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ザウバーC37 シャルル・ルクレールのデビューマシン【ミニカー#113】

現在はフェラーリのエースになり、F1界のトップのドライバーのひとりとして活躍するシャルル・ルクレール。

そんな彼がF1ドライバーとしてデビューしたチームがザウバーだ。

そこで今回はそのルクレールがデビューしたマシン、2018年のザウバーC37を紹介してみようと思う。

マシンデータと戦績

まずはザウバーC37の主要諸元をチェックしてみよう。

年式2018年
コンストラクターザウバー
マシン名C37
デザイナーヨルグ・ザンダー(テクニカルディレクター)
エンジンフェラーリ062 EVO
1.6L V6ターボ
タイヤピレリ
メインスポンサーアルファロメオ
主要諸元表

マシン名は創業者であるペーター・ザウバーがヒルクライム用に自宅の地下で製作したザウバーC1からの通し番号。

ちなみにメルセデスと組み1989年のル・マン24時間で優勝したマシンはC9で、1993年F1デビューマシンはC12になる。

またBMWに買収されBMWザウバーとなった2006年から2009年もその通し番号は継続された。

マシンをデザインしたのはヨルグ・ザンダー。

ザンダーは2017年にチームに加入し、テクニカルディレクターとしてこのC37を設計したが、この2018年を最後にチームを離脱している。

パワーユニットはザウバーとゆかりの深いフェラーリ製のものを使用。前年C36は型落ちのパワーユニットだったがこの年から最新仕様の供給を受けた。

つづいてザウバーの2018年シーズンの戦績を見てみよう。

コンストラクターエリクソンルクレール
シーズン順位8位17位13位
シーズンポイント48P9P39P
優勝0回0回0回
表彰台0回0回0回
ポールポジション0回0回0回
ファステストラップ0回0回0回
戦績表

この年デビューしたシャルル・ルクレールだが、F1参戦5年目のマーカス・エリクソンに対しほぼすべてのレースで上位フィニッシュし、30ポイントの差をつけた。

新人にも関わらずマシン性能で劣るザウバーで光る走りを連発した結果、ルクレールはデビュー2年目にして名門フェラーリのシートを獲得するのであった。

ザウバーC37のミニカーを実車のように撮る!

さあ、それでは1/43のミニカーでザウバーの2018年のマシンC37をじっくり見ていこう。

まずはピットガレージのカットから。

フロントノーズの両側にはSダクトの機能向上を意図したツインダクトが確認できる。

またそのノーズ先端にはお馴染みアルファロメオのブロンドロゴが入るが、当時のチーム名はザウバーでアルファロメオはあくまでもタイトルスポンサーだ。

ちなみに翌2019年からネーミングライツによりチームがアルファロメオになるので、コンストラクターとしてザウバーの名を冠した最後のマシンになる(2022年現在)。

前年の2017年からリヤタイヤが405mmにワイド化されて迫力を増したF1マシンのリヤアングル。

リヤサスペンションぱ一般的なプルロッド式だ。

前年はメタリックブルーにゴールドのアクセントをあしらったカラーリングだったが、前述のとおりこの年からイタリアの自動車メーカーであるアルファロメオがタイトルスポンサーになり、エンジンカウルはそのアルファロメオのブランドカラーである葡萄茶をベースに大きな企業ロゴが付いた。

個人的には前年のカラーリングが非常にカッコいいと思っていたのだがちょっと残念。

そしてこの葡萄茶ってもっと深みがあったような気が・・・。

まあ3,000円足らずのミニカーに、そこまでのクオリティーを求めてはならないよね。

ザウバーC37はサイドポッドの前後長がかなり短く、前端はコクピット開口部の中央部付近から伸びている。

そしてサイドポッドがコクピットにかなり寄せられていて、ご覧のとおり張り出しは他のマシンよりも少ない。

これは2022年のメルセデスW13のゼロポッドのような・・・まあ、あそこまでの極端な感じではないか。

お次はスターティンググリッドに移動して、今回撮影に協力してもらう同年のハースのマシン、VF-18と並べてみた。

ザウバーとハースのフロントロー・・・現実にはあり得ない光景だね。

ということで、2台を定位置の後方グリッドに移動すると、

うん、この位置の方がしっくりくるね!

マシンをじっくり見てみると複雑な空力デバイスがサイドポッド前に装着、そしてリヤタイヤ前のフロア上面にも複雑な突起が確認できる。

当時の各チームが勢力的に開発を行なっていた箇所だが、10cmほどの1/43のミニカーなのでかなり無理して表現しているのがわかる。

この年から装着が義務化されたHALOがコクピットを覆う。

このHALOは多くの事故からドライバーを守ってきた。

当初違和感があったが、その後FIA-F4に至るまでほぼすべてのフォーミュラカーに装着され、今では逆に無いと古さを感じてしまう。

以上、1/43のザウバーを本気で撮影してみたが、ちょっとだけでも本物のように見えたかな?

今回登場したミニカー

今回撮影に登場した2台のミニカーを紹介する。

【ixo製】ザウバーC37

デアゴスティーニから販売されているF1マシンコレクションシリーズの第124号(2021年9月発売)で、イタリアのミニカーメーカーの老舗であるixoが製造を担当している。

【ixo製】ハースVF-18

こちらも同じくデアゴスティーニかのF1マシンコレクションシリーズで、2021年10月に発売された第126号。

今回の撮影機材

今回ミニカーを撮影したカメラ機材を紹介する。

カメラキヤノンEOS R5
レンズキヤノンRF35mm F1.8 MACRO IS STM
撮影機材

今回もキヤノンのEOS R5とRF35mm F1.8 MACRO IS STMで撮影した。

リーズナブルな価格設定ながらもハーフマクロと手ぶれ補正を備えたこのレンズは、今回もミニカー撮影の大きなチカラとなってくれた。

最後に

イギリスやイタリアに拠点を置くF1チームが大半を占める中F1界でも珍しいスイスに拠点を置くザウバーは1993年からF1に参戦し、途中BMWに買収(エントリー名はBMWザウバー)されるも、またもチームを買い戻しその名を冠したマシンがグランプリを駆け抜けた。

そんなザウバーはチャンピオンはおろか優勝さえも成し得ない中堅チームだったが、レッドブルやペトロナスといった現在もF1で活躍する企業をスポンサーとともに、手堅いチーム運営で長年参戦を続けてきたのだ。

しかし、ザウバーC37を最後に翌2019年からアルファロメオレーシングにエントリー名を変更し、ザウバーの名がF1から消えてしまったことは、F1ファンとしては寂しい。

だが、きっと2010年の時のようにふたたびザウバーというエントリー名で帰ってきてくれると信じている。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。