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ウィリアムズFW26 セイウチノーズと呼ばれた印象的なノーズが特徴のマシン【ミニカー#35】

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はウィリアムズが2004年のF1参戦用に開発したウィリアムズFW26を取り上げていきたいと思います。

マシンデータと成績

まずはウィリアムズFW26の主要諸元をチェックしてみます。

年式2004年
カテゴリーF1
チームウィリアムズ
マシン名FW26
デザイナーギャビン・フィッシャー
アントニオ・テルツィ
エンジンBMW

次にウィリアムズFW26の成績です。

優勝表彰台PPFL
1412

セイウチノーズが斬新!

ウィリアムズFW26といえばフロントウィングからノーズにかけてのデザインが特徴のマシンでした。

フロントノーズは非常に短く、前方にせり出したステーでフロントウイングを支えるデザインはセイウチの牙を連想させ、セイウチノーズの呼ばれていました。

またフロントサスペンションのロワアームは、当時流行り始めていたツインキールを採用し、ノーズの形状と相まって床下に大量の空気を流しダウンフォースを産もうとしていることがわかります。

これは当時圧倒的な速さを誇るフェラーリに対し、斬新なマシンでなければつことができない、という思想から採用した空力デザインでしたが、フロント周りが姿勢変化に弱くドライバビリーで劣っており、成績は前年を下回りました。

同じようなマシンばかりのF1において、このような独創的なデザインは私をはじめファンにとっては大好評でしたが、結局このセイウチノーズデザインは失敗に終わり、シーズン中盤にオーソドックスなデザインに戻されてしまいました。

ウィリアムズFW26を実車のように撮る!

それでは1/43のウィリアムズFW26を撮影していきます。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』です。

2004年のウィリアムズFW26がピットガレージに。

カーナンバー3はファン・パブロ・モントーヤ選手です。

リヤウイングからも分かるとおり、エンジンはBMW製を搭載します。

ウィリアムズFW26は短いノーズとウイングステーが独創的ですが、フロントウイングも特徴的です。

濃紺に白のカラーリングがウィリアムズらしくて非常にカッコいいですね。

フロントサスペンションのロワアームのマシン側の付け根がツインキールになっているところがポイントですが、残念ながらミニカーでは再現されていません。

2004年シーズンを戦ったトヨタTF104Bとともに。

トヨタTF104Bは第12戦ドイツグランプリから投入され、ウィリアムズFW26のセイウチノーズはそのドイツグランプリまで・・・そう、2台が交わったのはドイツグランプリのみです。

このマシンをデザインしたギャビン・フィッシャー氏は翌年チームを追われ、その後2度とF1マシンをデザインすることはありませんでした。

第9戦のアメリカグランプリではモントーヤ選手のチームメイトであるラルフ・シューマッハ選手が大クラッシュし、背骨を2箇所骨折しする負傷をしたため、マルク・ジェネ選手やアントニオ・ピッツォニア選手が代役を務めました。

以上、1/43のウィリアムズFW26を実車のように撮影してみました。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介します。

【IXO製】ウィリアムズFW26

デアゴスティーニのF1マシンコレクション62号、IXO製です。

【IXO製】トヨタTF104B

デアゴスティーニのF1マシンコレクションで86号、IXO製です。

最後に

ウィリアムズの成績の低下は、前述のとおりセイウチノーズによる姿勢変化に弱い性質もありましたが、BMWエンジンが2004年から導入された1レース1エンジンへの対応が遅れ、パワーダウンと重量増によるところもありました。

この頃からBMWがウィリアムズへ株式参加を打診しましたが、ウィリアムズはそれを拒否し、BMWはウィリアムズと決別しザウバー買収を決断します。

そして、BMWエンジンを失ったウィリアムズはトヨタやホンダへアプローチするも交渉は決裂します。

最終的には2006年からコスワースエンジンを搭載することになり、プライベーターとして再出発するも、当時自動車メーカーとの提携を持たないF1チームは厳しく、当然ウィリアムズの成績もコスワースのパワーと信頼性の不足から大きく下落します。

コスワースとは1年で決別し、2007年から2009年はトヨタエンジン、2010年から2011年はふたたびコスワースエンジン、2012年から2013年はルノーエンジンと、短期間でエンジン供給先を替えますが、本来シャシーとエンジンは長い期間を経て熟成していくものであり、短期間でのエンジン供給先変更では成績が伴わず当然ウィリアムズの成績も年々下降します。

そしてパワーユニット時代が始まる2014年からメルセデスと提携し、その圧倒的なパワーと信頼性、そしてメインスポンサーのマルティニによるバックアップで成績が上昇するも、フェラーリやルノーなど他のパワーユニットの戦闘力向上やマルティニの離脱とともに成績はまたも下降していき、現在はテールエンダーの常連にまでなってしまいました。

1980年代1990年代の強かった名門を知るものとしては、落ちぶれたウィリアムズの姿は正直見たくなく、是非とも古豪復活を期待したいと切に願います!

以上、今回は1/43のウィリアムズFW26を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。