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【特別編】レッドブルRB16 フェルスタッペンがハミルトンに肉薄したホンダPU搭載マシン【ミニカー#75】

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、vol.76はレッドブルが2020年のF1に参戦するために開発した、レッドブルRB16を取り上げていきたいと思います。

今回は特別編ということで、完成度の高いスパーク製のモデルを使用しますので、ミニカー写真の細部までぜひご堪能ください。

マシンデータと戦績

まずはレッドブルRB16の主要諸元をチェック。

年式2020年
カテゴリーF1
コンストラクターレッドブル
マシン名RB16
デザイナーエイドリアン・ニューウェイ(CTO)
パワーユニットホンダRA620H
主要諸元表

F1マシンデザイナーの第一人者として長年活躍するエイドリアン・ニューウェイ率いるレッドブルテクノロジーが設計したマシンだが、近年ニューウェイはマシンデザインに深く携わることはなくなっている。

そしてパワーユニットは提携2年目を迎えるホンダ製。

つづいてレッドブルRB16の戦績を見てみる。

コンストラクターフェルスタッペンアルボン
シーズン順位2位2位7位
シーズンポイント319P214P105P
優勝2回2回0回
ポールポジション1回1回0回
ファステストラップ3回3回0回
戦績表

メルセデスとの差は詰まらず無念の2位

ホンダとの提携2年目となり、マシンとパワーユニットの協調はより強化された2020年シーズン。

この年もハイレーキコンセプトを継続しかなりの前傾姿勢が特徴だが、前年と大きく変わったのがフロントノーズで、メルセデスが採用している細ノーズを取り入れて、見た目がかなり変化した。

この細ノーズはマクラーレンやルノー、レーシングポイントもこの年から採用したが、これら3チームはノーズがつながるモノコック部分は通常の太さになるのだが、レッドブルのそれはメルセデスと同じくモノコック部分まで細いものだった。

モノコック部分まで細くするとクラッシュテストに合格するのが難しくなるのだが、これをメルセデス以外ではレッドブルだけ採用したことは、同チームが高い技術力と財力があるからだ。

そんな意欲的なマシンだったが、シーズンが開幕すると不安定なリヤグリップに悩まされ、シーズン中にリヤサスペンションやフロントウイング、ノーズステーに至るまで多くの改良が施され、メルセデスの独走を許してしまった。

コンストラクターズ順位は前年の3位から2位に上がったが、これは前年2位だったフェラーリが自滅したからで、王者メルセデスとのパフォーマンスの差は歴然だった。

しかし最終戦でのフェルスタッペンのポールトゥーフィニッシュは、2021年シーズンに向けて期待を膨らます結果だった。

レッドブルRB16のミニカーを実車のように撮る!

それでは1/43のレッドブルRB16を撮影していこうと思う。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。

レッドブルRB16のカーナンバー33はフェルスタッペンのマシン。

このマシンの最大の特徴は細ノーズ。

近年はシャシー後端のレギューレーションが大きく規制されているが、その中で複雑な形状でグランドエフェクトを生み出そうと努力しているのがミニカーからもうかがえる。

リヤウイングにはアストンマーティンのロゴが入ることからも分かるとおり、チームのメインスポンサーを務め、正式なチーム名にも名を連ねる。

本来は資本関係もないホンダとアストンマーティンが名を連ねることは考えにくいのだが・・・。

ちなみにレッドブルとアストンマーティンの提携は2020年シーズンで終了し、20201年シーズンからアストンマーティンは自らのチームとして参戦する。

2018年から装着が義務化されたドライバー保護デバイスのHALOは、当初酷い見た目になったと思ったが、現在では2017年以前のF1マシンを見ると物足りなく感じてしまう。

2020年F1マシンの中では1、2を争うショートホイールベースのレッドブルRB16だが、それでも一昔前のF1マシンと比べるととんでもなくホイールベースが長いのが、この写真からでも分かるだろう。

レッドブル最大の特徴ハイレーキは、ミニカーでは再現されていない・・・。

レッドブルは、ルノー製パワーユニット搭載時代から他のマシンと比べてサイドポンツーン下のえぐれがあまりなく、出っ張り自体も少ない。

細いピトー管や薄いウイング翼端板など、1/43とは思えない素晴らしい出来栄えに感心してしまう。

タイヤはユーズドを再現!?

F1マシン同様、ミニカーの世界も技術の向上が目覚ましい。

ホンダF1活動第4期は『HONDA HYBRID』のロゴ。

ちなみにホンダのロゴは、

  • 第1期・・・『HONDA』
  • 第2期・・・『POWERED by HONDA』
  • 第3期・・・『HONDA』
  • 第4期・・・『HONDA HYBRID』(途中から)

と変化している。

F1ブーム時代は、当時多くのホンダ車オーナーが自らのクルマに『POWERED by HONDA』のステッカーを貼っていたのを思い出す。

姉妹チームのアルファタウリAT01とともに。

両マシンはレッドブルテクノロジーで開発されているが、アルファタウリAT01は2019年型レッドブルRB15をベースにしているからか太ノーズを採用している。

V8エンジン時代の2013年型レッドブルRB9とともに。

カラーリングもさることながら、7年という歳月がF1では大むかしに感じるほど、マシンの形状が大幅に異なる。

上から見るとご覧のとおり。

マシンの幅と全長が拡大されタイヤもワイドになり、同じカテゴリーのマシンとは思えぬほどの違い。

しかしエンジンの爆音だけはレッドブルRB9が優っている。

レッドブルRB16をスターティンググリッドに移動し、最終戦アブダビグランプリで獲得したポールポジションの位置に。

ちなみに2020年は、この最終戦まですべてメルセデスパワーユニット搭載マシンがポールポジションを獲得しており、フェルスタッペンが土壇場でメルセデスパワーユニット全戦ポールポジションの記録を阻止した。

ドライバーコンストラクターPUP.P回数
ハミルトンメルセデスメルセデス10回
ボッタスメルセデスメルセデス5回
ストロールレーシングポイントメルセデス1回
フェルスタッペンレッドブルホンダ1回
2020年ポールポジション獲得回数

そして決勝でのパフォーマンスはメルセデスの13勝に対し、レッドブルはは2勝と大きく水をあけられた。

ドライバーコンストラクターPU優勝回数
ハミルトンメルセデスメルセデス11回
ボッタスメルセデスメルセデス2回
フェルスタッペンレッドブルホンダ2回
ガスリーアルファタウリホンダ1回
ペレスレーシングポイントメルセデス1回
2020年優勝回数

これは前述のとおり、レッドブルRB16のリヤの不安定さからくるドライバビリティの悪さが原因とされ、シーズン中に大幅なアップデートが幾度も行われ改善されていった。

ホンダ製パワーユニットに関しては、パフォーマンスで大きな改善が見られた。

また信頼性に関しても、F1復帰当初から信頼性に悩まされ、パワーユニット等の交換を何度も行いペナルティを受けていたホンダパワーユニットだったが、2020年は搭載する全4台がペナルティを受けることなくレギュレーションで定められた3基のパワーユニットでシーズンを終えた。

これは全パワーユニット供給メーカー中唯一だった。

フォーミュラカーの撮影ではドライバーのヘルメットにピント位置を据えるのだが、HALO装着マシンはヘルメットが隠れてしまうことが悩みのタネ・・・。

以上、1/43のレッドブルRB16を実車のように撮影してみた。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介する。

【スパーク製】レッドブルRB16

2021年1月にスパークの通常モデルを購入した。

ライバルのミニチャンプス製も検討したが、レッドブルのミニカーは人気があるためミニチャンプスは量産に向いたダイキャスト製であるのに対し、スパークは手間はかかるがより細かく仕上げることのできるレジン製のため、スパークを選択した。

当モデルはフェルスタッペンが3位表彰台に上がった、第2戦シュタイアーマルクグランプリ仕様になるが、当ブログを書くにあたりAmazonを調べたところ早々に完売していた。

※開幕前のバルセロナテストモデルが残っていたので、下記にリンクを貼っておく。

【スパーク製】アルファタウリAT01

2020年12月末にスパークの通常モデルを購入した。

当モデルは開幕戦のオーストリアグランプリ仕様になるが、こちらも早々に完売。

※ミニチャンプス製が残っていたので下記にリンクを貼っておく。

【ixo製】レッドブルRB9

2017年3月発売のデアゴスティーニのF1マシンコレクション5号で、製造はイタリアのixoが担当する。

最後に

最後はレッドブルRB16に搭載されたホンダ製パワーユニットについて。

レッドブルグループ(レッドブルおよびトロロッソと後継のアルファタウリ)と提携して以来、順調に馬力と信頼性を向上していったホンダ製パワーユニットだが、2020年10月2日、突如としてF1撤退を発表した。

撤退は2021年シーズン終了後で、理由は2050年に向けたカーボンニュートラル実現に向けての取り組みに注力するため。

この突然のF1撤退は、私自身もかなりショックで、受け入れるまでに相当の時間を要してしまったが、現在は2015年に復帰をし多くの感動を与えてくれたことに感謝している。

2021年シーズンはホンダ製パワーユニットがグランプリを走る最後の年なので、ぜひ頑張ってもらいたい。

そしてホンダF1パワーユニット施設の多くはレッドブルに引き継がれ、レッドブル製パワーユニットとして2022年以降もF1に参戦するということが大筋で決まっている(2021年1月現在)ということで、ホンダのDNAが注がれたレッドブルを今後も応援していきたいと思っている。

以上、今回は1/43のレッドブルRB16を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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サーキットは非日常を味わえる特別な空間です。そんな素晴らしいモータースポーツの世界を、ひとりでも多くの方に伝えたい・・・。そんな思いでMOTORSPORT観戦記と題し、記事に認めました。




2件のコメント

レッドブルRB16、カッコいいですね!今季はRBとATのホンダ勢を全力で応援します!

HALOというと2014年、鈴鹿でのジュール・ビアンキを思い出しますね。あの時にHALOがあったらよかった。
昨年のバーレーンでガードレールを突き破ったグロージャンは、『数年前の僕はHALOに反対していたけど、今はそれがF1にもたらした最高のものだと思っている」とコメントしてましたね。

昨年のグロージャンの事故は衝撃的でしたが、HALOが装着されていて本当に良かったと心から思いました。
ビアンキやサーティースの悲しい事故の末に、HALOが開発されたということで、グロージャンは彼らに助けられたとも言えます・・・。

いつもコメントありがとうございます!

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ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。