今回はジョーダンの2002年マシン、ジョーダンEJ12を取り上げてみたいと思う。
ジョーダンEJ12といえば佐藤琢磨選手がF1デビューしたマシン。
懐かしいなあ、黄色いジョーダンのマシンで琢磨選手が走った日本グランプリ。
佐藤琢磨選手が初入賞を決めた日本グランプリは、私のF1(決勝レース)初観戦のレースでもあったので、非常によく覚えているんだよね。
そんな思い入れたっぷりのジョーダンEJ12は、ミニカーが発表されると同時に予約し手に入れたマシンだが、あれ?まだブログで取り上げてない?
はい、では早速大好きなジョーダンEJ12のミニカーを撮影し、このマシンを振り返ってみよう!
ザックリ見出し
マシンデータと戦績
まずはジョーダンEJ12の主要諸元をチェック。
年式 | 2002年 |
コンストラクター | ジョーダン |
マシン名 | EJ12 |
デザイナー | エグバル・ハミディ ゲイリー・アンダーソン |
エンジン | ホンダRA002E(3L V型10気筒 NA) |
マシン名のEJはチームオーナーのエディ・ジョーダンの頭文字からで、それに続く12は1991年のF1デビューマシンから数えて12番目のマシンから。
マシンはエグバル・ハミディを中心にデザインされ、ジョーダンに復帰したゲイリー・アンダーソンが改良をした。
ちなみにハミディはウィリアムズ、スチュワート、アロウズ、そしてジョーダンなどで多くのマシンを手掛けてきたが、このジョーダンEJ12の失敗でチームを更迭され、以降F1関連の目立った活動はない。
エンジンはホンダ製(第3期)。
2万回転にも迫る超高回転型の3L V型10気筒 NAエンジンの音は、現代のF1パワーユニットと比べて数十倍素晴らしいと個人的には思う。
つづいてジョーダンEJ12の戦績を見てみる。
コンストラクター | フィジケラ | 佐藤琢磨 | |
---|---|---|---|
シーズン順位 | 6位 | 11位 | 15位 |
シーズンポイント | 9P | 7P | 2P |
優勝 | 0回 | 0回 | 0回 |
表彰台 | 0回 | 0回 | 0回 |
ポールポジション | 0回 | 0回 | 0回 |
ファステストラップ | 0回 | 0回 | 0回 |
当時のレギュレーションではポイントが与えられる入賞が6位フィニッシュまでだったが、それでも9ポイントとは・・・。
数年前にタイトル争いをしたジョーダンだが、資金繰りが悪化し徐々に成績が落ち込んだ。
ジョーダンEJ12のミニカーを実車のように撮る!
それでは1/43のジョーダンEJ12を撮影していこうと思う。
もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。
まずはマシンをピットガレージに入れて、マシンをじっくりと見ていこう。
ジョーダンEJ12の最大の特徴は前年型のEJ11から続くハの字型のフロントウイングステー。
これは前年から車体中央500mmより外側のフロントウイングの地上高が50mm高く改定されたレギュレーションによるため。
ただEJ11はブラックに塗装されていたためあまり目立たなかったが、EJ12からイエローに塗装されちょっと目立ちすぎてしまっている。
きっとゲイリー・アンダーソンならば、もっと美しく仕上げたはず!?
ちなみにフロントウイングのセンター部分が冒頭の実車のEJ12の形状と異なっているのは、こちらは日本グランプリなどでも使用された後半戦仕様だからだ。
前半戦は実写写真のように角張ったウイング形状で、途中モナコグランプリでは一直線になり、後半戦は緩やかなカーブを描く形状に変更されている。
そしてジョーダンEJ12の外観からわかりづらい大きなポイントがツインキール。
ハの字型のノーズ下から入った空気は分断されたロアアーム支柱の中央部を通り、大量の空気で大きなダウンフォースを得られると素人目には見えるのだが・・・。
ただシーズン前テストでツインキールの剛性不足が発覚し、左右のキールをつなぐプレートを追加し、ツインキールを採用する最大の効果である空力特性が減少してしまった。
ジョーダンEJ12のリヤ周りは特徴のない一般的なデザイン。
この時代のタイヤは前後とも4本の溝が入ったグルーブドタイヤだった。
資金繰り悪化の原因はこちら。
そう、1996年からジョーダンを支えてきたイギリスのタバコブランド『ベンソン&ヘッジス』がこの年からサポートを縮小し、タイトルスポンサーを離脱した(一般スポンサーとして継続)。
そのため1997年からノーズに描かれていたベンソン&ヘッジスによるノーズアートは、前年を最後に姿を消した。
そのベンソン&ヘッジスに代わりタイトルスポンサーとなったのがDHL。
そのためマシンのカラーリングは前年の鮮やかなイエローからDHLの輸送機や配送車をイメージするオレンジに違いイエローに変化した。
この頃からマシンに細かい空力パーツが取り付けられるようになる。
リヤタイヤ前に装着されるチムニーダクトとウイングレット。
さて、今度はマシンをスターティンググリッドに移動してみよう。
今回ジョーダンEJ12とともに撮影するのはフェラーリの同年のマシンF2002。この年のチャンピオンマシンだ。
このノーズの盛り上がり・・・。
佐藤琢磨選手がのちに語っていたが、テストでジョーダンEJ12にはじめて乗った時、フロントがまったく見えなかったという。
インダクションポッドの両サイドには耳型フィン。
これはインダクションポッドとヘッドレストの間の空気をきれいにリヤへ流す役割があったという。
それにしても20年前に発売した10cmほどのミニカーでここまで再現しているとは、ミニチャンプス恐るべし!
最後はチャンピオンマシンとともに・・・。
以上、1/43のジョーダンEJ12を実車のように撮影してみた。
今回登場したミニカー
今回撮影に登場したミニカーを紹介する。
【ミニチャンプス製】ジョーダンEJ12
ドイツが誇る1/43ミニカーでもっともメジャーなブランド、ミニチャンプスの製品。
私はこのモデルを2002年ごろに購入した。
当時から精巧な造りでファンが多いブランドだが、じつはデカールの耐久性に難があるということが最近わかった。
このジョーダンEJ12に関しては20年経過した現在もかろうじて無事。
【マテル製】フェラーリF2002
こちらはアメリカのマテルが製造したモデル。当時フェラーリF1ミニカーはマテルが独占契約をしていた。
購入はこのシーズンオフだったと記憶している。
造形はミニチャンプスと比べると細かい部分で劣るが、デカールの耐久性は素晴らしい。
ちなみにマールボロデカールは社外品を購入して私自身で取り付けた。
今回の撮影機材
今回ミニカーを撮影したカメラ機材を紹介する。
カメラ | キヤノンEOS R5 |
レンズ | キヤノンRF35mm MACRO F1.8 IS STM |
最後に
ジョーダングランプリが全盛期から落ちていく過程で登場したジョーダンEJ12は、ジャンカルロ・フィジケラ選手を持ってしても4度の入賞しかできず、新人の佐藤琢磨選手に至っては最終戦での入賞1度に終わった。
しかしその1度の入賞が日本グランプリだったこともあり、日本では決してこのマシンがネガティブに捉えられてはいない。
いや、むしろ、佐藤琢磨選手のあの走りを支えたマシンとして記憶に残っている方も多いだろう。
私も最終コーナーで佐藤琢磨選手に思いきりエールを送ったあのマシンとして、素晴らしい記憶が残っており、2019年にホンダコレクションホールに訪れた際、一番良い場所に展示してあったジョーダンEJ12を目の当たりにしてあの場面感動が蘇り胸が熱くなった。
そう、このマシンは多くの日本人F1ファンにとって特別な存在なのだ。
以上、今回は1/43のジョーダンEJ12を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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