F1とスーパーフォーミュラ。
見た目はなんとなく似ているが、どのような違いがあるのか?
そこで今回は、F1とスーパーフォーミュラを、寸法・重量・馬力・ラップタイム・年間予算・スタッフ数など、さまざまな角度から比較をして、両カテゴリーの違いを見ていくことにしよう。
【F1 vs.スーパーフォーミュラ】マシン寸法比較
F1 | スーパーフォーミュラ | F1-SF | |
---|---|---|---|
全長 | 約5,650mm | 5,233mm | 約-417mm |
全幅 | 2,000mm | 1,910mm | -90mm |
全高 | 950mm | 960mm | +10mm |
ホイールベース | 約3,650mm | 3,115mm | 約-535mm |
F1マシンとスーパーフォーミュラを真正面から見ると、細かい形状は違えどカタチはかなり似通っている。
しかしサイドから見ると、F1のホイールベース、そして全長の違いに驚くだろう。
F1は全幅と全高、そして前後オーバーハングはレギュレーションにより決められているが、ホイールベースに関しては決められていない。
そこでF1は、コーナーリングスピードを犠牲にしてでも表面積を多くすることによりダウンフォースの増大を狙ってホイールベースを長くしている。
その全長は年々長くなる傾向で、チームはその数値を発表することはないが3,700mmに達するマシンもあるという。
F1マシンをよく見ると、複雑な3D形状で至る所に細かなフィンや突起などがある。
これはスーパーフォーミュラがダラーラ社が製作したマシンのワンメイクに対し、F1は各チーム(コンストラクター)が製造したマルチメイクで、日々熾烈な技術競争が行われているためだ。
【F1 vs.スーパーフォーミュラ】重量比較
F1 | スーパーフォーミュラ | F1-SF |
---|---|---|
752kg(ドライバー含む) | 670kg(ドライバー含む) | +82kg |
F1のマシン重量は752kg(ドライバー含む)で、スーパーフォーミュラは670kg(ドライバー含む)。
F1がスーパーフォーミュラに対して82kgも重いのは、少し意外だろう。
F1のマシン重量が一気に上がったのはパワーユニット制が導入された2014年。その複雑な機構やバッテリーなどの搭載もあり、前年の642kgから691kgへ50kg近く重くなった。
その後もワイドタイヤや幅の広いマシン、ハロの導入などで毎年のように重量が増えたが、それと同時にFIAが年々速くなるコーナーリングスピードを抑制したいと思っているのだろう。
【F1 vs.スーパーフォーミュラ】馬力比較
F1 | スーパーフォーミュラ | F1-SF |
---|---|---|
1,000馬力 | 550馬力 | +450馬力 |
カテゴリー | 排気量 | 気筒数 | 過給機 | 電気モーター |
---|---|---|---|---|
F1 | 1.6L | V型6気筒 | シングルターボ | ○ |
SF | 2.0L | 直列4気筒 | シングルターボ | × |
F1のパワーユニットは、1.6L V型6気筒直噴シングルターボのエンジンに、電気モーターを組み合わせたいわゆるハイブリッドで、エンジンとモーターを組み合わせた出力は1,000馬力と推定されている。
ちなみにエンジン単体での馬力は700-800馬力だ。
2021年現在、メルセデス、フェラーリ、ホンダ、ルノーの4社が供給を行なっている。
対するスーパーフォーミュラは、NRE(Nippon Race Engine)と呼ばれる2.0L直列4気筒直噴シングルターボで、ホンダとトヨタが供給しているエンジンは約550馬力を発生する。
F1の排気量はスーパーフォーミュラに比べて80%しかないにも関わらず、発生する出力は150-250馬力上回っており、それに電気モーターも加わると450馬力もF1の方が高出力になる。
理由は絶えず技術競争が行われているからだが・・・恐るべしF1・・・。
【F1 vs.スーパーフォーミュラ】鈴鹿サーキットラップタイム比較
F1 | スーパーフォーミュラ | F1-SF |
---|---|---|
1’27.064(2019) | 1’34.442(2020) | -7.378秒 |
F1とスーパーフォーミュラが同じ場所を走るサーキットといえば三重県の鈴鹿サーキット。
鈴鹿サーキットでのF1のコースレコードは、2019年日本グランプリの予選でセバスチャン・ベッテルが記録した1’27.064で、対するスーパーフォーミュラのコースレコードは、2020年にニック・キャシディが記録した1’34.442と、じつに両カテゴリーで7秒以上もの違いがある。
馬力の違いやダウンフォース量の違いなどのマシン性能で、1周あたりこれだけの差があるのだ。
同じレースに参戦していると仮定すると、スタートから12周目でラップダウンされる計算になる。
F1、恐るべし・・・。
【F1 vs.スーパーフォーミュラ】レース距離比較
F1 | スーパーフォーミュラ | F1-SF |
---|---|---|
約305km | 最長250km | +55km |
F1のレース距離はモナコを除き305kmを超えた最初の周回数。
対するスーパーフォーミュラは、1ヒート制の場合は最短110km最長300km、2ヒート制の場合は1ヒート最短75km最長180kmで合計300km。
両カテゴリーともに規定の周回数に達しなくても、レーススタートから2時間以内で終了となる。
まだまだ違うF1とスーパーフォーミュラ。
次のページでは、ピットでのタイヤ交換人員・チームスタッフ数・チーム年間予算・レースあたりの観客動員数などを比較します!
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