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変わりすぎ!?富士スピードウェイの各コーナー名称変更の歴史

静岡県西部に位置する富士スピードウェイはかつてF1も開催された日本を代表するサーキットのひとつです。関東圏から近い好立地で、日本でもっとも人気のあるスーパーGTでは鈴鹿サーキットを抑えて一番の観客動員数を誇ります。

そんな富士スピードウェイは他の日本のサーキットではあまりない難点があります。

それは・・・コーナー名が変わりすぎ!

鈴鹿サーキットならば古くから130RやS字コーナー、逆バンクにスプーンコーナーなど、代表的なコーナー名は一切変えません。

比較的新しい岡山国際サーキットも、リボルバーやマイクナイトコーナー、ホッブスコーナーやモスSなど、TIサーキット英田と言われた開業時から伝統のコーナー名を残してくれていて、それがどのコーナーかファンにはわかります。

しかし富士スピードウェイはコーナー名をネーミングライツで切り売りしているので、頻繁に変わってしまい、たまにしか富士スピードウェイに行かない方は現在のコーナー名が書かれていてもそれがどこかわからない方もいるはず。

そこで今回は富士スピードウェイのコーナー名変貌の歴史を辿ってみたいと思います。

これを見れば久々の富士観戦でも名称で迷うこと無し!

では第1コーナーから順に見ていきましょう。

2023年3月現在までのコーナー名称です。

第1コーナー(現在の名称=TGRコーナー)

2022年WEC富士にて
名称の変化
  • 1966年1月-2016年3月:第1コーナー
  • 2016年4月-:TGRコーナー

富士スピードウェイの長いホームストレートの先にある第1コーナーは、2023年3月現在TGRコーナーという名称になっています。

富士スピードウェイの親会社のトヨタがネーミングライツを購入しTGRコーナーとしたのが2016年4月。それまで長く1コーナーと呼ばれていた富士最大のパッシングポイントに初めてネーミングライツが導入されました。

ちなみにTGRとはトヨタのモータースポーツ活動の名称『TOYOTA GAZOO Racing』の頭文字です。

TGRコーナー外側のランオフエリアとアウト側のフェンス上に大きくTOYOTA GAZOO Racingのロゴが掲げられており、個人的にはこの看板の前でトヨタガズーレーシングのマシンを撮影するが楽しみです。

第2コーナー

2017年スーパーフォーミュラ第3戦にて
名称の変化
  • 1987年-:第2コーナー

1987年の改修で第1コーナーが30Rと60Rの2つのコーナーになります。

その後2005年4月の大改修で第1コーナーから完全に切り離され第2コーナーが明確化。ただ全開の第2コーナーはあまり存在感がなく、現在まで別名で呼ばれることはありません。

第3コーナー(現在の名称=コカコーラコーナー)

2022年WEC富士にて
名称の変化
  • 1987年-2003年:サントリーコーナー
  • 2005年4月-:コカコーラコーナー

高速化するマシンに対して速度低下を目的として100R手前にシケイン(Aコーナー)が設置され、このシケインをサントリーコーナーと命名したのが1987年。1990年代にはサントリーの缶コーヒーBOSSの大型看板が設置されていました。

2005年4月の全面改修を機にAコーナーはシケイン形状からコーナーに改められ、名称がコカコーラコーナーになり現在に至ります。

サントリーとコカコーラって完全なライバル関係。コカコーラはそんなライバルから結果的にネーミングライツを奪い取るカタチとなり、なかなか面白いですね。

第4-5コーナー(現在の名称=グリーンファイト100R)

名称の変化
  • 1966年1月-2016年3月:100R
  • 2016年4月-2022年3月:トヨペット100R
  • 2022年4月-:グリーンファイト100R

富士スピードウェイの名物ハイスピードコーナーの100R(第4-5コーナー)は、2016年4月からトヨタディーラーのトヨペット店がネーミングライツを購入しトヨペット100Rに名称変更。インアウトのガードレールにトヨペット店おなじみのグリーンとホワイトのロゴが掲げれました。

その後2022年4月からグリーンファイト100Rに変更し現在に至ります。

ちなみにこの100Rは旧コースレイアウトの名残りで100Rになっていますが、2005年のコース改修で実際には178R-106R-95Rの複合コーナーに変更されています。

第6-7コーナー(現在の名称=アドバンコーナー)

2021年スーパーGT最終戦にて
名称の変化
  • 1966年1月–2008年頃?:ヘアピンカーブ
  • 2009年頃?-:アドバンコーナー

開業当時から比べると大きくコースレイアウトが変化した富士スピードウェイ。そんな富士で開業当時からある数少ないコーナーがここで、2005年の大規模改修でコーナー出口に緩い第7コーナーが設置されるも、ほぼ同様の位置に存在しています。

長年ここはヘアピンカーブと呼ばれていましたが、2005年の改修後数年経ってからアドバンコーナーに名称が変更し現在に至ります。

第8-9コーナー(300R)

2022年WEC富士にて
名称の変化
  • 1966年1月-:300R

第8-9コーナーは300Rの名称が与えられていますが、実際には300Rではなく第8コーナーが半径120R、第9コーナーが半径230Rのカーブになっています。

ではなぜ300Rなのかというと、旧コースレイアウトが半径300Rでその名称だけが残っているからです。

2005年4月にリニューアルされたコース後半部分のコーナー名称は次のページで紹介します!

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。