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ザウバーC23 青いフェラーリと呼ばれたマシン【ミニカー#85】

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はザウバーが2004年のF1に参戦するために開発した、ザウバーC23を取り上げていきたいと思います。

マシンデータと戦績

まずはザウバーC23の主要諸元をチェック。

年式2004年
カテゴリーF1
コンストラクターザウバー
マシン名C23
デザイナーウィリー・ランプ
エンジンペトロナス04A(フェラーリ)
主要諸元表

つづいてザウバーC23の戦績を見てみる。

コンストラクターフィジケラマッサ
シーズン順位6位11位12位
シーズンポイント34P22P12P
優勝0回0回0回
ポールポジション0回0回0回
ファステストラップ0回0回0回
戦績表

青いフェラーリと呼ばれたザウバーC23

1997年からフェラーリよりエンジンの供給を受けてきたザウバーは、2004年のザウバーC23はエンジンに加えてギアボックスもフェラーリから供給(1年落ち)を受けるようになり、マシンのフォルムもフロントウイングやサイドポンツーンの形状、シャークルーバーの位置や形など、フェラーリの前年型マシンであるフェラーリF2003-GAに酷似している。

そのため多くのメディアではマシンカラーになぞられて『青いフェラーリ』と呼ばれたが、成績においては、当時トップチームだったフェラーリに遠く及ばなかった。

シーズン開幕にパワーステアリングが間に合わず、10チーム中唯一の未装着マシンとして開幕戦のアルバートパークに出走するも、グリップ力が高くなったブリヂストンタイヤの影響もあり、ステアリングがより重くなってドライバーの負担が問題になり、名手フィジケラでも10位に入るのがやっただった。第2戦のマレーシアでは、マッサがそのステアリングの重さに耐えきれずにコースアウトしてしまうほどパワーステアリング未装着が問題になる。

第3戦のバーレーンでようやくパワーステアリングが装着されると次第に成績は向上すると、中盤戦から後半戦にかけてコンスタントにポイントを重ね、結果34ポイントを獲得し、F1参戦以来もっともポイントを稼いだシーズンになった。

では、そのザウバーC23のミニカーを詳しく見ていこう。

ザウバーC23のミニカーを実車のように撮る!

それでは1/43のザウバーC23を撮影していこうと思う。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。

ノーズからウイングにかけてのフロントセクションが、フェラーリF2003-GAと酷似するザウバーC23。

ブリヂストンvs.ミシュランのタイヤ戦争真っ只中の時代で、4本の溝が刻まれたグルーブドタイヤで争われた。

エンジンカウルにレッドブルのロゴが描かれているが、もちろんこのチームは正真正銘のザウバー。

この年はレッドブルとのスポンサーシップ10周年で記念式典も行われたが、この年を最後にレッドブルはザウバーのスポンサーを降り、ジャガーを買収して翌年から自社チームで参戦することになる。

フェラーリF2003-GA同様に、サイドポンツーン下部が大きくえぐられた形状が印象的なサイドビュー。

ザウバーC23をスターティンググリッドに移動してみた。

奥に見えるのはルノーの2004年マシン、ルノーR24。

ブルーをベースにエンジンカウルにレッドブルのロゴ、マシン下部は現在メルセデスのスポンサーを務めているペトロナスの明るいブルーグリーン、ノーズやリヤウイングの翼端板にはスイス銀行のホワイトが入ったこのころのザウバーのカラーリングが、個人的には非常に好きだ。

この頃マレーシアの国営企業であるペトロナスは、ザウバーに供給されるフェラーリエンジンにバッジネームを付けてペトロナスエンジンとしていた。

そしてバッジネームにとどまらず自社でF1用エンジンを開発する構想を抱いていたが、その後頓挫している。

サイドポンツーンの放熱用スリット(シャークルーバー)もフェラーリF2003-GAと同様に開けられており、まさに青いフェラーリといった形状だ。

以上、1/43のザウバーC23を実車のように撮影してみた。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介する。

【ixo製】ザウバーC23

デアゴスティーニF1マシンコレクションの第60号で、イタリアのixoが製造している。

【ixo製】ルノーR24

デアゴスティーニのF1マシンコレクション52号で、こちらもixo製。

最後に

最後はザウバーと自動車メーカーの関係について。

ザウバーは1980年代後半からメルセデスと提携してル・マン24時間に参戦をすると、メルセデスのワークスチームとして1989年のル・マン24時間を制する。

そしてメルセデスからエンジン供給も含めた支援を受けるカタチで1993年にF1参戦を開始するも、1994年を最後にメルセデスとの長い関係は終止符を打たれた。

1995年からはフォードからワークスエンジンの供給を受けるが、1997年からフォードはスチュワートへエンジンを独占供給することになると、ザウバーとフォードとの関係は2年間で終わる。

1997年からはペトロナスのバッジネームを付けてフェラーリのエンジンを使用することになると、本文にもあるとおり徐々にフェラーリのジュニアチーム化が図られ、結局2005年まで9年間ものあいだペトロナスブランドのフェラーリエンジンを使用した。

その翌年の2006年にはBMWがチームを買収して2009年までの4年間をBMWザウバーとして参戦する。

そしてペーター・ザウバーがチームを買い戻した2010年から、ふたたびフェラーリエンジンを使用すると、2018年にフェラーリと同じフィアットグループのアルファロメオがタイトルスポンサーになり、2019年からはそのアルファロメオがネーミングライツでコンストラクター名を変更し、アルファロメオレーシングとして登録し参戦している。

さまざまな自動車メーカーと長きにわたり関係を持続するザウバーの社風は、現在は隠居したチーム創設者のペーター・ザウバーの人柄によるところかもしれない。

以上、今回は1/43のザウバーC23を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。