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【特別編】フェラーリ126C2【ミニカーで振り返るレーシングマシン83】伝説のジル・ヴィルヌーヴのマシン

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はフェラーリが1982年のF1に参戦するために開発した、フェラーリ126C2を取り上げていきたいと思います。

マシンデータと戦績

まずはフェラーリ126C2の主要諸元をチェック。

年式1982年
カテゴリーF1
コンストラクターフェラーリ
マシン名126C2
デザイナーハーベイ・ポスルスウェイト
マウロ・フォルギエリ
エンジンフェラーリ021
主要諸元表

つづいてフェラーリ126C2の戦績を見てみる。

コンストラクターヴィルヌーヴピローニタンベイアンドレッティ
シーズン順位1位15位2位7位19位
シーズンポイント74P6P39P25P4P
優勝3回0回2回1回0回
ポールポジション3回0回2回0回1回
ファステストラップ2回0回2回0回0回
戦績表

レギュラードライバー2人の相次ぐ不幸・・・

1980年までフェラーリは伝統の12気筒エンジンを搭載していたが、その形状からグランドエフェクト効果を最大限活用できなく、1981年からバンク角120度のV型6気筒ターボエンジンにスイッチし、今シーズンはバンク角120度のV型6気筒ターボ(Compressore)エンジン搭載マシンの2代目ということで、126C2と命名された。

このマシンは、のちにティレルでハイノーズコンセプトをF1にもたらすことになる、ハーベイ・ポスルスウェイトのフェラーリ加入1作目のマシンで、それまでの旧態化したセミモノコックから脱却し、一般的なフルモノコックに切り替えたマシンだった。

当時のF1のシャシーは、アルミ製からカーボン製に切り替わる過渡期だったが、フェラーリ126C2は従来型のアルミハニカムモノコックを採用する。

しかしシーズン中にカーボンでコクピット周辺を補強することになるのだが、その理由はドライバーの痛ましい事故があったからだった・・・。

このマシンを語る上で、ジル・ヴィルヌーヴとディディエ・ピローニの事故を避けるわけにはいかない。

フェラーリ126C2で挑んだ1982年シーズンは、1979年以来の競争力のあるマシンで、タイトルを十分に狙えるマシンだった。

しかし競争力のあるマシンにチームメイト争いは付きもので、この年もヴィルヌーヴとピローニはその渦中にいた。

1981年からチームメイトになったヴィルヌーヴとピローニは、1982年第4戦サンマリノグランプリでピローニがチームオーダーを無視してヴィルヌーヴの優勝を奪うと、両者の関係は極端に悪化してしまう。

続くゾルダーサーキットで行われた第5戦ベルギーグランプリの予選中、ヴィルヌーヴは前を走るヨッヘン・マスのマーチのリヤタイヤに自身のフロントタイヤを乗り上げてさせてしまい、マシンは宙を舞いフェンスに激しくクラッシュしてしまう。

マシン前半部が大破し、さらにシートベルが千切れてヴィルヌーヴはマシンから放り出されてしまい、命を落としてしまった・・・。

第12戦のドイツグランプリでは、ピローニがアラン・プロストのルノーに激しく追突してしまい、両足を粉砕骨折してF1からの引退を余儀なくされた。

レギュラードライバー2人の不幸な事故で暗い話題ばかりのフェラーリだったが、フェラーリ126C2のポテンシャルは高く、代役として起用されたパトリック・タンベイとマリオ・アンドレッティの健闘もあり、コンストラクターズタイトルを獲得したのだった。

では、そのフェラーリ126C2のミニカーを詳しく見ていこう。

フェラーリ126C2のミニカーを実車のように撮る!

それでは1/43のフェラーリ126C2を撮影していこうと思う。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。

フェラーリ126C2のカーナンバー27はヴィルヌーヴのマシン。

チーム固有カーナンバー制時代、当時新興チームだったウィリアムズが1981年にチャンピオンを獲得し、カーナンバー1を付けていたフェラーリが入れ替わるカタチでこの大きなカーナンバーを譲り受けた。

当初フェラーリはこの大きなカーナンバーにためらいを感じていたが、ヴィルヌーヴの死とともにこの27がフェラーリ伝説のカーナンバーへと変わった。

余談だが、当時のカーナンバーは現在と比べるとかなり大きく、コースサイドからでも確認が容易だ。

こちらカーナンバー28はピローニのマシン。

ターボの強大なパワーを路面に伝えるため、当時のリヤタイヤは非常に太い。そのタイヤは前年のミシュランからこの年グッドイヤーに変更している。

フェラーリ126C2は、サイドポンツーンにスカートを装着したウイングカー(グランドエフェクトカー)最晩年のマシン。

翌1983年からフラットボトム規制が導入され、ウイングカーは姿を消すことになる。

こちらカーナンバー27のヴィルヌーヴのミニカーはミニチャンプス製。

そしてこのカーナンバー28のピローニのマシンがixo製。

前後ウイングの形状やサイドポンツーンの張り出し具合など、グランプリごとの仕様変更もあるが、その形状や色はミニカーメーカーごとに違いがあるのが面白い。

アルミハニカムモノコックで製造されたウイングカー時代のマシンは、各車個性があってカッコよかったが、その中でもフェラーリのマシンは個性が際立っており一種のオーラを感じさせる。

ヴィルヌーヴのピローニの2台のフェラーリ126C2をスターティンググリッドに移動する。

ヴィルヌーヴの伝説のヘルメットとカーナンバー27がじつにカッコいい。

ちなみにジルの息子ジャック・ヴィルヌーヴは、父のヘルメットをオマージュしたデザインで1997年シーズンのF1を制している。

タイヤ付近に見えるベージュの部品はブレーキダクト。そのダクトで冷やされるブレーキは、シーズン途中にスチールディスクから現在に通じるカーボンディスクに変更されている。

1979年のフェラーリ312T4からコクピット前方のクリア風防がブルーに塗装されており、深紅の塗装の合間っていいアクセントになっていたが、このフェラーリ126C2を最後に廃止されている。

フェラーリ126C2はシャシーナンバー055から064までの10台が製造された。また前年型のフェラーリ126CKのシャシーナンバー049Bも126C2化されている。

ミニカーを撮影すると、その小ささから俯瞰でのアングルになりがちだが、このように実車のような目線から撮影することでより本物のように見える。

奥に見えるのは同年のティレル011。

フェラーリ126C2は、シーズンとともにその形状が大きく変化している。

左のヴィルヌーヴは第5戦まで参戦したため前半戦を戦ったマシンで、右のピローニのマシンはおそらく後半戦仕様だろう。フロントサスペンションがロッキングアームからプルロッドに変更し、それに伴いサスペンションを覆うようにあったカウルが無くなっている。そして前後ウイングの形状も異なっている。

またヴィルヌーヴのマシンがミニチャンプス製でピローニのマシンがixo製だが、前述したとおり製造メーカーにより色や形状が異なる。ブレーキダクトの色がまったく違いixo製はしっかりと穴が再現されており、リヤに見えるエンジンやトランスミッションも再現度が高いが、全体的なフォルムはミニチャンプス製の方が実車に近いと感じる。そして深紅のボディーカラーはミニチャンプス製の方が明るい。

以上、1/43のフェラーリ126C2を実車のように撮影してみた。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介する。

【ミニチャンプス製】フェラーリ126C2

2000年ごろに近所のミニカーショップで購入したもの。

1999年以降フェラーリのミニカーはマテルの独占契約下だったので、それ以前に製造されたものだと思われる。

ミニチャンプスブランドでこの歴史的名車を現在入手できるのは困難で、おそらくプレミア価格になっているだろう。

【ixo製】フェラーリ126C2

デアゴスティーニのF1マシンコレクション第15号で、製造はイタリアのixoが担当している。

【ixo製】ティレル011

同じく、デアゴスティーニのF1マシンコレクション第51号でixo製。

最後に

前述したとおり、チーム固有カーナンバー制時代、当時新興チームだったウィリアムズが1981年にチャンピオンを獲得し、カーナンバー【1】を付けていたフェラーリが入れ替わるカタチでこの大きな【27】というカーナンバーを譲り受けた。

当初フェラーリはこの大きなカーナンバーにためらいを感じていたが、ヴィルヌーヴの死とともにこの【27】がフェラーリ伝説のカーナンバーへと変わった。

彼の死後、パトリック・タンベイ(1982-1983)、ミケーレ・アルボレート(1984-1988)、ナイジェル・マンセル(1989)、アイルトン・セナ(1990)、アラン・プロスト(1991)、ジャン・アレジ(1992-1995)と、フェラーリのエースドライバーに引き継がれることになる。
※アイルトン・セナのみマクラーレン

しかし1996年から前年のコンストラクターズ順位によりカーナンバーが与えられるように変更になったため、フェラーリをはじめF1で【27】を見ることができなくなった。

しかし2014年からドライバー固有カーナンバー制に変更し、ニコ・ヒュルケンベルグによりこのカーナンバーがF1に復活することになった。

ヒュルケンベルグは2020年まで【27】をつけてF1に参戦したが、2021年からは空き番号になっており、私としてはこのカーナンバーがフリーになる2023年にはフェラーリのエースドライバーにつけてもらいたいと思っているのだが・・・。

2024年までフェラーリと契約を交わしているシャルル・ルクレールが、赤いマシンに【27】をつけてモンツァで優勝するシーンがぜひとも見てみたい!

以上、今回は1/43のフェラーリ126C2を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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奥が深いモータースポーツ撮影の世界
MOTORSPORT撮影術

モータースポーツ撮影歴18年。腕に覚えは全く無いが、知識だけは豊富なワタクシぴぴが、レース撮影について偉そうに解説します。




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ぴぴ
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。 一眼レフデビューは2001年頃、CANON EOS7(フィルム機)。腕に覚えは全くないが、年数だけはそこそこ長い。 【一眼レフ遍歴】 CANON EOS 7 → CANON EOS kiss N → CANON EOS 60D → CANON EOS 7D MarkⅡ → CANON EOS 5D MarkⅣ & SONY α7R Ⅲ 【所有カメラ】 CANON EOS 5D MarkⅣ SONY α7R Ⅲ SONYサイバーショット DSC-RX1R 【所有レンズ】 CANON EF100mm-400mm f/4.5-5.6L IS Ⅱ USM CANON EF70-200mm f/2.8L IS Ⅱ USM CANON EF24mm-70mm f/4L IS USM CANON EF50mm f/1.2L USM CANON EF85mm f/1.4L IS USM SONY FE24-105mm F4 G OSS