モータースポーツ中毒者のぴぴと申します。
F1マシンを中心に取り上げるミニカーコレクションですが、今回の第9弾は2017年の世界耐久選手権(WEC)を戦ったトヨタTS050ハイブリッドのミニカーを、実車のように撮影し実車を語っていきたいと思います。
ザックリ見出し
前年ル・マンでの残り5分の悲劇から屈辱を果たす!
2016年ル・マン、この年トヨタは予選でポールポジションを獲得し、決勝でもトップを快走していました。
しかし、トヨタ悲願のル・マン制覇は間違い無しと思われた残り5分、突如マシンにトラブルが発生し、ホームストレートにマシンを止めてしまいました。
23時間55分を走り抜き、残り5分で・・・。
今回取り上げるトヨタTS050ハイブリッド2017年仕様は、2016年の悲劇を乗り越えトヨタが悲願のル・マン制覇をするために製作されたマシンです。
2012年よりル・マンならびにWECへ復帰したトヨタは、ライバルと比べて少ない予算で、ライバルがル・マンへ3台のマシンを送り込んでいいた中、常に2台体制で参戦していました。
しかしこの年初めて、ル・マンとその前哨戦のスパフランコルシャンで#7・#8・#9の3台体制とし、例年になく気合が入っていました。
予選では#7の小林可夢偉選手が従来のコースレコードを2秒縮める速さを見せ、決勝でも序盤は#7・#8とワンツー体制で快走していましたが、結果は#7・#9がリタイヤ、#8は途中トラブルから長期ピットインし、完走するも総合8位に終わり、ライバルポルシェにル・マン3連勝を与えてしまいました。
ポルシェはこの年限りでLMP1クラスを撤退し、トヨタは屈辱を果たす相手が居なくなってしまいました。
ミニカー紹介
今回撮影に登場するミニカーを紹介します。
トヨタTS050ハイブリッド(2017) #8
アシェットから発売されている『ル・マン24時間レースカーコレクション vol.1』で、スパーク製です。
ちなみにこのモデルはル・マンへ出場したローダウンフォース仕様で、ドライバーは全て元F1ドライバーで、セバスチャン・ブエミ選手、中嶋一貴選手、アンソニー・デビッドソン選手がドライブしました。
ポルシェ919ハイブリッド(2017) #2
アシェットより『ル・マン24時間レースカーコレクション』の定期購読特典としてプレゼントされたもので、スパーク製です。
アウディR10 TDI(2008) #2
同じくアシェットから発売されている『ル・マン24時間レースカーコレクション vol.6』で、スパーク製です。
マツダ787B(1991) #55
こちらもアシェットから発売されている『ル・マン24時間レースカーコレクション vol.2』で、スパーク製です。
日産R390 GT1(1998) #32
アシェットから発売されている『ル・マン24時間レースカーコレクション vol.5』で、スパーク製です。
撮影
ではトヨタTS050ハイブリッド2017年仕様を撮影していきます。
いつものようにテーマは『実車のように撮る!』です。
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ル・マン風のスタート進行を再現しましたが、実際には逆方向へスタートします。
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ル・マン24時間のダミーグリッドを再現しましが、#8は本来は予選2番手ですね。
2017年のル・マン24時間では、#7の小林可夢偉選手が3分18秒651という従来のレコードタイムを2秒も上回る驚異的なラップで、ポールポジションを奪取しました。
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写真右は、ル・マン3連勝を記録した、ポルシェチームの#2。
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2017年仕様のポルシェ919ハイブリッドとトヨタTS050ハイブリッドを並べてみましたが、同じチームみたいな似通ったカラーリングです。
私個人的には、トヨタは2012年から2015年までのトヨタTS040ハイブリッドの、ブルーを基調としたマシンカラーが好きでした。
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アップで撮影しても、1/43のモデルとは思えないほど精巧にできた、スパーク製のミニカーです。
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ワイパーやピトー管などの細かいエッジングパーツもよくできていて、本当に驚かされます。
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写真を見ていただくと分かりますが、フロントフェンダーとモノコックの間に隙間があり、下のフロアが完全にむき出しになっています。
フロントフェンダー周りがモノコックから完全に独立していることが、ミニカーを見て初めて知りました。
![](https://i1.wp.com/motorsport-photography.net/wp-content/uploads/2019/01/e5f723e8193d8ebd26cb10b2303cb199.jpg?fit=700%2C467&ssl=1)
同じくポルシェ919ハイブリッドも同様の形状になっています。
これが最近のLMPマシンの特徴ですね。
![](https://i0.wp.com/motorsport-photography.net/wp-content/uploads/2019/01/902d596eda17a86f5ee648356461815c.jpg?fit=700%2C467&ssl=1)
ちなみにこちらは2008年仕様のアウディのLMPマシンですが、この時代はフロアが見えるほど大胆には抉られていませんでした。
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1991年にル・マン総合優勝した、マツダ787B(左)と2017年のトヨタTS050ハイブリッド。
27年の歳月とともに、マシンのフォルムも大きく変わりました。
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1998年のル・マン24時間で総合3位になった、日産R390 GT1(右)を加えて。
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最後に
1985年から始まったトヨタのル・マン24時間の挑戦。
この年は2016年の屈辱を背に、初めての3台体制という万全の布陣で挑みましたが、総合8位という残念な結果に終わりました。
モータースポーツにも造詣が深い、トヨタ自動車の豊田章男社長は、
「ドライバーに思いっきり走らせてあげられなくて申し訳ない」
と謝罪した上で
「クルマを速くするだけではル・マンには勝てないんだ! 我々には強さがない! 強いチームにはなれていない!」
とチームを鼓舞しました。
そして翌年2018年のル・マン24時間で、強く鍛え上げられたトヨタガズーレーシングは、悲願の総合優勝をワンツーという最高の結果でフィニッシュするのでありました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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