメリカ本国での開催が1回から3回に。かつてはF1不毛の地と呼ばれたアメリカですが、現在はどの国よりも多い開催数を誇ります。

今回の調査で一番開催回数を増やしたのがアジア州。1990年当時は日本のみの開催でしたが、2025年は8回を数え、全体の33.3%を占めています。

特に驚いたのが中東で、2004年中東初開催のバーレーングランプリを皮切りに、2025年では中東の4カ国にアゼルバイジャンを加えた5回 西アジアで開催されます。

FIAの会長が中東のモハメド・ビン・スライエム氏なので、将来はもっと増えるかも??

ちなみに、かつては東アジアの韓国や東南アジアのマレーシア、そして南アジアのインドでも開催されましたが、現在は行われていません。

ところで、2020年のカレンダーに入りながらコロナ禍で中止になったベトナムグランプリは無念でしたね。一度でいいから開催させてあげたかった。

残す1回はオセアニアのオーストラリアグランプリ。1990年から開催場所は変わりましたが、現在も定番開催国です。

まとめ

今回は1990年から2025年の開催地域の変化を調べてみましたが、まとめると以下の通りになります。

開催数の変化(1990年→2025年)
  • ヨーロッパ州:10回(62.5%)→9回(37.5%)
  • アメリカ州:4回(25.0%)→6回(25.0%)
  • アジア州:1回(6.2%)→8回(33.3%)
  • オセアニア:1回(6.2%)→1回(4.1%)

F1発祥の地でモータースポーツ人気の高いヨーロッパですが、高騰する開催権料が払えず、今後も開催を断念する国が出てきそうです。

また各地域の人口は下記の構成になります。

各地域の人口
  • ヨーロッパ州:約7億4500万人
  • アメリカ州:約10億2000万人
  • アジア州:約44億3600万人
  • オセアニア:約4500万人
  • アフリカ州:約14億人

ご覧の通り圧倒的に人口が多く経済成長も著しいアジア州と、世界一の経済規模を誇るアメリカを中心としたアメリカ州での開催が今後も増えそうです。

人口でアジアに次ぐアフリカは?

かつて南アフリカのキャラミで23回も開催されており、古くはモロッコでも開催実績があります。

F1を運営するリバティメディアではアフリカでの開催を希望しているようで、近年キャラミでの南アフリカグランプリ復活の計画があったようですが中止されたとのこと。

こちらの地域も高い開催権料がネックになるのでしょうが、個人的には2015年に大改修されたキャラミサーキットでのグランプリを見てみたいと思います。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。