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ロータスが2チーム!?2011年に起きたロータスブランド問題!

1994年末に消滅した名門ロータスの名称は、2010年にマレーシアのトニー・フェルナンデスらの手により復活しました。

しかし2011年にはルノーを買収したロータス・ルノーGPが参戦し、フェルナンデスのロータスとともに2つのロータスが参戦しました。

その後2012年からロータス・ルノーGPロータスに、フェルナンデスのロータスケータハムに名称を変更したのですが、非常に不可解で複雑だったため当時の私はあまり理解ができませんでした。

あれから時間が経ち、現在は多くの説明がインターネットにより調べられるので、その経緯についてあらためて調べてみました。

ロータスの表記について

今回の記事ではさまざまなロータスの表記が登場します。そこで混同を防ぐため、コーリン・チャップマンが率いたF1チームをロータスで、トニー・フェルナンデスが率いたマレーシアに母体を置くF1チームをロータスで、ルノーを前身に持つエンストンのF1チームをロータスで、自動車メーカーのロータスカーズをロータスで、ブランドを保持していたチームロータスベンチャー社をロータスで表記します。

  • チャップマンのF1チーム・・・ロータス
  • マレーシアのF1チーム・・・ロータス
  • エンストンのF1チーム・・・ロータス
  • 自動車メーカー・・・ロータス
  • チームロータスベンチャー社とそのブランド・・・ロータス

フェルナンデスのロータスが参戦

wikipediaより引用

ロータスといえば、鬼才コーリン・チャップマンが率いて、ドライバーズタイトルを6回、コンストラクターズタイトルを7回獲得したイギリスの名門チームとして有名ですが、F1史を見てみるとコーリン・チャップマンのロータスの他2つのロータスが存在します。

FIAは2010年より新たなチームを募集し、そこにエントリーしたのがイギリスF3チームのライトスピードと、ルノーやトヨタなどで活躍したマイク・ガスコインが協力し、エアアジアを所有するトニー・フェルナンデスが後に代表となるチームロータスでした。

ライトスピードの代表がチームロータス(本家)で働いていたことがあったことからロータスを名乗ることにしましたが、当時自動車会社ロータスを傘下に持っていたプロトンはそれに対し難色を示しました。

代表になったフェルナンデスは、ロータスという名称の使用について自動車会社ロータスと協議をした結果、5年契約で使用権を獲得し、FIAの参戦許可を経て2010年のF1にロータスレーシングとしてエントリーします。

しかし、2010年9月に自動車会社ロータスからTシャツに入れたロータスのロゴを巡り、使用ライセンスを打ち切られてしまいます。

Tシャツのロゴごときで因縁をつけられたのですが、実は自動車会社のロータスは、モータースポーツへの復帰を目論んでおり実際にロータスの名でF1へ参戦しますが、それは後述します。

自動車会社ロータスからロータスの使用権を剥奪されたトニー・フェルナンデスのロータスは、F1チームのロータスが消滅してからF1のロータスブランドを持っていたデヴィッド・ハント率いるチームロータスベンチャーズ社※を買収し、別のロータス使用権を獲得します。

※1994年11月に会社更生法の適用をしたロータスの債権者のひとりとしてデヴィッド・ハント(ジェームス・ハントの弟)がチーム入りし後にオーナーになる。そして1995年にパシフィックに名義貸しをして、『パシフィックチームロータス』としてエントリーしている。

そして2011年にチームロータスとして参戦することを発表しますが、この一件で自動車メーカーロータスとの関係が激化し法廷闘争に発展します。

要するにフェルナンデスのロータスは、2010年は自動車会社ロータスロータスブランドで、2011年はチームロータスベンチャーズ社が所有していたロータスブランドと、別のロータスブランドで参戦していたことになります。

自動車会社ロータスロータス・ルノーGPで参戦 ロータスが2チームに!

2012年型ロータスE20

モータースポーツへの復帰を目論んでいた自動車会社ロータスは、2010年12月にルノーF1チームの株式を取得(一説には株式の取得は無く名称のみと発言あり)し、2011年からロータス・ルノーGPとしてF1への参戦を表明します。

そして両社の法廷闘争は審議がなされないまま、2011年にふたつのロータスがF1に参戦することになります。

2011年5月に裁判が決しフェルナンデスのロータスに使用の許可がおりますが、自動車会社ロータスは上告をするよう動くと、フェルナンデスのロータスは翌2012年にはロータスの名称を使用しないとして、フェルナンデスのロータスと自動車会社ロータスは合意しました。

2011年11月、フェルナンデスのロータスは2012年からケータハムF1チームに名称変更、同じく自動車会社ロータスが株式を取得したロータス・ルノーGPは2012年からロータスF1チームに名称することを発表しました。

3つのロータスの参戦名称の変化

元祖
ロータス
エンストンの
ロータス
マレーシアの
ロータス
1958-1994チームロータス※1
ロータス※2
2010ロータスレーシング※1
ロータス※2
2011ロータス・ルノーGP※1
ルノー※2
チームロータス
ロータス
2012ロータスF1チーム
ロータス
ケータハムF1チーム
ケータハム
2013ロータスF1チーム
ロータス
ケータハムF1チーム
ケータハム
2014ロータスF1チーム
ロータス
ケータハムF1チーム
ケータハム
2015ロータスF1チーム
ロータス

※1.エントラント
※2.コンストラクター

まとめ

wikipediaより引用

フェルナンデスのロータスは当初自動車会社ロータスの許可のもとロータスブランドで参戦しますが、その後自動車会社ロータスの方針転換によりライセンスを剥奪し、自動車メーカーロータスロータス・ルノーGPとしてF1に参戦します。

そこでフェルナンデスのロータスは1994年のロータス消滅からそのライセンスを持っていたチームロータスベンチャーズ社を買収しロータスを名乗ります。

要するに自動車メーカーロータスロータスブランドを使用し、その後F1チーム由来のロータスブランドを使用したフェルナンデスのロータスと、自動車メーカーロータス由来のロータスブランドで参戦したロータスがあったわけですね。

たしかにフェラーリも自動車会社フェラーリのブランドもあればスクーデリアフェラーリのフェラーリブランドもあるし、マクラーレンやメルセデスも同様ですよね。

うーん、複雑だ・・・。

以上、今回は2つのロータスというF1チームについて調べてみました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。