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フェラーリ642 わずか6戦で退役した短命マシン【ミニカー#26】

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はフェラーリが1991年のF1グランプリに参戦するために開発した642を取り上げていきたいと思います。

フェラーリ642の外観チェック

まずはフェラーリ642の外観をチェックしてみます。

※写真をクリックすると拡大します

6戦で退役した短命マシン

1989年に彗星の如くデビューし、1990年には非力なコスワースエンジンを搭載したティレルで2度も表彰台に上がったジャン・アレジ選手がフェラーリに加入し、初めて実戦デビューしたマシンがフェラーリ642です。

フェラーリ642は1988年にジョン・バーナード氏がデザインした639系の流れを踏襲した最後のマシンで、当時の他のF1マシンとは大きくデザインコンセプトが違い、細いノーズと長いサイドポンツーンが特徴でしたが、前年型の641/2と比べるとサイドポンツーンの張り出しが少なくなりました。

しかし1991年当時のF1はベネトンB191やティレル020、そしてジョーダン191のように、ノーズの下から空気を入れリヤディフューザーの効果を上げる手法が主流になる中、フェラーリ642のデザインコンセプトはすでに古くなっていました。

そのため成績は低迷し、開幕から6戦を終えたところでフェラーリ642は退役し、第7戦からフェラーリは後継のフェラーリ643をエントリーさせました。

フェラーリ642を実車のように撮る!

それでは1/43のフェラーリ642を撮影していきます。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』です。

※写真をクリックすると拡大します

V12の大きなエンジンを積むため、エンジンカウルのもっさりとした造形がフェラーリ639系の特徴です。

対するジョーダン191はコンパクトなフォードV8を搭載するため、エンジンカウルもスマートです。

ポールポジションは1度も無かったフェラーリ642ですが、せっかくなので置いてあげました。

今見てもノーズの細さがカッコいいフェラーリ642。

ちなみに2020年のF1マシンの特徴も極細ノーズです。

この年よりパイオニアがスポンサーになり、F1中継でアレジ選手のCMが流れていたのもこの頃ですね。

アレジ選手の「道は星に聞く」というフレーズが印象的でした。

アジップの火を吹く6本足のライオンのロゴマークが魅力的ですが、F1が火を吹いちゃあマズいでしょ!?

ミニカーもタバコ広告規制で、マールボロのロゴが再現されていないのが残念です。

当時のフェラーリのマシンカラーは真紅でした。

1997年にマールボロのサポート拡大で蛍光レッドになり、途中メタリックレッドを挟み現在はつや消しレッドになりましたが、多くのファンは当時の真紅のフェラーリが一番好きですよね。

最後は同じ1991年のF1に参戦したジョーダン191とともに。

以上、1/43のフェラーリ642を実車のように撮影してみました。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介します。

【マテル製】フェラーリ642

2013年頃にマテルの上級バージョンとして発売していたモノを購入しました。

現在は絶版だと思います。

【ixo製】ジョーダン191

デアゴスティーニのF1マシンコレクション22号で、2017年に発売されました。

最後に

1990年にアラン・プロスト選手が駆るフェラーリはマクラーレンのアイルトン・セナ選手とタイトル争いを演じましたが惜しくも敗れ、1991年こそはと期待されデビューしたのがフェラーリ642でした。

しかし開幕するとマクラーレンはおろかウィリアムズにも先行を許し、フェラーリ642は失敗作の烙印が押され、わずか6戦で退役してしまいました。

だが第7戦から投入したフェラーリ643も優勝すらできない有様で、1992年に大きくデザインコンセプトを変更したフェラーリF92Aを投入するも、入賞すらままならない駄作で、フェラーリはそれ以降低迷期を迎えることになるのでした。

最後にフェラーリ640から続くネーミングについて。

フェラーリのネーミングは一貫性がないことで知られています。

例えば2020年型マシンのSF1000はファラーリがF1参戦1,000戦目を迎えるマシンであることから命名したし、2019年型SF90はチーム創設90周年から命名されています。

このマシン名とは別に開発コードが存在し、SF90は『670』・SF1000は『671』です。

異例なのはその開発コードが一般にマシン名として認知された時期があり、それが1989年の640から1991年の642です。

1989年のフェラーリ640の正式名称はフェラーリF189、641および641/2はF190、そして今回のフェラーリ642と後期型のフェラーリ643の正式名称はF191です。

そういえばタミヤのプラモデルにはフェラーリF189やフェラーリF190と書かれていたので正式名称の多少の認知度がありましたが、ハセガワから発売した1991年型フェラーリはフェラーリ642と記載されていたことからも、もう1991年当時はF191という正式名称で呼ぶファンはいませんでした。

以上、今回はフェラーリ642のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。