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【ラップリーダー】F1でトップを走った2人の日本人ドライバー

2023年F1最終戦のアブダビグランプリ。アルファタウリに所属する角田裕毅選手は19周目から5周に渡りトップを快走しました。

F1でラップリーダーになったのは19年ぶり2度目の快挙でした。

19年前のあのレースといえば、そう佐藤琢磨選手のあのレース。

と言うことで今回はそんな2人のドライバーがラップリーダーになったレースを振り返ってみます。

佐藤琢磨(2004年ヨーロッパグランプリ)

佐藤琢磨
2023年F1日本GPにて
DATA
  • 日程:2004年シーズン第7戦
  • 開催日:2004年5月30日
  • グランプリ名:ヨーロッパグランプリ
  • 開催場所:ニュルブルクリンク
  • トップ周回数:2周
  • トップ周回:10-11周目

日本人で初めてF1でトップを走ったのが佐藤琢磨選手でした。

ラップリーダーになったのは2004年第7戦のヨーロッパグランプリ。

この年、佐藤琢磨選手が所属するBARホンダのマシンの完成度は高く、シーズン序盤から上位を走行していました。

しかし2004年といえばフェラーリが18戦15勝を記録した年。BARホンダはコンストラクターズで2位に入ったものの、レースではフェラーリの厚い壁に阻まれた年でした。

そんな中、2004年第7戦のヨーロッパグランプリで佐藤琢磨選手が魅せてくれます。

琢磨選手は予選で自己最高位の2位に入り、決勝は伝説の王者ミハエル・シューマッハ選手のとなりフロントローから決勝に挑みます。

そしてレーススタート。第1コーナーはなんとか2位をキープするも、序盤でトゥルーリ選手に当てられコースアウトして4位に後退してしまいます。

トップのミハエル・シューマッハ選手は8周目にピットインすると、翌周には琢磨選手の前を行くフェルナンド・アロンソ選手も続きます。その直後にはキミ・ライコネン選手のエンジンがブローで脱落。

これで佐藤琢磨選手がトップ!

日本人として初のラップリーダーになります。

佐藤琢磨がトップを走った時のマシンBAR006
2019年ホンダコレクションホールにて

琢磨選手は12周目にルーベンス・バリチェロ選手に抜かれるまでの2周(10-11周目)に渡りトップを走行しました。

結局このレース琢磨選手は47周目にエンジントラブルでリタイヤすることになるのですが、日本人がF1で十分に通用することを証明したのでした。

ちなみにこのレース佐藤琢磨選手がトップを走行したのは暫定はありません。完全に実力なのです。

と言うのも2004年シーズンはレギュレーションで決勝中の給油が認められており、決勝での第1スティント分の燃料を入れて予選アタックしているため、佐藤琢磨選手は上位勢では一番燃料を積んでいた(シューマッハ選手よりも4周分も!)にも関わらず予選2位を獲得。

もしトップのシューマッハ選手と同じ燃料搭載量で予選をアタックしていればポールポジションを獲得していた可能性は非常に高く、そうなれば決勝ではオープニングからトップ快走も十分に考えられたし、多く燃料を積んでいたからこそピットストップを遅らせることができて、トップ走行できたのです。

個人的には十分に可能性のあったポールポジションを見てみたかったなあと今でも思います。

角田裕毅(2023年アブダビグランプリ)

角田裕毅
2023年F1日本GPにて
DATA
  • 日程:2023年シーズン第23戦
  • 開催日:2023年11月26日
  • グランプリ名:アブダビグランプリ
  • 開催場所:ヤスマリーナサーキット
  • トップ周回数:5周
  • トップ周回:19-23周目

F1でトップを走った2人目のドライバーが角田裕毅選手です。

ラップリーダーになったのは2023年の最終戦アブダビグランプリでした。

角田選手が所属するアルファタウリの2023年マシンAT04の完成度は低く、コンストラクターズ最下位でシーズンを折り返します。

しかし夏休み以降はアップデートパーツを次々に投入。アブダビでも最終戦にも関わらずフロアを大幅に改良します。

その効果もあり、予選ではキャリアハイとなる6位に入ります。まあチームメイトのダニエル・リカルド選手がQ2で脱落(15位)しているので、角田選手の頑張りも大きかったと思いますが。

角田裕毅がトップを走行した時のマシンアルファタウリAT04
2023年F1日本GPにて

そして迎えた決勝。角田選手はフェルナンド・アロンソ選手との攻防を制しオープニングラップで6位を守ります。

その後上位勢が次々に最初のピットストップを敢行。17周目にトップのマックス・フェルスタッペン選手がピットインをすると、翌周には代わってトップに立ったシャルル・ルクレール選手も続きます。

しかし角田選手はステイアウト。

コンストラクターズ選手権でウィリアムズを追うアルファタウリは、6位を死守しなけらば逆転できず、2ストップの上位勢とは違う1ストップ戦略で賭けに出たのです。

これで角田裕毅選手がトップに!

角田選手は19周目から23周目まで5周に渡りラップリーダーとしてレースを先導しました。

日本人のトップ走行は先に紹介した佐藤琢磨選手以来19年ぶり2度目で、リーダーラップは5周とその時を上回る快挙です。

作戦が違うから?いやいや、予選で頑張ったからこの場所を走れるのです。

テレビで視聴していた私も感動のあまり込み上げてくるものがありました。

その後角田選手は1ストップ作戦を敢行しましたが、賭けは失敗し目標を下回る8位でレースを終えました。

ただ不利な作戦でも最後まで冷静にレースを進め一時はトップを走行した角田選手の走りをファンは絶賛し、日本人で初めてドライバーオブザデイを獲得したのでした。

まとめ

角田裕毅がトップを走行した時のマシンアルファタウリAT04
2023年F1日本GPにて

今回は日本人でラップリーダーを記録した2つのレースを振り返ってみましたが、データをまとめると以下の通りです。

ドライバー佐藤琢磨角田裕毅
シーズン2004年2023年
Rd.第7戦第23戦
GPヨーロッパアブダビ
サーキットニュルブルクリンクヤスマリーナ
トップ周回数2周5周
トップ周回10-11周目19-23周目

佐藤琢磨選手と角田裕毅選手の2人には夢を見させてもらいました。

現役の角田選手は年々速さとともに強さも身についてきたと感じます。将来はレッドブルのシートを獲得してもらい、何度もトップを走行し、君が代が聴きたいものですね。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。