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アウディ・トヨタ・ポルシェ・日産の歴代ルマン/WEC LMP1マシン一覧【日産編】

2012年から新たにはじまったFIA世界耐久選手権(以下WEC)は、最上位クラスのLMP1-Hでは自動車メーカーの技術が注ぎ込まれたハイブリッドパワーユニットを搭載した洗練されたプロトタイプレーシングマシンでレースが行われた。

あのプロトタイプレーシングカーのフォーミュラカーともGTカーともつかない風貌が、多くのファンを魅了したのだが、2021年にWECの最上位クラスはル・マンハイパーカーに移行する。

そこであらためて、2012年から2020年までにWECに参戦したアウディ、トヨタ、ポルシェ、日産の4つの自動車メーカーのLMP1-Hのマシンとその活動について紹介してみようと思う・・・が今回は日産編ということで同メーカーは2015年のル・マン24時間しかWECシリーズに参戦していないので、私が訪れた2015年のWEC富士にも出場せず、ネタも少なければ写真もない・・・。

ということで、実車を忠実に再現したエブロ製のミニカーで写真はまかなうことにしよう・・・。

日産GT-R LM NISMO 2015年モデル

マシンエンジンドライバー
GT-R LM NISMOVRX30A 3.0L V6ターボ松田次生
L.オルドネス
M.シュルジツキー

H.ティンクネル
A.バンコム
M.クルム

O.プラ
J.マーデンボロー
M.チルトン

日産GT-R LM NISMOは、2015年のル・マン24時間のみに出場したマシンで、日産としては1999年のR391以来16年ぶりに製造したプロトタイプレーシングカーだ。

アメリカでのスポーツ中継でもっともテレビ視聴率が高いとされるスーパーボウルの高額のCM枠で日産のル・マン24時間復帰を華々しく発表したことから、日産のこのマシンへのチカラの入れようは相当なものだったと伺える。

このプロジェクトは、マシン開発をアメリカでエンジン開発をニスモで行った。

アメリカで開発したマシンは、

「革新的新型LMP1レースカーは他に類を見ない」

と説明したとおり非常に変わったもので、トップカテゴリーのレーシングマシンでありながら、なんとフロントにエンジンを配置し、しかもフロント駆動(フロントエンジン・フロントドライブ=以下FF)としたのだ!

当然ながら、F1をはじめ、他のLMP1およびLMP2マシンはすべてミッドシップエンジン・リヤドライブ(MR)を採用しており、近年ル・マン24時間に出場したフロントエンジンのプロトタイプレーシングマシンは、パノス LMP-1くらいだが、このマシンはフロントエンジン・リヤドライブ(FR)だったと記憶している。

このFFレイアウトをとった理由は、レギュレーションでフロントに空力の自由度が高いためだというが、いまいちその理由が理解できない・・・。

一応ERS-Kをフロントに搭載し、プロペラシャフトを介してリヤタイヤを駆動したパートタイム4WDになることを想定していたが、2015年のル・マン24時間ではそのハイブリッドシステムに信頼性の問題があったため使用を諦め、エンジン出力のみのFFで走行したという。

←フロントタイヤ幅(310mm)・リヤタイヤ幅(200mm)→

操舵角はもちろんのこと、当初からハイブリッドシステムに頼るつもりは無かったのか、リヤタイヤの幅は200mmと、フロントの310mmに対してかなり細い。

ボンネットのシルバー塗装部分がエンジンの排気口

エンジンは3.0LのV型6気筒直噴ツインターボで、排気口はなんとボンネット上に設けれてれいる。

WECの2015年シーズンに開幕戦から出場するとアナウンスされていたGT-R LM NISMOだったが、3月に行われたセブリングでのテストを予定より早く2日で切り上げ、開幕2戦に出場せずに車両の開発に充てると方針を転換する。

そして迎えた第3戦のル・マン24時間では3台体制でエントリーしたが、予選ではポールポジションを獲得したポルシェ919ハイブリッドから20秒遅れで、下位のLMP2クラスよりも遅かった。

決勝では21号車が開始10時間でフロントタイヤが外れリタイヤ、23号車はリヤサスペンションに問題が発生して残り1時間で脱落、22号車は最後まで走りきったが周回数不足で完走扱いとはならなかった。

レース後、各方面から日産に対してプロジェクトへの取り組みや準備不足に対して、多くの批判の声が上がったことは言うまでもない。

ル・マン24時間以降WEC参戦を取りやめマシンの開発に専念したが、10月にWEC2015年シーズンの残りのレースの欠場を発表。

2015年11月末に行われたニスモフェスティバルでニスモの宮谷社長が、

「来年に向けて、今開発をかなり取り組んでいて、来年はしっかりと戦うことができるようにしています」

と説明したが、翌12月には2016年のWECならびにル・マン24時間への参戦中止が発表され、以降日産GT-R LM NISMOが公の場に姿を現わすことはなかった。

ドライバーズ
ランキング
マニュファクチャラーズ
ランキング
参戦自動車メーカー
-位4位アウディ
トヨタ
ポルシェ
日産

最後に

日産のGT-R LM NISMOでのWECならびにル・マン24時間参戦プロジェクトは、日産のアメリカ法人が主導だが、準備不足は否めず、あのル・マン24時間での不甲斐ない走りにファンは失望した。

せめてハイブリッドで走行し、3メーカー(アウディトヨタポルシェ)には敵わずともそれなりのペースで走行してくれたら・・・。

この失敗を機に日産はル・マン24時間再挑戦への敷居はさらに高まってしまい、当分は参戦することはないだろう。

あのプロジェクトから6年が経過した今あらためて思う。

プロトタイプカーの最高峰であるWECのLMP1クラスに、エンジンをフロントに搭載しFFベースのマシンで参戦しようと考えプロジェクトを提案した日産のアメリカ法人と、その慣例にとらわれない常識を覆す新しいチャレンジを受け入れた日産本社の懐の深さを称賛したい。

私たちモータースポーツファンは、そんなチャレンジ精神あふれる自動車メーカーを応援したいのだから・・・。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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奥が深いモータースポーツ撮影の世界
MOTORSPORT撮影術

モータースポーツ撮影歴18年。腕に覚えは全く無いが、知識だけは豊富なワタクシぴぴが、レース撮影について偉そうに解説します。




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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。