私は富士スピードウェイや鈴鹿サーキットを中心に四半世紀以上もサーキットに行っていますが、年を追うごとにアマチュアカメラマンが増えています。
ただモータースポーツ撮影はちょっと特殊。「これからモータースポーツを撮影したいけど、どんなカメラで撮ればいいだろう?」と思っている方も多いのでは無いでしょうか。
そこで今回は腕はないけどカメラとモータースポーツ撮影の知識だけは豊富な私が、モータースポーツ撮影に最適なカメラを紹介してみたいと思います。
ミラーレス機は一眼レフ機を超えた?
少し前まで、「動きモノは一眼レフ機でないと撮れない。ミラーレス機のEVFは遅延がありすぎて使えたもんじゃあない」などと、カメラ上級者を中心にそんなことを言っていました。
もちろんガラスを通して実物を見ながら撮影する一眼レフ機は遅延など存在せず、長年開発されてきた技術でシャッターレリーズ(シャッターボタンを押してから実際に切れるまでのタイム差)もわずか。
一方ミラーレス機はファインダー内の画像を見るため、わずかばかりの遅延は確かに存在します。
しかし最新の中級機以上のミラーレス機からば遅延はわずか。
わずかでも遅延があるならば一眼レフ機にすればいいじゃんって?ミラーレス機には一眼レフ機にはない利点がたくさんあります。
まずファインダー内の像が暗くならないということ。
モータースポーツ撮影はスローシャッターによる流し撮りが中心ですが、1/30以下の超スローシャッターではNDフィルターを装着します。
そんな時一眼レフ機ではファインダーを見ると真っ暗。しかしミラーレス機では仕上がりと同じ明るい像が見られるので、EVFはしっかりと被写体であるレーシングマシンを追いかけることができるのです。
なので超スローシャッターではミラーレス機の方が向いています。
またオートフォーカス性能も近年ではミラーレス機が一眼レフ機を超えました。
かつてミラーレス機はコントラストAFを採用しており、これにより一眼レフ機の位相差AFに対してミラーレス機が劣ると言われていました。
しかし近年の中級機以上のミラーレス機ではほぼ像面位相差AFを搭載し、一眼レフ機に勝るとも劣らないオートフォーカス速度と、一眼レフ機以上の精度を実現しました。
さらにキヤノンをはじめ一部のミラーレス機ではモータースポーツ撮影モード(乗り物優先被写体検出)を搭載。
これが本当に使えて、箱車ならばグリルやヘッドライトに、フォーミュラならばドライバーのヘルメットに自動的にピントを合わせます。
またAFポイントが広いのもミラーレス機の特徴。画角のほとんどがAFポイントなので、構図の自由度が一眼レフ機とは大違い。
ということで、2023年現在のモータースポーツ撮影用おすすめカメラは以下の性能が搭載したモデルになります。
- 中級機以上のミラーレス機
- EVFの遅延が少ない
- 像面位相差AF搭載
- 乗り物優先被写体検出搭載
ここまでミラーレス機を激推ししてきましたが、設計の古いモデルやリーズナブルな機種では動きモノは厳しい。低予算では古くから技術を積み上げてきた一眼レフ機の方がミラーレス機より性能が上回ります。
ただ、現在も一眼レフ機を販売しているキヤノンやニコンはミラーレスへの本格参入を機に、マウントを変更したので、今から旧来のマウントのレンズを購入するのは正直もったいない。
なので私的にはミラーレス機を推します。
モータースポーツ撮影に最適なカメラメーカーは?
ではモータースポーツ撮影に最適なメーカーはどれか?
私としては老舗カメラメーカーのキヤノンとニコンをおすすめします。
私はF1中継でモータースポーツプロカメラマンのモデルを見る癖がありますが、ほぼすべてのカメラマンはキヤノンかニコンどちらかのモデル(多くは一眼レフ機だが)で撮影しています。
もちろんプロカメラマンのサポートが充実しているのも両メーカーの強みですが、まずは性能が大前提。
キヤノンとニコンは古くから動きモノに特化したカメラを競って発売してきたメーカー。ミラーレス時代になってもその蓄積は大きな武器になります。
日本のF1撮影の第一人者である熱田護さんは、古くからのキヤノン使い。2021年シーズンに一眼レフ機のEOS 1DX MarkⅢからミラーレス機の最高峰であるEOS R3に乗り換えたと言います。
熱田護さんの前の時代のF1フォトグラファーといえば金子博さん。彼は古くからニコンのカメラでF1を撮影してきました。
そう、モータースポーツ撮影はキヤノンかニコンで撮るのが様になるのです!
えっ?ソニーは??
最近カメラの世界で台頭しているソニーですが、まだまだモータースポーツ撮影の現場では少ないようです。ミノルタ時代にはいたかもしれませんが・・・。
次のページでは、どのモデルがモータースポーツ撮影におすすめのカメラなのか、機種名を挙げます!