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ティレルP34(1976) 日本に一大ブームを巻き起こした伝説の6輪たいれる【ミニカー#12】

モータースポーツ 中毒者のぴぴと申します。

私の200台に及ぶミニカーコレクションから1台を選び、実車のように撮影し実車を語るこの企画、第12弾はF1史上唯一の6輪マシン、ティレルP34を取り上げます。

ミニカー紹介

今回登場するミニカーを紹介します。

ティレルP34(1976) #3 ジョディー・シェクター

デアゴスティーニ『F1マシンコレクション』10号、IXO製です。

ティレルP34(1977) #3 ジョディー・シェクター

ポールズモデルアート社のミニチャンプスシリーズです。

2001年頃手に入れましたが、現在は絶版です。

マクラーレンM23 #11 ジェームス・ハント

デアゴスティーニ『F1マシンコレクション』16号、IXO製です。

後世に語り継がれる名マシン

1976年、日本で初めてF1が開催されたシーズン、イギリスのコンストラクターティレルから後世に語りつがれる名マシンが発表されました。

デレック・ガードナーが設計したそのマシンは、それまでのレーシングマシンの常識を覆し、フロントタイヤが4輪、合計6つのタイヤが装着されてていました。

6輪のマシンはF1史上P34が唯一

このような奇抜なデザインにした理由は、フロントタイヤを小径にすることで前面投影面積を抑え、前4輪により設置面積確保とブレーキ性能向上を狙ったものでした。

他のマシンとは全くと言っていいほど異なるデザインのティレルP34は、実戦デビューとなった1976年シーズンの開幕戦ブラジルグランプリでいきなりパトリック・デパイユが2位フィニッシュし、第7戦スウェーデングランプリではジョディー・シェクターとパトリック・デパイユがワンツーフィニッシュを達成、シーズンを通して速さを見せた結果、コンストラクターズで3位に入る快進撃をみせました。

速さと圧倒的な存在感を見せたティレルP34は、前述した通り後世に語り継がれる名マシンになったのでありました。

実車のように撮る!

それではティレルP34を撮影します。

今回もテーマは『実車のように撮る!』です。

まずはファクトリーに見立てたジオラマで、マシンをチェックします。

当時流行ったスポーツカーノーズに小径のフロントタイヤが隠れ、それにつづくサイドポンツーンへと一体化しています。

サイドには『たいれる』『しえくたあ』の文字、F1インジャパン※仕様だということがわかります。

※1976年は、11月に全日本F2000選手権で日本グランプリが予定されていたため、F1ではF1インジャパンという名前が使われた

ドライバー斜め前の小窓は、ドライバーがフロントタイヤ先の状況を見るためのものです。

1976年のチャンピオンマシン、マクラーレンM23のフロントタイヤと比べてみると、ティレルP34のフロントタイヤの小ささがわかります。

1/43ミニカーは10cmほどの大きさのため、ウイング翼端板の厚みやエンジン・ミッションなどの塗装は省略されています。

1977年仕様との比較です。

私個人的には、スマートなカラーリングとエンジンにもカウリングした1977年仕様が好みです。

同じく1977年仕様との比較です。

フロントタイヤをワイドトレッド化し、スポーツカーノーズから飛び出てしまっており、当初のコンセプトが完全にブレています。

それではサーキットで当時を再現してみましょう。

富士スピードウェイで行われた1976年F1世界選手権インジャパン、シェクターは予選5番手からスタートしたが、雨の中行われた決勝では58周目にオーバーヒートのためリタイヤ、僚友デパイユは一時トップを走行し最終的に2位でフィニッシュしました。

1976年スウェーデングランプリではポールポジションからスタートし、見事ポールトゥーフィニッシュ、ティレルP34が記録した唯一の優勝と唯一のポールポジション記録でした。

最後は1976年シーズンのチャンピオンマシン、マクラーレンM23とともに。

最後に

ティレルP34は、1976年から1977年まで2シーズン33戦を戦い、優勝1回・ポールポジション1回・ファステストラップ3回・表彰台フィニッシュ14回の記録を残しました。

しかしこの記録以上に、記憶に残るマシンとして40年以上経った今でも私たちの脳裏に強く残っています。

ティレルP34は、チームごとにマシンの特徴があった時代の中で、一番個性があったマシンでした。

最後に余談ですが、私の通っていた高校の近くにタミヤ模型の本社があり、そのロビーにティレルP34の実車が展示されており、プラモデルの部品購入を口実に頻繁にそのロビーに通っていたことを思い出しました。

タミヤ模型はティレルと親密な関係であり、ティレルP34のプラモデルやRCカーを多く発売しており、その研究のために購入したと思われます。

あれから四半世紀が過ぎましたが、今でもタミヤ模型本社に展示してあるのでしょうか・・・。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。