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【2022年F1】全10チームのエントリーリスト

2021年12月にアブダビの地で、レッドブルRB16Bを駆るマックス・フェルスタッペンが最終周にメルセデスのルイス・ハミルトンをオーバーテイクし、劇的な結末でタイトルを決めた素晴らしいレースだった。

あれから早3ヶ月。今年もF1が開幕する。

そこで今回は、2022年シーズンの全10チームのラインナップを詳しく紹介してみようと思う。

メルセデス

出典:メルセデスAMG公式サイト
エントラントメルセデスAMG ペトロナス ファーミュラワン チーム
コンストラクターメルセデス
チーム国籍ドイツ
チーム本拠地イギリス
チーム代表トト・ヴォルフ
ドライバー#44 ルイス・ハミルトン
#63 ジョージ・ラッセル
シャシーメルセデスAMG F1 W13 E Performance
パワーユニットメルセデスM13 E Performance
2021年シリーズ順位(ドライバー)2位・3位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)1位

昨年は前人未到の8年連続コンストラクターズタイトルを獲得したメルセデス。

しかしルイス・ハミルトンの5年連続を含む8度目のドライバーズチャンピオンは、FIAの微妙なジャッジにより目前で阻まれた。

そのショックからかシーズンオフは各種表彰式など、表舞台に登場することのなかったハミルトンは、メディアにより引退の噂も流された。

だが2022年マシンのシェイクダウンにはステアリングを握り、無事参戦が確定。

そしてチームメイトは今年からジョージ・ラッセルが加入する。

下位チームのウィリアムズでしばしばQ3まで進出したり、ハミルトンの代役でメルセデスから出走した一昨年のサクヒールグランプリでの好走(優勝目前でタイヤ交換ミス)など、ラッセルの速さは証明済み。

ハミルトンの後継者としての素質があるのか、今シーズンの走りに注目したい。

3シーズンぶりにシルバーアローに戻った2022年型マシン、メルセデスAMG F1 W13 E Performanceは、徹底的にコンパクト化を突き詰めた意欲作。

このマシンでハミルトンの前人未到となる8度目のドライバーズチャンピオンと、同じくF1初となる9年連続のコンストラクターズチャンピオンを狙う。

レッドブル

出典:レッドブル公式サイト
エントラントオラクル レッドブルレーシング
コンストラクターレッドブル
チーム国籍オーストリア
チーム本拠地イギリス
チーム代表クリスチャン・ホーナー
ドライバー#1 マックス・フェルスタッペン
#11 セルジオ・ペレス
シャシーレッドブルRB18
パワーユニットレッドブルパワートレインズRBPTH001
2021年シリーズ順位(ドライバー)1位・4位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)2位

昨年は最終戦アブダビグランプリでマックス・フェルスタッペンが最終周で大逆転勝利を決め、自身初となるドライバーズチャンピオンを獲得した。

レッドブルにとっては2013年のセバスチャン・ベッテル以来の快挙になる。

そのレッドブルは今季もフェルスタッペンとセルジオ・ペレスのコンビを継続。

悲願だったドライバーズチャンピオンになったフェルスタッペンは今季、速さとともに走りに余裕が生まれ、さらに強いドライバーになるだろう。

昨年からチームに加入したペレスは、その特異なレッドブルのマシンの特性に序盤戦は苦労したが、そのマシン特性にも慣れた今シーズンは、序盤戦からフェルスタッペンに迫る速さを見せてくれるだろう。

今季のマシンレッドブルRB18は、エイドリアン・ニューウェイらしい空力を突き詰めたマシン。

そしてパワーユニットはレッドブルパワートレインズのRBPTH001を搭載する。

だがこのパワーユニットは昨年レッドブルに搭載されたホンダRA621Hが基本となり、ホンダ(HRC)バックアップも約束されている。

2年連続のドライバーズタイトルと、2013年以来のコンストラクターズタイトル獲得に向け死角はない。

フェラーリ

出典:フェラーリ公式サイト
エントラントスクーデリア フェラーリ
コンストラクターフェラーリ
チーム国籍イタリア
チーム本拠地イタリア
チーム代表マッティア・ビノット
ドライバー#16 シャルル・ルクレール
#55 カルロス・サインツ
シャシーフェラーリF1-75
パワーユニットフェラーリ066/7
2021年シリーズ順位(ドライバー)5位・7位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)3位

2019年終盤から2020年にかけての不可解なFIA介入によるパワーユニット失速騒動から、徐々に力を取り戻してきた名門フェラーリ。

今季は新型パワーユニットを投入し、完全復活を目指す。

ドライバーは昨シーズンから継続の、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツの若きコンビ。

2022年マシンは1980年代から1990年代のような、深紅(艶消しだが)とブラックのカラーリングが復活し、吊り下げ式ノーズが廃され緩やかな曲線を描くスラントノーズも復活した。

さらに角張ったサイドポットのデザインも含めて、F1ブーム世代の私としてはまさにどストライクのマシン。

どうやらバルセロナで行われたシーズン前テストのラップペースも良いようで、今年は古豪復活に期待がかかる。

マクラーレン

出典:マクラーレン公式Twitter
シャルル・ルクレールエントラントマクラーレン F1チーム
コンストラクターマクラーレン
チーム国籍イギリス
チーム本拠地イギリス
チーム代表アンドレアス・ザイドル
ドライバー#3 ダニエル・リカルド
#4 ランド・ノリス
シャシーマクラーレンMCL36
パワーユニットメルセデスM13 E Performance
2021年シリーズ順位(ドライバー)6位・8位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)4位

不遇のホンダ時代から徐々に復活し、昨シーズンはメルセデスパワーユニット搭載の急造マシンにもかかわらず、ついに勝利を挙げたマクラーレンは、今季メルセデスパワーユニット搭載を前提に製作されたMCL36でシーズンに挑む。

そのカラーリングは、伝統のパパイヤオレンジをベースにするも、ブルーだった部分を水色に変更し、爽やかなイメージが増した。

ドライバーは今シーズンもダニエル・リカルドとランド・ノリスのコンビ。

リカルドは昨シーズン前半はチームに馴染めなかったのかかなり手を焼いていたが、イタリアグランプリでの勝利を機に本来の速さを取り戻しつつあり、若きノリスとのコンビは強力だ。

シーズン前テスト初日にラップチャートのトップに君臨したマクラーレン。

今季はレッドブルとメルセデスの2強に食い込むことができるか、注目だ。

アルピーヌ

出典:アルピーヌ公式Twitter
エントラントBWT アルピーヌ F1チーム
コンストラクターアルピーヌ
チーム国籍フランス
チーム本拠地イギリス
チーム代表オトマー・サフナウアー
ドライバー#14 フェルナンド・アロンソ
#31 エステバン・オコン
シャシーアルピーヌA522
パワーユニットルノー
2021年シリーズ順位(ドライバー)10位・11位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)5位

昨年ルノーから名称変更したアルピーヌは、初年度にして混戦のハンガリーグランプリを制したが、実力的にはまだまだ中断勢の一角だった。

かつてチャンピオンを獲得したエンストンのチーム(ベネトン、ルノー時代)は、到底このポジションに満足することはないだろう。

そんな彼らが用意した2022年マシンA522は、独自の空力処理が随所に垣間見える意欲作。

そして搭載されるルノー製パワーユニットは、今季から新型になる。

アルピーヌのみの供給となるこのルノー製パワーユニットの性能如何では、上位進出の可能性も十分にある。

ドライバーは昨年と同様、フェルナンド・アロンソとエステバン・オコンのコンビ。

キミ・ライコネンが昨年限りで引退し最年長になったアロンソだが、年を重ねても切れ味鋭い走りに陰りはないし、オコンも昨年の初勝利を機にさらに速さを増している。

アルファタウリ

出典:アルファタウリ公式サイト
エントラントスクーデリア アルファタウリ
コンストラクターアルファタウリ
チーム国籍イタリア
チーム本拠地イタリア
チーム代表フランツ・トスト
ドライバー#10 ピエール・ガスリー
#22 角田裕毅
シャシーアルファタウリAT03
パワーユニットレッドブルパワートレインズRBPTH001
2021年シリーズ順位(ドライバー)9位・14位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)6位

レギュレーションが大きく変更した2022年マシンの中で、もっとも格好が良いとの呼び声も高いアルファタウリAT03は、サイドポッドの独特の処理が特徴だ。

そのリヤに向けてなだらかに下がるサイドポッドの大きな『ALPHA TAURI』ロゴや、濃紺とホワイトのクールなカラーリングは、さすがアパレルブランドといったところか。

そのアルファタウリの本拠地はイタリアのファエンツァ。

そう、このチームはF1ブーム時代以降人気を誇ったミナルディが源流だ。

搭載するパワーユニットは、昨年のホンダ製パワーユニットがベースとなるレッドブルパワートレインズのRBPTH001。

今季もドライバーは成長著しいピエール・ガスリーと、日本期待の角田裕毅のコンビ。

昨年の最終戦で、すべてのセッションにおいてエースであるガスリーを上回った角田裕毅は、将来も引き続きF1に参戦するために2年目の今シーズンが勝負の年となる。

私としては今シーズン、角田裕毅に日本人4人目となる表彰台に立ってもらいたい。

アストンマーティン

出典:アストンマーティン公式サイト
エントラントアストンマーティン アラムコ コグニザント フォーミュラワンチーム
コンストラクターアストンマーティン
チーム国籍イギリス
チーム本拠地イギリス
チーム代表マイク・クラック
ドライバー#18 ランス・ストロール
#5 セバスチャン・ベッテル
シャシーアストンマーティンAMR22
パワーユニットメルセデスM13 E Performance
2021年シリーズ順位(ドライバー)12位・13位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)7位

昨年61年ぶりにグランプリに帰ってきたアストンマーティン。

ドライバーは昨年から引き続き、チームオーナーであるローレンス・ストロールの息子であるランス・ストロールと、4度の世界チャンピオン セバスチャン・ベッテルで2022年シーズンを戦う。

レギュレーション変更で各チーム2022年マシンは特徴があるが、もっとも独自性の強いのがアストンマーティンの今シーズンマシンであるAMR22だ。

特にサイドポットが独特。

コクピットサイドから後方にかけて長く伸びたサイドポッドの下面は大きく抉られており、上面には無数の排熱ルーバーがある。

またフロントウイングのメインプレーンも、多くのチームが垂れ下がっているのに対し、AMR22は中央部が持ち上がった特徴ある造形だ。

そんな独特のブリティッシュグリーンのマシンが、サーキットを駆け巡る姿を早く見たい。

ウィリアムズ

出典:auto sport Web
エントラントウィリアムズ レーシング
コンストラクターウィリアムズ
チーム国籍イギリス
チーム本拠地イギリス
チーム代表ヨースト・カピート
ドライバー#6 ニコラス・ラティフィ
#23 アレクサンダー・アルボン
シャシーウィリアムズFW44
パワーユニットメルセデスM13 E Performance
2021年シリーズ順位(ドライバー)15位・17位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)8位

フェラーリ、マクラーレンと並び、F1界で多くの栄冠を獲得したウィリアムズ。

2022年のドライバーラインナップは、エースだったジョージ・ラッセルがメルセデスに移籍したため、アレクサンダー・アルボンが1年のブランクの後にレッドブルから移籍してきて、チーム3年目のニコラス・ラティフィとコンビを組む。

アルボンはレッドブル時代にマックス・フェルスタッペンの影に隠れて不遇のシーズンを過ごしたが、トップチームでの経験をチームにフィードバックしてくれることだろう。

今季のマシンFW44はパワーユニットを共用するメルセデスと同様に、非常にコンパクトなエンジンカウルを持つ独特のデザインだ。

30年以上F1を見てきた者からすると、下位を走るウィリアムズは見たくない。今季こそ上位進出を期待したい。

アルファロメオ

エントラントアルファロメオ F1チーム オーレン
コンストラクターアルファロメオ
チーム国籍スイス
チーム本拠地スイス
チーム代表フレデリック・ヴァスール
ドライバー#77 バルテリ・ボッタス
#24 周冠宇
シャシーアルファロメオC42
パワーユニットフェラーリ066/7
2021年シリーズ順位(ドライバー)16位・18位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)9位

F1界で唯一スイスを拠点とするアルファロメオ。

アルファロメオといえばイタリアの自動車メーカーだがなぜスイス?と思う方もいるかもしれないが、アルファロメオの母体はスイスのザウバー。

アルファロメオはザウバーからネーミングライツを所有して今季も参戦する。

今季のアルファロメオの注目はドライバー。

昨年までトップチームメルセデスで活躍していたバルテリ・ボッタスが今シーズンから移籍する。

2017年から5年間ルイス・ハミルトンのチームメイトだったボッタスは、時に素晴らしい速さを見せるグランプリもあったが、それが継続されることはなく、ハミルトンの影に隠れたメルセデス時代だった。

それはハミルトンが速すぎるが故だったのか、今シーズンボッタスの真の実力が明かされる。

チームメイトは周冠宇。

中国人初のF1ドライバーはF1直下のFIA-F2で安定した速さを見せていた。

参戦初年度に経験豊富なボッタスからF1を学ぶシーズンになるだろう。

ハース

出典:ハース公式サイト
エントラントウラルカリ ハース F1チーム
コンストラクターハース
チーム国籍アメリカ
チーム本拠地アメリカ・イギリス
チーム代表ギュンター・シュタイナー
ドライバー#9 ニキータ・マゼピン
#47 ミック・シューマッハ
シャシーハースVF-22
パワーユニットフェラーリ066/7
2021年シリーズ順位(ドライバー)19位・21位
2021年シリーズ順位(コンストラクター)10位

F1界で唯一、アメリカ国籍を持つハースは、2020-2021年シーズン多くの資産を投入せず、大きくレギュレーションが変更する2022年シーズンのマシンに集中投入した。

そんなチームの命運を賭けたマシンがVF-22だ。

ドライバーは昨年同様にニキータ・マゼピンとミック・シューマッハのコンビ。

マゼピンの父はハースのタイトルスポンサーであるロシアの肥料会社ウラルカリの共同オーナーで、ミックはその名のとおり7度の世界チャンピオンであるミハエル・シューマッハの御曹司である。

ということで、両ドライバーは超おぼっちゃまコンビ。

2022年3月にロシアがウクライナを襲撃し、アメリカをはじめとした各国がロシアを非難している。

そのためアメリカ国籍のハースは、2022年シーズン前テストにおいてロシアのウラルカリのスポンサーロゴを下ろし同時にロシア国旗をイメージしたカラーリングも取りやめた。

スポンサー契約はどうなるのか、そしてロシア人ドライバーのマゼピンはどうなるのか、注目が集まる。

まとめ

今回は2022年シーズンのF1エントリーリストを詳しく紹介したが、まとめると以下のとおり。

コンストラクタードライバーシャシーPU
メルセデス44 ハミルトン
63 ラッセル
W13 E Performanceメルセデス
レッドブル1 フェルスタッペン
11 ペレス
RB18レッドブルパワートレインズ
フェラーリ16 ルクレール
55 サインツ
F1-75フェラーリ
マクラーレン3 リカルド
4 ノリス
MCL36メルセデス
アルピーヌ14 アロンソ
31 オコン
A522ルノー
アルファタウリ10 ガスリー
22 角田裕毅
AT03レッドブルパワートレインズ
アストンマーティン18 ストロール
5 ベッテル
AMR22メルセデス
ウィリアムズ6 ラティフィ
23 アルボン
FW44メルセデス
アルファロメオ77 ボッタス
24 周冠宇
C42フェラーリ
ハース9 マゼピン
47 シューマッハ
VF-22フェラーリ

2021年シーズンとの変更点を赤文字で表してみた。

2022年の新人はアルファロメオに加入した中国人ドライバーの周冠宇のみで、カムバックが2020年までレッドブルに所属していて今季からウィリアムズに加入したアレクサンダー・アルボン。

移籍はバルテリ・ボッタスだけで、メルセデスからアルファロメオに加入した。

そして昨年悲願のドライバーズタイトルを獲得したマックス・フェルスタッペンが、今季カーナンバー1を付ける。

パワーユニットは昨年限りでホンダが撤退し、レッドブルの関連会社であるレッドブルパワートレインズが引き継ぐ形となる。

まあ中身はほぼホンダ製で、製造もホンダの関連会社であるHRCが行うのだが・・・。

というふうに、大きくレギュレーションが変化した2022年シーズンだが、ラインナップの変更はあまりない。

さあ、開幕のバーレーンまであとわずか。

今季も昨年のような大接戦のシーズンになってもらいたいと切に願うのだが、果たして・・・。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。