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【観戦記】2024年WEC富士⑤ 2015年以来!ポルシェが富士を制す!

少し間が空いてしまいましたが、今回は2024年WEC富士観戦記の最終回。地元トヨタの追い上げ虚しく、ライバルのポルシェ6号車が優勝したレースを振り返ります。

最初からご覧になりたい方は下記のバナーからどうぞ。

SC明けイコールコンディションの1時間30分スプリントレース

ダンロップコーナーでレース中盤まで観戦撮影をした私ですが、最後はやっぱりチェッカーフラッグが振られるのを目の前で観たいと思い、一番標高の低いダンロップコーナーから最高標高のグランドスタンドまで足を進めます。

時刻は15時ちょっと前、スタートから4時間経った時点での順位を道中の電光掲示板で確認するとご覧の通り。

  • 1位:#2 キャデラック
  • 2位:#7 トヨタ
  • 3位:#6 ポルシェ
  • 4位:#36 アルピーヌ
  • 5位:#63 ランボルギーニ
  • 6位:#5 ポルシェ
  • 7位:#15 BMW
  • 8位:#93 プジョー
  • 9位:#8 トヨタ
  • 10位:#50 フェラーリ

今シーズンのWECはポルシェ、フェラーリ、トヨタが3強で、この3メーカーのみが勝利を手にしています。

しかし今回の富士はBoPの関係もあり混戦で、ピットストップのタイミングで順位が目まぐるしく変わり、優勝はまだわかりません。

そしてグランドスタンドに到着すると、どうやらセーフティカーが導入されていました。理由はランボルギーニのハイパーカーが最終コーナー手前でマシンを止めてしまったため。

残り1時間30分余り。セーフティカー中にトップ6号車をはじめ、ハイパーカーの上位走行マシンがほぼすべてピットに入り、タイヤ交換と満タン給油のフルサービスを行います。

その後、両カテゴリーが分けられ、ハイパーカーのトップ10の順位は以下に。

  • 1位:#6 ポルシェ
  • 2位:#15 BMW
  • 3位:#8 トヨタ
  • 4位:#35 アルピーヌ
  • 5位:#50 フェラーリ
  • 6位:#12 ポルシェ(ハーツチームジョタ)
  • 7位:#38 ポルシェ(ハーツチームジョタ)
  • 8位:#7 トヨタ
  • 9位:#5 ポルシェ
  • 10位:#2 キャデラック

前述した通りすべてのマシンがフルサービスを行ったため、これが本来の順位。

レースは残り1時間30分。セーフティカーが明けてレーススタート。

さあ、ポルシェ6号車が逃げ切るのか? それとも地元富士スピードウェイで10戦9勝を誇るトヨタが逆転をするのか? 残り1時間30分のスプリントレースが始まりました!

トヨタ7号車がポルシェと接触で戦線離脱!

セーフティカー導入で割を喰ったトヨタ7号車でしたが、再開後はジョタの38号車をオーバーテイクして7位に浮上します。

そして同じくジョタを抜いてトヨタ7号車に忍び寄るポルシェ5号車。

バトルはかなりエキサイトし、Aコーナー(コカコーラコーナー)で両マシンが接触してしまいます。

その後トヨタ、ポルシェともにピットに戻ってくるも、そのままガレージインして戦線離脱となってしまいました。

平川亮がSF時代を彷彿とさせる終盤の追い上げでトヨタ8号車が表彰台圏内に!

残り1時間を切り上位勢で最初にピットインをしたのがトヨタ8号車。

ペースがない今年のトヨタにとって王道でのレースでは勝機がないとみたのか、フレッシュタイヤを最初に履き、スティント序盤でガンガンペースアップをしようという作戦なのでしょう。

ペースを上げてトップを目指すトヨタ8号車。

ドライブするのは富士をよく知る平川亮選手。

前を行くジョタ38号車をオーバーテイク!

この後ジョタの12号車も追い抜き、4位に浮上し、3位アルピーヌ35号車がドライブスルーペナルティを受けたため3位に。

スーパーフォーミュラ時代はレース終盤の追い上げが印象的だった平川亮選手。今回もその時代を彷彿とさせる限界ギリギリのドライビングでトップを狙います。

さあ、こちら現地は盛り上がってきました!

表彰台に目をやると表彰式の準備が始まっています。さあ、トヨタ8号車はここに上がれるのか?

トヨタ8号車が痛恨のペナルティでトップ争いから離脱!

その後も毎周回予選アタックのようなドライビングを続ける平川亮選手。トップポルシェ6号車との差は少しずつ、でも確実に縮まります。

しかし・・・残り15分でドライブスルーペナルティが!

グランドスタンドからは、「あーーーっ!」という悲鳴が・・・。

理由はブルーフラッグ無視。最後のピットストップ後のアウトラップでトップポルシェ6号車が後方から迫り、ブルーフラッグが出ている時に譲らず軽い接触があったから。

FIA! 今から面白くなってくる時にペナルティなんてさあ、空気読めよ! ここ富士だぞ! バカ!

・・・すみません、取り乱しました・・・。

ということで平川選手が駆るトヨタ8号車は無情のピットレーン通過。優勝争いから離脱してしまいました。

ポルシェが2024年WEC富士優勝!

ポルシェ6号車は残り10分をしっかりとまとめ上げてチェッカー。今シーズン2勝目を上げ、最終戦を前にしてチャンピオン争いを盤石なものとしました。

第2位はBMW。今シーズンからWECに参戦するBMWですが、初の表彰台獲得です。

BMWはよほど嬉しかったのか、ウィニングランを終えてグランドスタンドに戻ってくると、ドアを開けてファンに手を振っていたのが印象的でした。

第3位はアルピーヌ36号車。こちらも初の表彰台になります。

第4位にプジョー93号車と続き、ハーツチームジョタの12号車と38号車が第5位と第6位に入りました。

そして第7位のアルピーヌ35号車と第8位のプジョー94号車の差がこれだけ。

6時間の耐久レースなのに・・・。

第9位にフェラーリ50号車が入り、第10位にトヨタ8号車。残り十数分でのペナルティが実に悔やまれる結果でしたが、平川選手の終盤の走りはホントに凄かった。

LMGT3クラスではチームWRT46号車のBMWが3位でチェッカーを受け、バレンティーノ・ロッシ選手が表彰台フィニッシュ。

今回はバイクファンも多く富士に詰めかけていたのが印象的でした。

箱乗りをしながらピットロードを逆走するポルシェ6号車。ル・マン24時間を観ているような光景です。

表彰式でバレンティーノ・ロッシもシャンパンファイト!

トヨタのドライバーがいないWEC富士の表彰式はちょっと寂しいですが、強いポルシェを大いに讃えましょう!

日本で長くレースをした青い目をしたサムライの異名を持つアンドレ・ロッテラー選手も嬉しそう。

こちらはLMGT3クラスの表彰式。左から2人目がバレンティーノ・ロッシ選手です。日の丸のはちまきが嬉しい!

最後に

過去10戦で9勝と富士にめっぽう強いトヨタですが、今シーズンは古い設計のマシン(GR010 HYBRIDの登場は2021年)と厳しいBoP(パワーは一番絞られ重量は一番重い)により厳しいシーズンを送っており、WEC富士でも残念な結果に終わってしました。

しかし終盤の平川亮選手の追い上げは凄かった。レースにたらればはありませんが、もしあのペナルティがなかったらどのようなトップ争いになっていたのかと想像してしまいます。

そんなトヨタの地元で優勝したのがポルシェ。思えば昨年までで唯一トヨタに土をつけたのも2015年のポルシェでした。

まあ今回は当時と違いペンスキーが運営していますが、そこは耐久王。ポルシェから多くの富士スピードウェイのデータが提供されているのかもしれません。

それにしても今年のWECは華やかでイイですね。

私は2012年から毎回WEC富士を現地観戦していますが、2018年、ポルシェが撤退してからのWECは寂しかった。

そんな中、ハイパーカー規定が導入されて以来参戦メーカー(ブランド)が増え続け、今シーズンはBMWとアルピーヌそしてランボルギーニが加入して8メーカー(ブランド)に。

多くのメーカー(ブランド)が参戦することでシリーズも活気を取り戻し、今回のWEC富士観客動員数65,800人(前年比120%)。ファンがホントに多かった。

大好きなWECが盛り上がるのは嬉しい限り。ぜひこの状況が盛り上がり、F1をも凌ぐ選手権になってもらいたいと切に願います。

ということで今回は以上。最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。