人気記事:『ミニカーで振り返るF1マシン』シリーズ

【2020年版】モータースポーツ撮影初心者向けおすすめカメラ4選

サーキットへ行くと、多くのアマチュアカメラマンが迫力のレーシングマシンを撮影しようと、自慢のカメラを構えており、その数は年々増加し、モータースポーツとカメラを愛す私にとって、嬉しい限りです。

高速で走り去るレーシングマシンの流し撮り撮影は、カメラの性能をフルに発揮できる素晴らしい被写体なんですよね。

そこで今回は、これからモータースポーツを始めたい方や初心者に向けて、モータースポーツ撮影歴8年の私が、おすすめのカメラボディを紹介したいと思います。

それでは、いってみましょう!

一眼レフカメラがオススメ

昨今カメラ界ではミラーレスカメラが台頭していますが、300km/hで走るレーシングマシンの撮影では、まだまだ動体撮影に強い一眼レフ機に一日の長があります。

先日ツイッターでこんなアンケートをとってみました。

モータースポーツ撮影、使っているカメラは?

  • 一眼レフカメラ・・・52%
  • ミラーレスカメラ・・・12%
  • コンパクトデジカメ・・・8%
  • スマホ・・・28%

ご覧のとおり結果は一目瞭然で、多くのアマチュアカメラマンがモータースポーツ撮影では一眼レフ機を使用していることがわかりますね。

そもそもなぜ、一眼レフカメラの方が動体撮影に強いとされているのか?

一眼レフ機のオートフォーカスは位相差センサー方式を採用しており、オートフォーカス専用センサーが被写体の距離からレンズを動かす量を判断し、ピントを合わせます。

AIサーボ(動体追従オートフォーカス)では短い間隔で距離を判断し、動く方向と速度を予測することでピントを合わせ続けますが、この予測値は長年の経験から導き出したものが多いため、古くからこの方式を採用する一眼レフ機は動体撮影に優位とされています。

ミラーレス機はそのオートフォーカス専用センサーを搭載するのが難しいため、一眼レフ機に比べて動体撮影に不利とされています。

ただし近年ミラーレスの上位機種は、像面位相差オートフォーカス方式を採用し、一眼レフ機に採用される位相差オートフォーカスに迫る追従性能を発揮する機種も出てきています。

位相差
AF
像面位相差
AF
コントラスト
AF
AF速度
AF精度
動く被写体
主なタイプ一眼レフミラーレスコンデジ

あと基本的なことですが、せっかくレースを観にサーキットへ行っているのに、ミラーレス機ではファインダーの中の小さな液晶テレビを見ているだけなんですよね。

それに比べて一眼レフ機は、ミラー越しではありますが生でレーシングマシンを観ていることになりますよね!?

レース撮影カメラを選ぶポイント

位相差オートフォーカスを採用する一眼レフ機がおすすめなのはわかりました。

それでは多くラインナップされる一眼レフ機の中で、初心者が選ぶポイントは?

私が考えるポイントは以下のとおりです。

モータースポーツカメラを選ぶポイント
  • 動体追従性
  • レリーズタイムラグ
  • 連写性能
  • センサーサイズ

それでは1項目ずつ解説していきましょう。

動体追従性能

モータースポーツ撮影では、レーシングマシンが来るであろう場所にあらかじめピントを合わせておいて、マシンがその場所を通過する瞬間にシャッターを切る置きピンと、動いているレーシングマシンをシャッター半押し(または親指AF)で、レーシングマシンにたえずピントを合わせ続ける動体追従オートフォーカス(AIサーボ・AF-C・コンティニュアスAFなどカメラメーカーにより名称が違う)がありますが、現在の主流は動体追従オートフォーカスでの撮影です。

最近の動体追従オートフォーカスは、あらかじめレーシングマシンが来るであろう場所を予測しピントを合わせてくれる非常に優れた機能ですが、数値化されていません。

そのため、信頼できるカメラメーカーの、発売が5年以内、中級機以上を選ぶことで、モータースポーツ撮影初心者としては、満足できる追従性能を得られます。

レリーズタイムラグ

レリーズタイムラグとは、シャッターボタンを押してから実際にシャッターが切れるまでのタイムラグです。

300km/hで走行しているレーシングマシンは0.1秒に8.3メートルも移動するため、レリーズタイムラグも短いに越したことはありません。

ただし、追求すると上級機を購入せざるを得ないため、初心者は0.06秒以内を目安にするといいと思います。

連写性能

前述したとおり、レーシングマシンは300km/h走行時0.1秒で8.3メートル移動するため、毎秒10枚のカメラでも1枚毎に8.3メートルも移動します。

そのため決定的瞬間では連写性能に優るカメラの方が数打ちゃ当たるため、成功の可能性は上がります。

しかし私は毎秒7枚のカメラで基本2枚まで。

だって、後からの写真整理がとんでもなく大変になるからです。

センサーサイズ

現在一眼カメラではフルサイズ機がもてはやされていますが、モータースポーツ撮影では必ずしもフルサイズが良いとは限りません。

というのも、超望遠レンズを多用するため、フルサイズ機ではレンズが大きく高価になりがちなので、比較的リーズナブルで取り回しにも優るAPS-C機をあえて使う方も多くいます。

そのためモータースポーツ撮影初心者は、APS-C機でまったく問題ありません。

レース撮影おすすめカメラ

それでは、これからモータースポーツ撮影をする方に、どのカメラが向いているのか具体的に候補を挙げていきましょう。

まずは、一眼レフ機が豊富にラインナップされているキヤノンのカメラから、候補を挙げていきます。

キヤノンEOS90D

タイプ一眼レフ
AF方式位相差AF
連写10コマ/秒
センサーサイズAPS-C
有効画素数3250万画素
発売日2019年9月

これからモータースポーツを撮影する方におすすめするカメラ、1台目はキヤノンEOS90Dです。

デジタルカメラは日々進化しており、新しい製品ほど性能が良いとされていますが、EOS 90Dは2019年9月に発売されたばかりの最新機種になります。

EOS 90Dは、映像エンジンがDIGIC8に進化しており、モータースポーツ撮影カメラを選ぶ上で最も重要視される、動体追従性能が進化しており、AIサーボでレーシングマシンをしっかり追いかけてくれます。

前機種のEOS80Dでは秒間8コマだった連写性能は、当機種から秒間10コマに上がり、上位機種であるEOS7D Mark2と同等になりました。

そして何より有効画素数が、上位機種のEOS7D Mark2だけでなく、その上のEOS5D Mark4よりも多い3250万画素になり、なかなか構図が理想どおりに決まらないモータースポーツ撮影で、トリミング耐性も非常に安心できる画素数です。

キヤノンEOS7D Mark2

タイプ一眼レフ
AF方式位相差AF
連写10コマ/秒
レリーズタイムラグ0.055秒
センサーサイズAPS-C
有効画素数2020万画素
発売日2014年10月

ヒエラルキーを大切にするカメラメーカーとして知られるキヤノンですが、キヤノンEOS7D Mark2は発売から5年を経過し、多くの性能で前に紹介した最新のEOS90Dよりも劣っています。

しかし、今でも多くのモータースポーツアマチュアカメラマンがEOS7D Mark2を使用しており、サーキットで一番見掛ける一眼レフ機と言っていいでしょう。

EOS90Dよりも優るところを挙げると、ひとつは価格面で、発売から5年の開きがあるだけに、実勢価格で約5万円も安くなっています。

もうひとつは耐久性で、公式には謳われていませんが、キヤノン一桁台だけあり、下位機種の二桁台と比べると耐久性や堅牢性に優れていると言われています。

発売当時は、キヤノンのフラッグシップだったEOS1DX譲りのオートフォーカス性能と言われ、多くのモータースポーツアマチュアカメラマンが飛びついた(私もその一人)EOS7D Mark2は、いまだに十分の性能を有しています。

それにEOS一桁台の一眼レフを、10万円ほどで手に入れられるのも魅力ですよね。

ニコンD500

タイプ一眼レフ
AF方式位相差AF
連写10コマ/秒
レリーズタイムラグ0.050秒
センサーサイズAPS-C
有効画素数2088万画素
発売日2016年4月

キヤノンとともに一眼レフ機を多くラインナップするニコンの、モータースポーツ撮影のオススメカメラは、ニコンD500でしょう。

D500が発売された時、多くの性能でライバルのキヤノンEOS7D Mark2を上回っており、キヤノンファンは羨み、一部のモータースポーツアマチュアカメラマンはキヤノンからニコンにマウント変更しました。

モータースポーツ撮影での1番のポイントである動体追従性能でも、EOS7D Mark2を上回っているとされ、連写も毎秒10コマと同等、レリーズタイムラグでもEOS7D Mark2より短くなっています。

唯一の難点は、ニコンがミラーレス機用のZマウントに注力しており、今後の一眼レフ用Fマウントの行方でしょうか。

オリンパスOM-D E-M1X

タイプミラーレス
AF方式像面位相差AF
連写15コマ/秒
センサーサイズマイクロフォーサーズ
有効画素数2037万画素
発売日2019年2月

冒頭から、「モータースポーツ撮影は一眼レフ機だ!」と書き、おすすめカメラもここまで一眼レフ機を紹介してきましたが、最後におすすめするオリンパスOM-D E-M1Xはミラーレス機になります。

なぜこのミラーレス機を最後に紹介するかというと、『モータースポーツ認識AF』なるものが搭載されているからなんです。

しかもこのモータースポーツ認識AFがすごいのが、モータースポーツのカテゴリーによりピント位置を的確に変えてくれるんです。

モータースポーツのピント位置について、詳しくは下の記事で解説しています。

通常ツーリングカーやGTカーではマシンの前面部に、フォーミュラカーではヘルメットにピントを合わせるのですが、これをカメラが勝手に判断してくれるのです。

オリンパス公式の動画解説をご覧ください。

フォーミュラはヘルメットに、ツーリングカーはマシン前面部にカメラがしっかり認識しており、これならモータースポーツ撮影初心者でも、安心してフレーミングができそうです。

しかもこのカメラのセンサーはコンパクトなマイクロフォーサーズのため、望遠レンズもコンパクトだし、レンズのお値段も比較的リーズナブルなんです。

ボディ自体はオリンパスのフラッグシップなだけに少し高い価格設定ですが、初心者にも安心して撮影ができるカメラとして、候補のひとつとして考えてみてもいいかもしれません。

最後に

今回は一眼レフの中級機を中心に、これからレース撮影をしたい方や初心者を抜け出したい方へ向けて、モータースポーツ向けカメラボディを紹介してみました。

しかし、入門用一眼レフ機やミラーレス機で撮影している方もサーキットで多く見かけますし、もちろんその様なカメラでも撮影は可能ですよ。

モータースポーツ撮影に興味がある方、私と一緒にまずは一度サーキットで撮影してみませんか?

きっとその先には、新しいカメラライフが待っていると思います!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年版モータースポーツおすすめ望遠レンズを集めてみました↓

他にもモータースポーツ撮影に関しての記事を書いていますので、下のボタンをクリックしてご一緒にどうぞ!

面倒ですがポチッとお願いします

自動車レースランキング

関連記事

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

146人の購読者に加わりましょう
よかったらSNSでシェアお願いします!



サーキットでの興奮をあなたに伝えたい
MOTORSPORT観戦記

サーキットは非日常を味わえる特別な空間です。そんな素晴らしいモータースポーツの世界を、ひとりでも多くの方に伝えたい・・・。そんな思いでMOTORSPORT観戦記と題し、記事に認めました。




コメントを残す

ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。