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2020年スーパーGT第5戦【観戦記】vol.3

2020年スーパーGT第5戦の現地観戦記、今回は最終回で決勝日の模様を書いていきます。

初日の観戦記は、下記リンクからどうぞ。

文中のすべての写真は、クリックすると大きくなります。

室屋義秀スペシャルフライト

11時過ぎから開催される室屋義秀選手のスペシャルフライトの時間に合わせて、決勝日は10時過ぎに富士スピードウェイに到着。

1万人の入場制限がかかる今回のイベントだが、それでも決勝日ということで昨日に比べるとイベント会場の観客は多く、盛り上がりを見せている。

さあ、昨日見そびれた室屋義秀選手のスペシャルフライトをグランドスタンド2階席の特等席から堪能することにしよう。

どこからともなく現れる室屋義秀選手。

そして、ホームストレートのすぐ上を、超低空で飛行し、その高度は後ろに見えるコントロールタワーの高さよりも低い!

飛行機が自分の目線よりも下を飛ぶなんて、なかなか見れるものではない!

決勝を控えて準備に余念がない各チームのスタッフも、この時ばかりはカメラを構えて上空を見上げている。

飛行機はホームストレートの右を向いているのにも関わらず、実際にはホームストレートに並行して飛行し、まさにカニ走り!?

スタートシグナルブリッジに主翼が引っ掛かるのでは、と心配になる。

一気に急上昇!

モータースポーツでは最高峰のF1で体重の5倍の5Gと言われているが、エアレースでは10Gが3Dで身体にのし掛かるらしい・・・。

最後は室屋選手が手を振ってお別れ。

例年はピットガレージ2階からの観覧で視界が悪いのだが、今回は特等席のグランドスタンド2階席から最高のロケーションで観覧できて、素晴らしい体験ができた。

いやー、それにしても凄い(語彙力)!

これを見れただけでもスーパーGTに来た甲斐があった。

スーパーGTスタート前セレモニー

室屋義秀スペシャルフライトが終わると、スーパーGTスタート前セレモニー。

まずは今回が今シーズンはじめて観客を入れての開催ということで、GTA坂東代表からファンに向けてのスピーチが行われた。

世界のモータースポーツカテゴリーを見回しても、代表自らファンの前で話しをするイベントはなかなかない。

ファンを大切にするスーパーGTらしい、そして喋りはお世辞にも上手ではないのだが人間味のある坂東代表らしい心に響くスピーチだった。

そして坂東代表が語る中、各チームのスタッフがガレージ前に整列している姿も、日本らしいおもてなしの心が感じられた。

コロナ禍で混沌とした世界情勢であるが、日本発祥のモータースポーツカテゴリーであるスーパーGTが、このファンとの一体感で、さらに発展を遂げてもらいたいと思った一場面だった。

スーパーGTウォームアップ走行

そして、決勝を控えて最後の調整をする20分のウォームアップ走行を行うために、マシンがガレージを出発する。

私も最後の調整のばかりに、1/30の超スローシャッターで撮影の練習。

そう、決勝日はスローシャッター祭りとしよう。

さらにシャッタースピードを落として1/20!

滅多にグランドスタンドでは撮影しない私だが、超スローシャッターにすることでピットウォールやグリッドの白線が大いに流れて、ここでもなかなかいい絵が撮れる。

スーパーGTスタート直前のダミーグリッド

ウォームアップ走行が終わりスタートが近づくと、レースクイーンのキレイなお姉さんがグリッドボードを持って登場。

今回のイベントではキャンギャルオンステージやピットウォークがないため、キレイなお姉さんにお目にかかる機会はこの時だけだった。

インストレーションチェックを終えたマシンが、続々とグリッドに。

時速はわずか30km/h程度だが、シャッタースピードを1/20に落とすと、なかなかスピード感あふれる写真に変わる。

そして最後にGT300クラスポールポジションのインギングと、

GT500クラスポールポジションのARTAが登場。

このスーパーGTならではの演出は素晴らしい。

全マシンがダミーグリッドに登場した。

いつもならここでグリッドウォークだが、コロナ禍でグリッドに入場できるのは限られたスタッフのみ。

国歌が演奏され、いよいよレースがはじまる!

スーパーGT第5戦決勝レーススタート!

まず序盤はグランドスタンド2階席で、レース展開を見守ることにした。

ポールポジションのARTAを先頭に、フォーメーションラップがスタート。

そしてグランドスタンドに帰ってきたマシン。

ホイールスピンさせてタイヤとブレーキを入念に熱を入れるインパル。

しかしこの後、気合が入りすぎて1コーナーでオーバーランして、順位を落とすことになる・・・。

ライトがグリーンに変わり、一斉に轟音が鳴り響くサーキット。

この瞬間がたまらなく興奮する!

GT300クラスもその後につづく。

2コーナー先で、GT500クラスのNDDPレーシングがボンネットを飛ばしセーフティーカーが入るのだが、数周後にレースが再開されると、富士スピードウェイならではのホームストレートでの先陣争いが繰り広げれれる。

日産の同門対決!

混戦のGT300クラスでは、FIA-GT3マシンがスリーワイドで並走する!

1・2コーナーへ

序盤の先陣争いをグランドスタンドで楽しんだ私は、今回のイベントではまだ訪れていないお気に入りの撮影ポイントのひとつ、1・2コーナーに移動する。

そしてまずは丘の上から、2コーナーを立ち上がるマシンをシャッタースピード1/20で流し撮り。

シャッタースピードをさらに下げて1/10。

そして最後は、滅多に使わない1/5の超スローシャッター!

背景がおもいっきり流れていてスピード感が半端なく、これぞスローシャッターの醍醐味だ!

ここからレンズは、モータースポーツ撮影では滅多に使わない、EF85mm F1.4L IS USMを装着する。

最後は1コーナー内側から、金網にへばり付いて流し撮り。

ここではコーナー内側から撮影できる、富士スピードウェイでは珍しいポイントで、コサイン収差が生じにくく、超スローシャッターでもマシンの広域にピントが合う。

1・2コーナーで心ゆくまでスローシャッターを堪能したので、ゴールシーンを観にグランドスタンドへ戻ことにしよう。

スーパーGTゴールシーンそして表彰台

例年富士でのレースはスーパーGTシリーズ戦では長い、500kmや800kmのレースなのだが、今回は300kmということで、ゴールシーンを観るために大急ぎでグランドスタンドに駆け上がる。

1・2コーナーでは順位ボードもなく場内放送もしっかり聞こえず、レース展開が把握しづらいため、グランドスタンドに到着し、まずは順位ボードを見て順位を確認する。

すると、序盤に上位を走っていたポールポジションスタートのARTAが3位に下がり、今回は調子が良いと目されていたインパルも下位を走行していることを初めて知る。

そしてサードがトップであったことも、この時知った。

各コーナーでの撮影でもレース展開を確認するために、場内放送を聞くためのラジオとイヤホンが必要だと再認識する。

サードがそのまま逃げ切って、今シーズンの初勝利!

表彰台の下にマシンを駐めるGT500クラス優勝のサードと、GT300クラス優勝のKONDOレーシング。

マシンの前では4名のドライバーがインタビューや写真撮影に応えている。

GT300クラスの表彰式。

そして大トリはGT500クラスの表彰台に上がる、1位サード、2位ルーキーレーシング、3位ARTAの各面々。

順位No.チームマシンドライバーWHギャップ
139サードスープラH.コバライネン
中山雄一
38kg1:47’01.279
214ルーキースープラ大嶋和也
坪井翔
64kg0’10.216
38ARTANSX野尻智紀
福住仁嶺
8kg0’11.162
437トムススープラ平川亮
N.キャシディ
76kg0’12.355
5100クニミツNSX山本尚貴
牧野任祐
64kg0’20.069
616無限NSX武藤英紀
笹原右京
24kg0’40.174
719バンドウスープラ国本雄資
宮田莉朋
6kg0’40.442
812インパルGT-R佐々木大樹
平峰一貴
0kg0’43.717
938セルモスープラ立川祐路
石浦宏明
56kg0’57.894
1017リアルNSX塚越広大
B.バゲット
86kg0’58.794
1123ニスモGT-R松田次生
R.クインタレッリ
50kg1Lap
1236トムススープラ関口雄飛
S.フェネストラズ
82kg2Laps
1364ナカジマNSX伊沢拓也
大津弘樹
20kg2Laps
1424KONDOGT-R高星明誠
J.マーデンボロー
2kg5Laps
3NDDPGT-R平手晃平
千代勝正
32kgリタイア

最後に

2019年はスーパーGTやF1をはじめとしたモータースポーツイベントに8回も訪れ、最後は11月のスーパーGT×DTM特別交流戦で締めくくった時、まさか10月までサーキットに足を運ばなくなるとは夢にも思っていなかった。

しかし10ヶ月以上ぶりに富士スピードウェイを訪れ、マシンの爆音や迫力あるバトルを、1万人という少ない人数ではあるがモータースポーツファンとともに体感し、あらためてテレビではわからないモータースポーツの素晴らしさを再認識することができた。

日本をはじめ世界では、まだまだ新型コロナウイルスが猛威を振るっているが、1日でも早く沈静化して、多くのファンとともに大声を出してモータースポーツを楽しめる世の中に戻ってもらいたいと切に願うのであった。

以上、3回にわたり2020年スーパーGT観戦記を書いてみました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。