1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はルノーが2005年のF1に参戦するために開発した、ルノーR25を取り上げていきたいと思います。
ザックリ見出し
マシンデータと戦績
まずはルノーR25の主要諸元をチェック。
年式 | 2005年 |
カテゴリー | F1 |
コンストラクター | ルノー |
マシン名 | R25 |
デザイナー | ボブ・ベル ティム・デンシャム ティノ・トソ |
エンジン | ルノーRS25 |
つづいてルノーR25の戦績を見てみる。
コンストラクター | アロンソ | フィジケラ | |
---|---|---|---|
シーズン順位 | 1位 | 1位 | 5位 |
シーズンポイント | 191P | 133P | 58P |
優勝 | 8回 | 7回 | 1回 |
ポールポジション | 7回 | 6回 | 1回 |
ファステストラップ | 3回 | 2回 | 1回 |
アロンソ&ルノー初のチャンピオン!
ルノーR25は空力面で非常に優れたマシンだった。
ノーズ先端が垂れ下がった形状で、前年型ルノーR24に比べて細く絞られたルノーR25は、それに装着される複雑な3D形状のフロントウイングも特徴的。
サイドポンツーンはタイトに絞り込まれていて、上面には放熱用のルーバーが何本も刻まれている。
フロントサスペンションのロワアームのボディー側マウントはV字型のステーで取り付けられ、その形状はVキールと呼ばれた。
2005年シーズンはそれまで圧倒的な強さを誇ったフェラーリが低迷し、ルノーとマクラーレンが強さを誇ったシーズンだった。
開幕戦でルノーR25を駆るジャンカルロ・フィジケラがポールトゥウィンを飾ると、第2戦から第4戦までは同じくルノーR25を駆るフェルナンド・アロンソが3連勝を達成。
特に第4戦のサンマリノグランプリでは、フェラーリのミハエル・シューマッハの猛追を振り切った素晴らしいレースとして、今でも語り草になっている。
結局シーズンはルノーのアロンソとマクラーレンのキミ・ライコネンが7勝で並んだが、信頼性で勝るルノーのアロンソが表彰台フィニッシュ15回の抜群の安定感で、自身初のドライバーズチャンピオンに輝いた。
またルノーも1977年のF1参戦以来、初のコンストラクターズチャンピオンを獲得したシーズンだった。
では、そのルノーRS25のミニカーを詳しく見ていこう。
ルノーR25のミニカーを実車のように撮る!
それでは1/43のルノーR25を撮影していこうと思う。
もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。
細く尖ったノーズを持つルノーR25。
ドライバーはこの年に自身初のチャンピオンを獲得するフェルナンド・アロンソだ。
この時代はブリヂストンとミシュランのタイヤ戦争真っ只中で、ルノーはこの年性能を一気に上げたミシュランタイヤを装着していた。
当時はタイヤに4本の溝が入ったグルーブドタイヤだった。
ルノーは長く水色とイエローのカラーリングで戦った。
水色は我が国JTのマイルドセブン(現メビウス)のカラーで、イエローはルノーのコーポレートカラーだ。
この年エアロダイナミクスの大幅な見直しを行ったルノーは、サイドポンツーンがタイトに絞られており、多くの空力フィンが装着される。
サイドポンツーン上部には、フェラーリF2003-GAからインスパイヤーされた放熱用のシャークルーバーが何本も刻まれている。
この年7回獲得したポールポジションの位置にルノーR25を停車させる。
奥に見えるのはミハエル・シューマッハのフェラーリF2005。
フロントセクションやリヤウイング翼端板、バージボードに描かれる『i』の文字は、日本のdocomoが手がけていた携帯電話用のメールやインターネットサービスのiモード。
現在はスマートフォンへの移行のため、2019年9月30日に新規受付を終了したらしい。
ルノーR25に搭載されるエンジンは前年型R24に搭載された物と同じバンク角72度の正常進化型。
当初は新設計のバンク角90度のV10エンジンを使用する予定だったが、2006年からの2.4LV8エンジン規定や、この年から義務付けられる2レース1エンジンでの信頼性を考え投入は見送られた。
タバコ広告規制のグランプリでは、ご覧のとおり通常MILD SEVENのロゴが入る場所にTEAM SPIRITという文字が入った。
F1ではこの翌年の2006年を最後にタバコ広告が禁止されたため、マイルドセブンは1994年から続いたエンストンのチーム(ベネトン〜ルノー)のタイトルスポンサーを2006年で降りている。
ルノーR25(左)と前年型のルノーR24(右)。
ルノーR25の方がノーズが細く、リヤセクションが絞り込まれているのがわかる。
以上、1/43のルノーR25を実車のように撮影してみた。
今回登場したミニカー
今回撮影に登場したミニカーを紹介する。
【ixo製】ルノーR25
デアゴスティーニのF1マシンコレクション20号で、イタリアのixoが製造を担当している。
【マテル製】フェラーリF2005
2006年初頭に購入したマテル製の通常ラインナップに、社外のマールボロデカールを装着した。
発売から15年ほど経過しているため、現在新品での購入は困難だと思われる。
【ixo製】ルノーR24
デアゴスティーニのF1マシンコレクション52号で、ixo製。
最後に
2度の世界チャンピオンであるフェルナンド・アロンソは、その経歴の長きをルノーR25を製作したエンストンのチームと共にしている。
2000年、国際F3000参戦中に当時ベネトンのチーム代表(翌年からルノーのチーム代表)だったフラビオ・ブリアトーレとマネージメント契約を結ぶと、ルノーとの契約下ながら2001年にミナルディでF1デビューすると、すぐに才能が注目される。
2002年はルノーのテストドライバーになり、2003年にルノーのレギュラードライバーに抜擢され初優勝を飾り、ランキング6位の成績を上げる。
そしてルノー在籍3年目となる2005年には、今回特集したルノーR25を駆り当時の最年少記録でドライバーズタイトルを獲得し、2006年もミハエル・シューマッハとの選手権争いに勝利してルノーで選手権連覇を達成。
その後2007年にマクラーレンに移籍するも若きルイス・ハミルトンとの間に確執が生まれ、翌年にはふたたび古巣のルノーに復帰する。
2年間をルノーで過ごしたのちに、2010年からフェラーリ、2015年からはマクラーレンに在籍するも、2018年を最後にF1を引退し、インディカーや世界耐久選手権(WEC)に活躍の場を変える。
そして2021年、アルピーヌと名称を変えたエンストンのチームから、3年ぶりにF1に復帰している。
名手アロンソとエンストンのチームは、切っても切れない縁で結ばれているのだ。
以上、今回は1/43のルノーR25を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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