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歴代F1チャンピオン同士のチームメイト対決 (1987-)【後編】

前回はF1チャンピオン同士のチームメイト対決ということで、1987年以降F1チャンピオン同士がチームメイトになったケースをクローズアップし、その勝敗を見ていきましたが、今回はそれをさらに深掘りしてあらゆる角度から見ていきたいと思います。

ちなみに前回の『F1チャンピオン同士のチームメイト対決【前編】』を見てからこちらを見ていただくと、さらに理解が深まると思います。

補足
本文中でF1チャンピオン同士のチームメイト対決として取り上げていますが、当該ドライバーがチームメイトとして対決した時点では、まだF1チャンピオンになっていない場合も含みます。

1987年以降のF1チャンピオン同士がチームメイトになったのは25回で13の組み合わせ

対決勝者敗者
ピケvs.マンセル1987ピケマンセル
プロストvs.セナ1988セナプロスト
プロストvs.セナ1989プロストセナ
プロストvs.マンセル1990プロストマンセル
プロストvs.ヒル1993プロストヒル
ヒルvs.ヴィルヌーヴ1996ヒルヴィルヌーヴ
ヴィルヌーヴvs.バトン2003バトンヴィルヌーヴ
ハミルトンvs.アロンソ2007ハミルトンアロンソ
ハミルトンvs.バトン2010ハミルトンバトン
ハミルトンvs.バトン2011バトンハミルトン
ハミルトンvs.バトン2012ハミルトンバトン
シューマッハvs.ロズベルグ2010ロズベルグシューマッハ
シューマッハvs.ロズベルグ2011ロズベルグシューマッハ
シューマッハvs.ロズベルグ2012ロズベルグシューマッハ
ハミルトンvs.ロズベルグ2013ハミルトンロズベルグ
ハミルトンvs.ロズベルグ2014ハミルトンロズベルグ
ハミルトンvs.ロズベルグ2015ハミルトンロズベルグ
ハミルトンvs.ロズベルグ2016ロズベルグハミルトン
アロンソvs.ライコネン2014アロンソライコネン
アロンソvs.バトン2015バトンアロンソ
アロンソvs.バトン2016アロンソバトン
ベッテルvs.ライコネン2015ベッテルライコネン
ベッテルvs.ライコネン2016ベッテルライコネン
ベッテルvs.ライコネン2017ベッテルライコネン
ベッテルvs.ライコネン2018ベッテルライコネン

前回見ていただいたとおり、1987年以降でF1チャンピオン同士がチームメイトになった回数が25回で、組み合わせとしては13例ありました。

今回はこの表をもとに深掘りしていきます。

【ドライバー別】F1チャンピオン同士がチームメイトだったシーズン回数と人数

それでは1987年以降でF1チャンピオンどしがチームメイトだったことが何シーズンあったのか、そして何人のチャンピオンとチームメイトになったのか、ドライバー別に見ていきましょう。

ドライバー対戦人数相手
L.ハミルトン83アロンソ・バトン・ロズベルグ
N.ロズベルグ72シューマッハ・ハミルトン
J.バトン63ヴィルヌーヴ・ハミルトン・アロンソ
K.ライコネン52アロンソ・ベッテル
S.ベッテル41ライコネン
A.プロスト43
(5)
セナ・マンセル・ヒル(ラウダ・K.ロズベルグ)
F.アロンソ42ハミルトン・バトン
M.シューマッハ31ロズベルグ
A.セナ21プロスト
D.ヒル22プロスト・ヴィルヌーヴ
J.ヴィルヌーヴ22ヒル・バトン
N.マンセル22ピケ・プロスト
N.ピケ11マンセル

ハミルトンが最多の8シーズン相手は3人

ルイス・ハミルトン

最高はルイス・ハミルトンの8シーズンです。

ハミルトンは参戦初年度からマクラーレンで2度のF1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソとチームメイトになり、その後も同じくマクラーレンでジェンソン・バトンと3シーズンチームメイトになった後、メルセデスに移ってからはニコ・ロズベルグと4シーズンに渡ってチームメイトでした。

ハミルトンはその強豪チームメイトとのバトルを制しての6度のチャンピオンを獲得しました。

シューマッハは復帰後の3シーズンで相手はロズベルグのみ

ミハエル・シューマッハ

ハミルトンを上回る7度のチャンピオンのミハエル・シューマッハはどうでしょう。

ご存知シューマッハはベネトン時代やフェラーリ時代に完全なNo.1ドライバーとして君臨していたため、実力が超一流クラスのチームメイトを迎え入れた実績はありませんでした(1991年後半のみチャンピオンのピケとチームメイトだった)。

F1チャンピオンが初めてシューマッハのチームメイトになったのは、記憶に新しいメルセデスから復帰した3シーズンのみで、相手は2016年のチャンピオンになるロズベルグでした。

ハミルトンに続くのはロズベルグ・バトン

ハミルトンの次に多かったのがニコ・ロズベルグの7回、続いてジェンソン・バトンの6回でした。

特にニコ・ロズベルグは2010年から2012年まではシューマッハと、2013年から2016年はハミルトンと、述べ7シーズンも連続してF1チャンピオンをチームメイトに戦い、心身ともに疲れ果てて2016年に31歳の若さでF1を引退したのでしょう。

プロストの相手は5人

アラン・プロスト

アラン・プロストも多くのF1チャンピオンとチームメイトになってきたドライバーのひとりです。

今回は1987年以降としましたが、過去には1984年から1985年にニキ・ラウダと、1986年はニコ・ロズベルグの父であるケケ・ロズベルグとチームメイトになり、その後はアイルトン・セナやナイジェル・マンセル、デーモン・ヒルと7シーズンで、なんと5人のチャンピオンとチームメイトになりました。

【ドライバー別】F1チャンピオン同士のチームメイト対決 対戦成績

ドライバー勝率
L.ハミルトン6275%
N.ロズベルグ4357%
S.ベッテル40100%
J.バトン3350%
A.プロスト3175%
F.アロンソ2250%
A.セナ1150%
D.ヒル1150%
N.ピケ10100%
K.ライコネン050%
M.シューマッハ030%
J.ヴィルヌーヴ020%
N.マンセル020%

勝利数トップはハミルトンの6回

F1チャンピオン同士がチームメイトになったシーズンで、一番多く勝ち越したドライバーは、ルイス・ハミルトンです。

ハミルトン対決
ハミルトンvs.アロンソ2007ハミルトンアロンソ
ハミルトンvs.バトン2010ハミルトンバトン
ハミルトンvs.バトン2011バトンハミルトン
ハミルトンvs.バトン2012ハミルトンバトン
ハミルトンvs.ロズベルグ2013ハミルトンロズベルグ
ハミルトンvs.ロズベルグ2014ハミルトンロズベルグ
ハミルトンvs.ロズベルグ2015ハミルトンロズベルグ
ハミルトンvs.ロズベルグ2016ロズベルグハミルトン
ルイス・ハミルトン

ご覧のとおり、8シーズン中負けたのが2011年のジェンソン・バトンと2016年のニコ・ロズベルグの2シーズンのみ。

しかもその両ドライバーには、通算の対戦成績では勝ち越しています。

勝率トップはベッテルだが・・・

F1チャンピオン同士がチームメイトになったシーズンでの勝率では、ベッテルが唯一勝率100%です。

ベッテル対戦
ベッテルvs.ライコネン2015ベッテルライコネン
ベッテルvs.ライコネン2016ベッテルライコネン
ベッテルvs.ライコネン2017ベッテルライコネン
ベッテルvs.ライコネン2018ベッテルライコネン
セバスチャン・ベッテル

しかしベッテルはピークを過ぎたキミ・ライコネンとしかF1チャンピオンとチームメイトになったことがなく、2021年はメルセデスに移籍してハミルトンとチームメイトになるという噂もありますので、もし実現しハミルトンに勝利することになればベッテルの真の実力が証明されるのかもしれません。

チャンピオン同士の対戦で勝利できなかったのは4人

次にワーストを見ていきましょう。

F1チャンピオン同士のチームメイト対決での対戦で一度も勝利できなかったドライバーは、キミ・ライコネン、ミハエル・シューマッハ、ジャック・ヴィルヌーヴ、ナイジェル・マンセルの4人です。

キミ・ライコネン

ライコネンは前述したとおり、ピークを過ぎた2014年のフェラーリ時代にアロンソからに、2015年から2018年までベッテルに負け越しました。

切れ味鋭いマクラーレン時代、16台抜きを見せた2005年日本グランプリのころのライコネンが当時のアロンソやベッテルと対戦したら・・・結果は違っていたのかもしれませんね。

同じくシューマッハもピークを過ぎた復帰後にロズベルグに全敗、ヴィルヌーヴは新人時代にヒルに、F1への情熱が失われたキャリア終盤バトンに負けました。

ナイジェル・マンセル

マンセルはキャリア中盤の1987年にピケに、その後1990年にプロストに負けていますが、ポールポジション獲得数などを見ても速さではチームメイトに優っていましたが、シリーズ通しての安定感で両者に負けてしまいました。

速いがもろい、一発屋のマンセルらしい結果でしたが、シーズンを見据えた計算高いマンセルなど想像もつきません。

次のページは、チーム編です。
F1チャンピオン同士がチームメイトになったチームをランキングで見てみます。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。