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ジャガーR4 メーカーワークスなのに成績低迷!だがカラーリングはチャンピオン級!【ミニカー♯110】

今回は久々にミニカーの話題。

私のミニカーコレクションから1/43のモデルをホンモノのように撮影し、そのミニカーの現役時代を振り返ってみたいと思う。

今回取り上げるのはジャガーのF1マシン。

20年以上のF1ファンならば、

「あのカッコいいけど遅かったマシンね」

とその存在だけは記憶しているはず。

だけど成績は・・・。

何のためにF1に参戦したのかわからないまま撤退したあのチームの参戦4年目のマシン、ジャガーR4を取り上げていこう。

フォードが傘下ジャガーのブランドイメージ向上のために参戦

ではジャガーレーシングについて書いていこう。

ジャガーの前身であるスチュワートのSF3

ジャガーの前身はF1で3度の世界チャンピオンを獲得したジャッキー・シチュワートとその息子が率いるスチュワートグランプリで、バックにはフォードの大きな支援を受けていた。

シチュワートは新興チームながらもフォードの大きな資金があり、F1で優勝するほどの実力を備えていた。

しかし当初の予定どおり、3年の参戦の後フォードにチームを譲る。

フォードは1989年にイギリスの自動車メーカーであるジャガーを買収し、そのフォードはジャガーのブランドイメージ向上を考えており、スチュワートを買収したチームの名称をジャガーとした。

新生ジャガーレーシングはフォードから多くの資金が投入され、ドライバーには前年フェラーリでチャンピオン争いをしたエディ・アーバインを獲得し、アドバイザーにはF1界のレジェンドであるニキ・ラウダを招き入れる。

そんな多くの資金が投入されたジャガーだったが、スチュワート時代よりも低迷する。

結局5年間影響に参戦したジャガーだったが、最高位は2度の3位表彰台という散々な結果で2004年を最後にF1を去っていった。

ジャガーレーシングに対してF1ファンのイメージは、カッコいいけど遅かったマシン。

あのメタリックグリーンのマシンのイメージだけを残して去ったのだ。

今回取り上げるのは、そんなジャガーの2003年マシンになる。

マシンデータと戦績

ではジャガーの2003年マシン、ジャガーR4の主要諸元をチェックしてみよう。

年式2003年
コンストラクタージャガー
マシン名R4
デザイナーロバート・テイラー
エンジンコスワースCR5
トランスミッションジャガー製7速縦置きセミAT
燃料テキサコ
タイヤミシュラン
主要諸元表

デザイナーはロバート・テイラーって・・・だれ?

エンジンはジャガーと同じくフォードの子会社であるコスワースの最新型CR5を搭載する。

そして燃料はテキサコ?

F1ではあまり聞きなれない銘柄だが、調べてみるとスーパーメジャーと称される燃料主要銘柄のシェブロンの中のブランドらしい。

そしてタイヤはフランスのミシュラン。

この時代はミシュランとブリヂストンのタイヤ戦争真っ只中だったね。

つづいてジャガーR4の戦績を見てみよう。

コンストラクターウェバーピッツォニアウィルソン
シーズン順位7位10位21位20位
シーズンポイント18P17P0P1P
優勝0回0回0回0回
表彰台0回0回0回0回
ポールポジション0回0回0回0回
ファステストラップ0回0回0回0回
戦績表

この年からポイント制度が変更になり、入賞が6位までから8位までに拡大。

しかしジャガーR4は自動車メーカーのワークスマシンにも関わらず、たったの18ポイントしか獲得できなかった。

その18ポイントのうち17ポイントを獲得したのがマーク・ウェバー。

ウェバーは前年ミナルディでデビューし、下位チームながらもポイントを獲得。そして移籍したジャガーでもひとり気を吐き、チームに貢献した。

ちなみにウェバーは、その後ジャガーを買収したレッドブルで一気に名を上げることになる。

そしてもうひとりがアントニオ・ピッツォニアだったが、ウェバーに大きく水を開けられたため第11戦のイギリスグランプリを最後にチームを離脱。

後任にはフライングジュラフこと、191cmの大男ジャスティン・ウィルソンが加入し、アメリカグランプリで貴重な1ポイントを獲得している。

ちなみにウィルソンは2015年、インディカーシリーズに参戦中に事故に遭いこの世を去っている。

ジャガーR4のミニカーを実車のように撮る!

さて、それではミニカーでジャガーR4をじっくり見ていこう。

まずは前周り。

うーん、当時としてはごく一般的なハイノーズと吊り下げ式ウイング。

湾曲したウイングは前年のチャンピオンマシン、フェラーリF2002を参考にしたのだろう。

この頃からF1マシンはサイドポッド下部を抉らせ、リヤに向かって大きく絞り込ませるコークボトル形状が流行したが、このマシンは抉れもなく絞り込みもない旧態然としたカタチだ。

ただリヤタイヤ前には、乱流の影響を低減するために複数の空力パーツが装着されている。

ちなみにこちらがこの年のチャンピオンマシンであるフェラーリF2003-GA。

サイドポッドの抉れとその後の絞り込みがジャガーR4とはまったく違う。

ジャガーレーシングのF1マシンといえばこのメタリックグリーンとホワイトのカラーリング、そしてエンジンカウルの大きなジャガーロゴで人気を博した。

F1には『速いマシンはカッコいい』という名言がある。

しかしこのジャガーレーシングのマシンたちは、遅くてもマシン形状がオーソドックスでも、この洗練されたカラーリングでファンの心を掴んだのだ。

そういえば2021年にアストンマーティンがグリーンのカラーリングを採用した際、F1ジャーナリストの誰か(川井ちゃんだったか?)が、グリーンのカラーリングのF1マシンは皆遅かった、と言っていた。

いや待て、グリーンといえばイギリスモータースポーツの伝統色。

あのロータスもブリティッシュグリーンのロータス49でチャンピオンを取ったし、アイリッシュグリーンのジョーダン191も速かったはず。

なるほど川井ちゃん(だったかな?)、あんたジャガーを思い出しての発言だったのね!?

ゴールドのホイールもカッコいいね!

・・・すみません、今回はマシン形状に特徴がないので、カラーリングのことばかりです。

このマシンのネタが尽きたので、ミニカー撮影の話を少し。

このミニカー撮影のシリーズ、当初は家の中で照明を使って撮影していたが、どうしても本物のような雰囲気が出ない。

そこで近頃は野外で撮影しているが、やっぱり太陽の光に勝るものはない。

特に今回はジャガーの素晴らしいカラーリングを最大限引き出そうと思い、影が強調される夕刻の時間を狙い撮影したが、かなりいい雰囲気が出たと個人的には満足しているがいかがだろう。

そして野外での撮影の利点がもうひとつ。

10cmあまりのミニカーを本物のように撮ろうとする場合ボケは禁物だ。

そのため絞り値を最大にするのだが、そうすると暗い室内ではシャッタースピードが稼げず三脚を使用することになる。

しかし太陽光で撮影することで、F22の絞りでもシャッタースピードを1/100秒まで速くすることができるため手持ちで撮影できるのでアングルに自由度が増すのだ。

そんなミニカー撮影のコツは下記の記事で詳しく書いているので、よかったらどうぞ。

ということでジャガーR4の撮影は以上。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介する。

【ixo製】ジャガーR4

今回の取り上げたジャガーR4のミニカーは、デアゴスティーニF1マシンコレクションシリーズの第130号の付属。

まあ付属と言っても、もちろんその付属のミニカーが完全なる主役なのだが。

製造はイタリアのミニカーの老舗、ixoが手がけている。

【マテル製】フェラーリF2003-GA

そしてもう1台の赤いマシンは2003年のフェラーリF2003-GAで、2003年の秋頃購入したもの。

製造は当時フェラーリミニカーを独占して製造販売していたアメリカのマテル製。

このマテルのミニカーにマールボロデカールを貼った。

当時マテルのライバルであったミニチャンプス製の方が出来栄えがよかったが、20年近く経った今あらためてモデルを見ると、同時期のミニチャンプス製品はデカールが黄ばみ剥がれ落ちているが、マテル製品は今でも当時の質感が失われていない。

数十年経ってマテル製品の素晴らしさを知った。

今回の撮影機材

今回ミニカーを撮影したカメラ機材を紹介する。

カメラキヤノンEOS R5
レンズキヤノンRF35mm F1.8 IS MACRO STM
スピードライトキヤノン430EX Ⅱ
三脚ベルボンEX-Macro
撮影機材

今回もキヤノンEOS R5とキヤノンRF35mm F1.8 MACRO IS STMの組み合わせで撮影した。

ハーフマクロ機能で近づいてやや広角域で撮影できるこのRF35mm F1.8 MACRO IS STMは、ミニカーを実車のように撮影するためには必須のレンズだ。

最後に

ルノー、トヨタ、BMW、ホンダ、そしてこのジャガー(=フォード)と、多くの自動車メーカーがコンストラクターとして参戦を開始した華やかだった2000年代のF1。

そんな自動車メーカーの中で、まったくもって成績を残すことなくいち早く撤退したジャガー。

しかしその華やかで印象深いカラーリングは、記録より記憶に残るチームだった。

以上、今回は1/43のジャガーR4を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。