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レース撮影初心者必見! モータースポーツ撮影時のカメラ設定を公開

昨今、サーキットへ行くと多くのモータースポーツファンが、一眼レフやミラーレスに大砲のような大きなレンズを装着して、大迫力のレーシングマシンの撮影に励んでいる。

「私もモータースポーツ撮影をしてみたい」と思っているカメラファンも多いだろう。

ただレーシングマシンの撮影はそのスピード感を表現するために、スローシャッターで流し撮りを多用するちょっと特別なカメラ設定が必要で、二の足を踏んでいるのでは・・・。

そこで今回は、これまでに10年近くモータースポーツ撮影をしてきた私が、モータースポーツ撮影初心者に向けてモータースポーツ撮影時のカメラ設定をお教えしたいと思う。

ちなみに、私はウィリアムズFW14Bの “CANON”の文字に魅了された根っからのキヤノン党で、愛機はEOS5D Mark4
※2021年現在はEOS R5と併用

同じ機能でも、メーカーによって呼び方が違うが、今回はもっとも使用者が多いキヤノンの名称で記載していくが、機能はほぼ同じなので、他メーカー使いの方もぜひお読みいただきたい。

では、項目毎に紹介していこう。

モードダイヤル

基本的にモータースポーツ撮影では、マシンのスピード感を表現する。

そのため、カメラの左肩にあるモードダイヤルは、Tv=シャッタースピード優先モードに合わせ、シャッター速度で速さを映し出す。

シャッタースピード

シャッタースピードは、装着レンズや被写体であるマシンの車速にもよるが、1/125くらいになると背景も流れて速さをある程度表現できる。

ただフィルム時代とは違い、デジタルならばシャッター枚数を気にしなくても良いため、せっかくなのでシャッタースピードを下げて、芸術的な写真を撮るようにしている。

私の場合ウォーミングアップも兼ねて1/80くらいから撮影をスタートし、慣れてきたら少しずつ遅くして1/50〜1/60くらいを中心に撮影する。

このスピードだと背景もかなり流れるため、疾走するマシンを表現できる。

そして慣れてきたら1/30と下げていき、最後は1/8で楽しむことが多い。

このスピードでは成功率はかなり低下するが、バチッと決まった時には、それはそれは大切な一枚になるだろう。

シャッタースピード1/80 (焦点距離560mm)
シャッタースピード1/8 (焦点距離560mm)
上の写真のシャッタースピードと比べると、よりスローシャッターで撮影した方がマシンの躍動感が強調される

DRIVE・AFの設定

次にカメラ右肩のサブ液晶画面の前にある、ドライブモード選択/AF動作選択ボタンの設定だ。

ドライブモード選択は、シャッターボタンを押し続けている間連続撮影ができる、高速連続撮影モードを選択する。

そしてAF動作設定。

古いカメラだと動き物に追随してくれるAIサーボの性能がイマイチだったため、ONE SHOTに設定して置きピンで撮影していたが、近年のカメラはこの性能が飛躍的に良くなったため、AIサーボで問題ないだろう。

AIサーボAF特性

次にAFサーボの追従特性の設定。

EOS 5D MarkⅣでは、

  • Case1・・・汎用性の高い基本的な設定
  • Case2・・・障害物が入るときや、被写体がフレームから外れやすいとき
  • Case3・・・急に現れた被写体に素早くピントを合わせたいとき
  • Case4・・・被写体が急加速/急減速するとき
  • Case5・・・被写体の上下左右の動きが大きいとき
  • Case6・・・被写体の速度変化と上下左右の動きが大きいとき

の6つを選べることができる。

いろいろ試してみたが、あまり違いがわからない・・・。

説明書を見るとCase4がサッカー、モータースポーツ、バスケット向きと書かれているので、私は『Case4 被写体が急加速/急減速するとき』を選んでいる。

測距エリアモード

測距エリアモードは、当初スポット1点AFを使っていたが、最近は領域拡大AFの9点を選ぶことが多い。

高速で走り去るレーシングマシンは、なかなか上手にフレーミングできないので、カメラのチカラに助けてもらっている。

操作ボタンカスタマイズ

デフォルトだと測光・AF開始はシャッターボタンの半押しで行うが、モータースポーツ撮影では、迅速なオートフォーカスをしたいため、AF-ONボタンに測光・AF開始を割り当て親指オートフォーカスに設定することをオススメする。

記録画質

記録画質は特に指定するものではないが、せっかくなのでRAWの最高画質で記録するといいだろう。

当然データは大きくなるが、一瞬しかないその時を綺麗に残しておくためにもやっぱりこの一択だ。もしもっと軽いデータで書き出したければLightroom classic CCで調整すればいいだけ。

RAWで撮影するのは、カメラ内現像とLightroom classic CCなどのパソコン現像では調整の幅が違うからだ。

ISO感度

ISO感度はオートに設定するが、NDフィルターと絞り値をコントロールして、ISO100になるよう心がける。

まあ、流し撮り撮影の場合、光が多過ぎてしまうことが多く、特にISO感度が上がってしまうことはないため、特別気にすることはないだろう。

ホワイトバランス

ホワイトバランスはAWB(オート雰囲気優先)に設定している。

ただし蛍光レッドやオレンジのマシンの場合、驚くほどおかしな色になってしまうこともあるが、いきなりやってくるマシンに対し撮影時に瞬時に調整することができないため、その場合後からLightroom classic CCで色味を調整している。

まとめ

モードダイヤルTv
シャッタースピード1/125 〜 1/8
DRIVE・AF高速連続撮影モード・AIサーボ
測距エリアモード領域拡大AF 9点
AIサーボAF特性Case4
操作ボタンカスタマイズAF-ONボタンに測距・AF開始
記録画質RAW最高画質
ISO感度オート
ホワイトバランスオート

以上、今回は私のモータースポーツ撮影時のカメラ設定を紹介してみた。

レーシングマシンの流し撮り撮影は究極の動きモノ撮影と言われており、本当に奥が深いのだが、今回の記事がモータースポーツ撮影の初心者の方や、これからモータースポーツの撮影をはじめてみようという方にとって、少しでも参考になれば幸いだ。

また上級者の方には、コメントにてアドバイスをいただけると、大変ありがたく思う。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。