人気記事:『ミニカーで振り返るF1マシン』シリーズ

年々重くなるF1マシン!F1最低重量増加の歴史(1950-2022)

フォーミュラマシンといえば、他のモータースポーツカテゴリーとは違い、軽量の車体で軽やかにコーナーを抜けていく姿が魅力のひとつだ。

しかしそのフォーミュラカーの頂点であるF1マシンは、マシンの重量増加が止まらない・・・。

現在のF1マシンの重量は何kgなのか?そしてF1黎明期から何kg増えているのか?

そこで今回は、F1に最低重量が制定された1961年から、マシンの最低重量増加の歴史を時系列で見ていくことにしよう。

※1995年からF1マシンの最低重量は、ドライバーやヘルメット、レーシングスーツなどを含んだ数値になっているが、今回の記事では1995年以降の最低マシン重量を、ドライバーやヘルメットなどの重量を80kgと仮定して算出している。

F1マシンにはじめて最低重量が制定されたのは1961年

マシンの最低重量が450kgだった1965年のホンダRA272(このマシンは最低重量を大きく上回っていた)
ホンダコレクションホールにて
最低重量1961年からの増加
1950-1960制限なし
1961-1965450kg
1966-1969500kg+50kg

1950年からはじまったF1グランプリは、当時最低重量が制定されていなかった。

最低重量500kg時代のホンダ第1期マシン
ホンダコレクションホールにて

そのF1にレギュレーションではじめて最低重量が決められたのは1961年。

現在に比べると前後ウイングも無いシンプルな葉巻型F1の最低重量は、現在のレギュレーションよりもかなり軽い450kgに制定された。

そして1966年には、エンジンの排気量が1.5Lから3.0L(NA)に倍増され、そのエンジンの重量増加に伴い、マシンの最低重量も50kg増えて500kgになった。

車重が年々増加する1970年代初頭

最低重量が575kgだった1976年のマクラーレンM23
富士ワンダーランドフェス2017より
最低重量1961年からの増加
1970-1971530kg+80kg
1972550kg+100kg
1973-1980575kg+125kg
1981-1982585kg+135kg

1970年代になると、F1マシンにウイングが装着され、年々最低重量が増加する。

まず1970年に530kgに30kg増加し、1972年にはさらに20kg増え550kgになり、翌1973年にはまた25kg増えて575kgにまでなり、1961年から比べると125kgも増加する。

4年間で75kgも増えたF1マシンの最低重量だったが、その後は安定し1980年まで8年間最低重量は575kgのまま推移した。

そして1981年、10kg増えて585kgになっている。

カーボン素材の登場で軽量化する1980年代

ターボエンジン搭載で最低重量540kgだったマクラーレンMP4/4
ホンダコレクションホールにて
最低重量1961年からの増加
1983-1987540kg+90kg
1988NA 500kg
過給器付540kg
NA +50kg
過給機付 +90kg
1989-1993500kg+50kg
1994505kg+55kg

F1マシンのモノコックの素材はそれまでアルミハニカムだったが、この頃から軽くて強度があるカーボケプラーに変わる。

そして多くのマシンがカーボン製モノコックになった1983年には、最低重量が585kgから540kgに45kgも軽量化される。

1988年には、ターボの優位性を下げ翌年からはじまるNAを普及させるために、NAエンジン搭載マシンのみ500kgに40kgも軽くなり、ターボが禁止された1989年にはすべてのマシンが500kgになる。

1994年に5kg増え505kgに。これは当時すべてのマシンにオンボードカメラを搭載していなく、オンボード搭載マシンへの不利を解消するためだ。

面倒ですがポチッとお願いします

自動車レースランキング

関連記事

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

146人の購読者に加わりましょう
よかったらSNSでシェアお願いします!



サーキットでの興奮をあなたに伝えたい
MOTORSPORT観戦記

サーキットは非日常を味わえる特別な空間です。そんな素晴らしいモータースポーツの世界を、ひとりでも多くの方に伝えたい・・・。そんな思いでMOTORSPORT観戦記と題し、記事に認めました。




コメントを残す

ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。