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シャドウDN9(1979年仕様)【ミニカー#104】

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はシャドウが1979年のF1に参戦するために開発した、シャドウDN9を取り上げていこうと思う。

マシンデータと戦績

まずはシャドウDN9の主要諸元をチェック。

年式1979年
カテゴリーF1
コンストラクターシャドウ
マシン名DN9
デザイナートニー・サウスゲート
エンジンフォードコスワースDFV
主要諸元表

1979年のシャドウDN9は、当時としては一般的なフォードコスワースのDFVエンジンを搭載したマシンで、シャドウチームの立ち上げから在籍したトニー・サウスゲートがデザインした。

しかしサウスゲートは、この1979年シーズンにはすでにシャドウに在籍しておらず(後述する)、設計者を失ったマシンは入賞もままならず、コンストラクターズ選手権は10位でシーズンを終えている。

シャドウDN9のミニカーを実車のように撮る!

それでは1/43のシャドウDN9を撮影していこうと思う。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。

今回のマシンは、1973年からF1に参戦したシャドウレーシングチームが、1978年から1979年まで使用したシャドウDN9の1979年仕様になる。

前年までホワイトとレッドのカラーリングだったシャドウDN9は、この年ブラックになり、まさにチーム名と同じ影のようなカラーリングが特徴だ。

その影のようなカラーリングのシャドウDN9に描かれる文字はチーム名のみ・・・。

スポンサーロゴが一切入らないマシンから察するに、チームの厳しい財政事象が伺える。

ロータス78でF1界に巻き起こったグランドエフェクト革命。

シャドウND9もサイドポッド下をウイングカー構造として、グランドエフェクト効果を狙っていることがミニカーからもわかる。

シャドウND9をスターティンググリッドに移動して、同年一気に飛躍したウィリアムズFW07と並べてみた。

1979年をともに戦ったアロウズA2とアルファロメオ177、

そしてロータス80とともに、グリッドを再現。

1977年の終わりにアラン・リース、ジャッキー・オリバー、トニー・サウスゲートら、シャドウの主要メンバーが一気に離脱し、新たなコンストラクターであるアロウズを設立する。

その彼らが最後にシャドウに残したマシンが今回のDN9になる。

サウスゲートらはそのシャドウDN9の設計図をもとにアロウズFA1を製造したのだが、シャドウは盗用だと法廷闘争し勝訴している。

ちなみに2020年のF1において、レーシングポイントがメルセデスのマシンデザインを模写して問題になったり、F1ではたびたび盗作問題が論争の的になるのだが、このシャドウDN9はその先駆けとなる事案だった。

以上、1/43のシャドウDN9を実車のように撮影してみた。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介する。

【ixo製】シャドウDN9

デアゴスティーニのF1マシンコレクション81号で、製造はイタリアのixoが担当している。

【ixo製】ウィリアムズFW07

デアゴスティーニのF1マシンコレクション68号でixo製。

【ixo製】アロウズA2

デアゴスティーニのF1マシンコレクション73号でixo製。

【ixo製】アルファロメオ177

デアゴスティーニのF1マシンコレクション59号でixo製。

【ixo製】ロータス80

デアゴスティーニのF1マシンコレクション106号でixo製。

【ixo製】リジェJS11

デアゴスティーニのF1マシンコレクション26号でixo製。

今回の撮影機材

今回ミニカーを撮影したカメラ機材を紹介する。

カメラキヤノンEOS R5
レンズキヤノンRF35mm F1.8 IS STM
スピードライトキヤノン430EX Ⅱ
三脚ベルボンEX-Macro
撮影機材

最後に

最後にシャドウレーシングチームの創設者、ドン・ニコルズと日本について少し書いてみよう。

ドン・ニコルズは、日本のモータースポーツと非常に深い関係がある。

彼は第二次世界大戦の後、アメリカ軍の軍人として日本に来日している。

朝鮮戦争に従軍した後退役したが、日本に留まり、1960年代の日本モータースポーツ黎明期に海外とのパイプ役として立ち回り、富士スピードウェイの立ち上げにも関わった。

富士スピードウェイのコース設計アドバイザーとしてスターリング・モスを招聘し、開業時にはジム・クラークの試走にも関与している。

また、日本でマシンやエンジン、タイヤやオイルなどを輸入する代理人として活躍した。

またレーシングドライバーとしても、第1回日本グランプリにいすゞのワークスドライバーとしてベレルで、第4回日本グランプリではローラT70で出場した実績がある。

そんな日本ともゆかりの深いドン・ニコルズは、2017年8月に92歳で永眠している。

ちなみにチーム名のシャドウとは、1930年代にアメリカで流行ったマンガ、『The Shadow』に由来している。

ドン・ニコルズは少年時代にこのマンガが好きで名前を拝借し、チームのロゴマークもこのマンガのキャラクターをモチーフにしているらしい。

以上、今回は1/43のシャドウDN9を実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。