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日本の主要サーキットで最も標高が高いのは?パワーダウンにダウンフォース不足 イイとこ無しのサーキット別標高ランキング!

標高の高いサーキットは酸素濃度が低くエンジンの性能がダウンしてしまいます。

そればかりか空気密度が低いためダウンフォースも不足してしまい、クーリングも厳しい。マシンにとっては非常に厄介なのです。

そんなイイとこ無しのサーキットはどこなのか?

ということで、今回は国土地理院地図を使い、日本の6つの主要サーキット(鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ、モビリティリゾートもてぎ、スポーツランドSUGO、岡山国際サーキット、オートポリス)の標高を調べてみました。

では標高の低い順に第6位からいってみましょう!

【第6位】鈴鹿サーキット

標高 63m

2023年F1日本グランプリにて

日本の主要サーキットでもっとも標高が低いのは鈴鹿サーキット。

サーキットの中で一番高いのがスプーンカーブ付近ですが、それでも標高63mしかありません。

緻密に設計されたレーシングマシンでも、この標高ならば趣味レーションから補正ほぼすることなく、マシンを走らせることができます。

【第5位】モビリティリゾートもてぎ

標高 177m

第5位はモビリティリゾートもてぎ。一番高いのがダウンヒルストレート手前のヘアピンで標高177mです。

この高さならば空気密度の低下もなくダウンフォースも問題なし。もちろん酸素不足もなく、マシンがパワーダウンになることもありません。

ホンダが設計した2つのサーキットが一番標高が低いのはなぜ?建設場所選定に標高も加味されていたのでしょうか。

【第4位】スポーツランドSUGO

標高 277m

2019年スーパーGT SUGO公式テストにて

第4位はスポーツランドSUGOで、もっとも高いのはハイポイントコーナー付近で標高は277mでした。

2019年に一度だけスポーツランドSUGOに行きましたが、私の訪れた他のサーキット(富士、鈴鹿、もてぎ)に比べてるとかなりの山間地に位置していたため、もっと標高が高いと思っていました。

サーキットは一般的に高地に建設されるもの。このくらいの標高ならばマシンに大きな影響はないのでしょう。

このサーキットの名物はアップダウンで、6つの主要サーキットの中で高低差はダントツのNo.1(69.83m)です。

特に最終コーナーを過ぎてからのホームストレートの10%の上り坂は圧巻です。

【第3位】岡山国際サーキット

標高 279m

第3位は岡山国際サーキット。コースの中で一番標高の高いのがホッブスコーナーの立ち上がり付近で279mでした。

ちなみに第4位のスポーツランドSUGOとは2m差ということで、ほぼ同じ標高になります。

私は岡山国際サーキットを訪れたことがありませんが、Googleマップで確認すると相当の山奥。でもスポーツランドSUGO同様にこのくらいの標高ならば問題ないでしょう。

さあ、次の第2位からは一気に標高が上がります。

【第2位】富士スピードウェイ

標高 581m

2023年スーパーフォーミュラ第2戦にて

富士の裾野に位置する富士スピードウェイは日本の主要サーキットの中で2番目に標高の高いサーキットでした。

その富士スピードウェイのコース上で一番高いのが最終のパナソニックコーナーの出口付近。ちょうど1,475mの名物ホームストレートが始まるポイントですね。

2000年代のスーパーGT GT500クラスは各メーカーでNAとターボが混在し、富士スピードウェイに来るとターボ勢が優勢でした。

もちろんそれは標高によるところで、GTAとしてもレギュレーションにより富士スピードウェイ用のエンジン調整が施されていたと記憶していますが(違っていたらすみません)、やっぱりターボ勢が強い。

なのでてっきり富士スピードウェイが一番標高が高いと思っていましたが、個人的にはちょっとびっくりでした。

【第1位】オートポリス

標高 820m

日本の主要サーキットの中でもっとも標高が高いのは、雄大な阿蘇外輪山の北方に位置するオートポリスでした。

コースの中で一番高いのは最終コーナー付近で、なんと標高820m。富士スピードウェイよりも約240mも高いとは驚きですね。

この標高だと特にNAエンジン搭載マシンのパワーダウンは相当で、スーパーGTでNAエンジンを搭載するJLOCのウラカンEVOは60馬力前後のパワーを失ったと、以前JLOCの監督が語っていました。

それに加えて空気密度も低下しダウンフォースもかなり減るため、大きなダウンフォースを発生させるフォーミュラマシンはかなりのセッティング変更を余儀なくされますね。

まとめ

今回は日本の主要サーキットの標高を調べてみましたが、結果は以下の通りになります。

順位サーキット
(コース内の最高地点)
標高
第1位オートポリス
(最終コーナー)
820m
第2位富士スピードウェイ
(最終コーナー立ち上がり)
581m
第3位岡山国際サーキット
(ホッブスコーナー立ち上がり)
279m
第4位スポーツランドSUGO
(ハイポイントコーナー)
277m
第5位モビリティリゾートもてぎ
(ダウンヒルストレート手前のヘアピン)
177m
第6位鈴鹿サーキット
(スプーンカーブ)
63m

結果はオートポリスが圧倒的に高地に位置していました。

個人的には富士スピードウェイだと思っていましたのでちょっと意外。

文中でも書きましたが、オートポリスや富士スピードウェイのような高地だとパワーダウンやダウンフォース不足、クーリングなど、マシンにかなり影響が出ます。

ただ世界を見渡すととんでもない標高に位置するサーキットも。

はい、ご存知F1メキシコシティグランプリの舞台、エルマノスロドリゲスサーキットです。

このサーキットの標高は、なんと約2,200m!

この高さになると空気の量が通常の2/3しかなく、以前ホンダのF1総括責任者を勤めていた長谷川祐介氏は、

「NAであればそのままパワーが落ちますが、ターボでは基本的に空気が薄い分だけターボの過給を上げてパワーが落ちないようにしています」

と語っていました。

なるほど、ターボの過給を上げて通常とは違うセッティングをするのね。

うん?じゃあ、やっぱりNAはそのままパワーダウン?

スーパーGT GT300クラスはNAのマシンも多くエントリーしているし・・・標高2,200mほどではなくともやっぱり820mの高さにあるオートポリスはNA勢にとっては相当に厳しそう・・・。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。