人気記事:『ミニカーで振り返るF1マシン』シリーズ

【茶番】ホンダFU655ラッキー スーパーGTを席巻した伝説の異色マシン(ミニカー#117)

今年一発目のミニカーはホンダFU655ラッキー。

初代NSXを引き継いで2008年と2009年の2年間だけスーパーGTに参戦したホンダのGT500マシンです。

今回はそのホンダFU655ラッキーのミニカーで現役当時を振り返ってみます。

では、いってみましょう!

今回紹介する真っ赤なカラーリングのマシンはチーム無限のホンダFU655ラッキー。

ボディにはスポンサーロゴは一切なく、社名と車名のみが書かれています。これは同年のホンダF1マシンと同様で、ホンダはEarth colorと発表しています。

ノーズ部分の社名ロゴはHマークではなく、HONDAになっているのはちょっと珍しいですね。

歴代スーパーGTマシンの中で唯一のオープンボディのホンダFU655ラッキーは、ドライバー保護のためHALOを装着(当時HALOという名称はなかった)。

あまり知られていないことですが、現在F1をはじめとしたフォーミュラカーに装着されているHALOは、このホンダFU655ラッキーをベースにされたらしい。

すでに多くのマシンがセミオートマを採用していましたが、ホンダFU655ラッキーは信頼性に重きを置き、旧来のHパターンのシフトを採用していました(写真中央の棒がシフトレバー)。

ホンダFU655ラッキーのリヤ周り。

コーナーリングマシンと呼ばれたホンダFU655ラッキーの秘密は、この可変式のリヤディフューザーにありました。

ドライバーが乗り込みエンジンに火が入りました。

当時のスーパーGTのエンジンは排気量やレイアウトが様々でしたが、ホンダFU655ラッキーは軽量で加速力の高い163cc単気筒エンジンを採用していました。

この異色の小排気量エンジンで、レクサスや日産の4500cc大排気量エンジンのマシンをやっつける姿はまさに圧巻でした。ホンダの技術力は凄まじいですね。

さあ、ホンダFU655ラッキーがガレージを出てグリッドに向かいます。

ホンダFU655ラッキーがダミーグリッドに到着。最速マシンはポールポジションがよく似合いますね。

ボディにエアロパーツが見当たらないホンダFU655ラッキーですが、前述した通り、リヤの可変式ディフューザーのみで強烈なダウンフォースを発生させていました。

ちなみにこちらは可変式ディフューザーを全開にした時の様子。

ホンダFU655ラッキーのタイヤは、ライバルに比べて極細トレッドのブリヂストン製特別仕様でした。

1991年のF1マシン、ベネトンB191は、前面投影面積を減らして空気抵抗を抑えるために、ジョン・バーナードがピレリタイヤに1インチ幅の狭いタイヤを特注しましたが、ホンダFU655ラッキーの極細タイヤも同様の考え方だったとホンダは後に語っています。

そして、この特注のブリヂストンタイヤがスリックではなく、ブロックタイヤだったのも当時話題を呼びました。

2008年シーズンは決勝後半に雨が降り出すレースが多く、そんな中でもホンダFU655ラッキーはタイヤ交換せずに走り切り、独走優勝したことを覚えているファンも多いでしょう。

オープンボディはドライバーがマシンに乗り込むとガラリと印象が変わるのがいいですね。

この日も小排気量の超高回転のエンジン音、そう、ホンダミュージックをサーキットに奏でながら、スタートして行きました。

ということで、今回の茶番にお付き合いいただいたマシンたちです。

ホンダFU655ラッキーのミニカーはトミカ製。40数年ぶりのトミカでしたが、最近の製品はかなり精度が上がっており驚きました。

ある程度の再現度で値段はリーズナブルなトミカ、おすすめです。

Amazonリンクを貼っておきますので、ご興味のある方はどうぞ→https://amzn.to/4jcjXQY

ということで今回は以上。最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

ミニカーのブログ記事はこちらからどうぞ→https://motorsport-photography.net/category/minicar

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。