最新のミラーレス機キヤノンEOS R5は、動きモノの撮影でも一眼レフに優っているのか?
そこで2020年11月に、最新のミラーレス機であるキヤノンEOS R5を用いて、富士スピードウェイで行われたスーパーGT最終戦で、3500枚ほどレーシングマシンの流し撮りをしてみたので、今回はいつも使っている一眼レフのキヤノンEOS 5D MarkⅣと比べてみて、違いを書いてみたいと思う。
ザックリ見出し
サーキットではミラーレス機が少数派
先日、モータースポーツアマチュアカメラマンへ向けてこんな質問をしてみた。
あなたがサーキットでレーシングマシンを流し撮りする際のカメラは『一眼レフ機orミラーレス機』?
答えは一眼レフ機を使用するカメラマンが約8割と圧倒的に多く、対するミラーレス機で撮影するのは2割あまりだった。
近年はミラーレス機が日を追うごとに販売を伸ばしているが、スローシャッターを多用する流し撮り撮影の世界では、まだまだ一眼レフ機が活躍をしている。
それは動きモノの撮影には一眼レフ機という固定観念なのか?
それともまだ移行期間なので、今後は動きモノ撮影でもミラーレス機が台頭しはじめるのか?
そこで今回は、2020年11月に行われたスーパーGT最終戦にミラーレス機の最新機種であるキヤノンEOS R5を使用して撮影してみた感想を書いてみたいと思う。
ちなみに私は2012年から本格的にモータースポーツ撮影をはじめ、キヤノンEOS 60D→キヤノンEOS 7D MarkⅡ→キヤノンEOS 5D MarkⅣと一眼レフ機を使用して撮影してきたが、今回の2020年11月のスーパーGTがミラーレス機での初陣となる。
私の撮影スタイルはとにかくスローシャッターを多用する。
導入はシャッタースピード1/100程度からはじめるが、1/80・1/50と徐々に遅くしていき、基本は1/30で、慣れてくると1/20・1/10と遅くして行き、1/5なども使うほどのスローシャッターマニア。
このスローシャッターがミラーレス機にどのように作用するのか楽しみである。
軽さは武器だが・・・
ミラーレス機の特徴といえば、重いペンタプリズムが内蔵されていないため非常に軽く、私のキヤノンEOS R5も非常に取り回しが良いボディ。
しかしまだRFマウントのレンズを所持していないため、サーキットではマウントコンバータを介して長い超望遠のEFレンズを装着している。
それに×1.4のテレコンバータを装着するので、
ボディ+マウントコンバータ+テレコンバータ+超望遠ズーム
と、むちゃくちゃ長い。
私は流し撮りの際、一脚を用いて左手はフードに手を掛けて撮影するのだが、その左手はかなり伸ばさなくてはならない。
また結合部分も3箇所あるため、見た目がかなり心許なく、正直かっこ悪い。
純正部連ねているので強度的には問題ないと思われるのだが・・・。
まあ、RFマウントのキヤノンRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMを購入すればこの問題は解消できる。
EVFのカクツキが気になる
一眼レフ機はミラーを介して被写体を見ているため、当然のことながらOVFで見るファインダーの像は実際のものと同じ動きをする。
対するミラーレス機のEVFファインダーでは、実物ではなく、いわゆる小さな液晶テレビを見ている。
キヤノンEOS R5の液晶テレビ(EVF)は、通常の撮影では非常に優秀で、OVFのような自然な像を描き出すのだが、流し撮り時にシャッタースピードを遅くしていくと、徐々に不自然にカクツキが目立ちはじめ、1/20以下の超スローシャッターではそれが顕著にり、パラパラ漫画のように見えてしまう。
これはOVFと考え方が根本的に違い、EVFは実際に映し出されるものを表現しているためで、ミラーレス機でのスローシャッター撮影ではこれに慣れていくしか方法がないか?
まあ、今回一日中流し撮りをしていたら、最後の方には随分と慣れてきたのだが・・・。
このカクツキ現象、超スローシャッターを多用するカメラマンのために、今後のファームウェアのアップデートでもう少しスムーズに改善を願いたい。
ブラックアウトが無い
逆に一眼レフ機でのスローシャッター撮影では、ミラーが上がっている時間帯はファインダーから像が見えない、いわゆるブラックアウトが起こってしまう。
これは一眼レフ機の仕組み上、仕方のないことだ。
しかしキヤノンEOS R5で撮影したところ、ブラックアウトが気にならなかった。
仕組みは理解していないがミラーレス機でもブラックアウトは存在する。
しかし技術の進歩により、キヤノンEOS R5ではブラックアウトをなるべく短くするようにリフレッシュレートをあげており、気にならないレベルになっているらしく、流し撮りでマシンを追いかけるのにはブラックアウトが気にならないのは非常に有効だと感じた。
バッテリーの消耗が激しい!
ミラーレス機は、前述のとおりEVFの小さな液晶モニターを見ての撮影になる。
またEVFを覗いていない状況でも、電源が入っている時には背面モニターが常に作動をしていて、捉えている絵を映し出している。
そのためバッテリーの消耗が相当に激しく、今回は1日を掛けて3500枚ほど撮影をしたのだが、バッテリーを2回も取り替えて、3本も使うことことになり、やはりミラーレス機は電池の持ちが悪いことをあらためて実感した。
高画素機は現像に時間を要す
これはミラーレス機と一眼レフ機の比較では無いが、今までは3000万画素のキヤノンEOS 5D MarkⅣでlightroom classic CCを使って現像作業を行ってきたのだが、今回は4500万画素のキヤノンEOS R5で現像を行ったところ、ロード時間が長く、いつものようにサクサクと現像作業を行うことができなかった。
私が使うパソコンは、2015年11月頃に発売されたiMacの27インチモデルで、オプションを多く詰め込み、当時の価格で40万円以上だったのだが、5年前のモデルではちょっと厳しい。
高画素機はトリミングには相当な武器になるが、パソコンのCPUにかなりの負担がかかるようだ。
まとめ
今回は2020年11月に、ミラーレス機のキヤノンEOS R5を用い、富士スピードウェイで行われたスーパーGT最終戦で、1/30以下の超スローシャッターを中心に3500枚ほど撮影をした。
それまで4年間モータースポーツ撮影に使っていた、一眼レフ機のキヤノンEOS 5D MarkⅣと比べてみたが、はたして最新のミラーレス機は超スローシャッターの流し撮りでも一眼レフ機を超えていたのか?
結果は・・・?
非常に迷うが・・・
わ・ず・か・に、
一眼レフの勝ち!
流し撮り撮影ではオートフォーカスのスピードもさることながら、被写体を忠実に追いかけるファインダーの性能に寄与するところが大きい。
一眼レフ機は、超スローシャッターではブラックアウトが気になるが、OVFが自然に被写体を捉えてくれるため、ある程度技術を持った方が撮影すれば比較的安価なモデルでも上手に撮影できる。
対するミラーレス機は、ブラックアウト時間が短い高性能のEVFを搭載するキヤノンEOS R5やソニーα9Ⅱなどの上級機ならば、一眼レフ機に対抗できるであろうが、超スローシャッターでのカクツキがどうしても気になるのだ。
これから少しずつこのカクツキもファームウェアアップデートなどでもう少しスムーズに表現できるように改善してもらいたい。
まだ発展途上のミラーレス機、これから日々改善をし、動きモノ撮影でも一眼レフ機を超える日が間も無くやってくると思うが、それまでしばし待つことにしよう。
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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