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超マイナーF1マシン!HRT F110とローラT93/30のミニカーがやってきた!

デアゴスティーニのF1マシンコレクション。

2017年1月に発売を開始したこのシリーズは、1/43サイズのさまざまな過去のF1マシンのミニカーと小冊子がついてくる。

いや、本として売られているので、厳密には冊子のおまけとしてミニカーがついているのだが、明らかにミニカーがメイン。

F1ファンでミニカーも大好きな私は第1号から定期購読しているが、今回送られてきた2台、第132号と第133号のマシンはすごかった。

そのマシンとは1993年の(スクーデリアイタリア)ローラT93/30と、2010年のHRT F110。

F1ミニカーの世界では、チャンピオンマシンや伝統あるチームのマシンは、ライトなF1ファンからガッツリのF1ファンまで多くの方に人気があり、当然量産され市場に多く出回る。

しかし私のようにF1とミニカーのドツボにハマった廃人は、そんなメジャーなマシンではなく、超駄作の激レアF1ミニカーが欲しいのだ。

今回のマシンはまさにどストライク!

今までにモデル化されたことがないんじゃないか?と思われるほどの激レアミニカーだぜ。

ではそんな弱小マシンを見ていこう。

ローラT93/30

ローラT93/30は、スクーデリアイタリアがレーシングマシンコンストラクターのローラに委託して製造されたマシン。

F1ブーム時代の1990年前後はダラーラに委託したマシンを使用し、中堅チームとして活躍していたスクーデリアイタリアだが、この年からローラに委託先を変更した。

しかし、そのローラが造ったマシンは完全な失敗作。

ドライバーは、かつてのフェラーリのエースドライバーであるミケーレ・アルボレートと前年の国際F3000最年少チャンピオンのルカ・バドエルだったが、彼らをもってしても入賞はおろか完走すらままならない状態で、合計7度の予選落ちを喫した。

結局第15戦の日本グランプリを前にチームは10年間参戦したF1を撤退し、翌年から同じイタリアのミナルディと合併するも、1995年終了後に両社の関係は解消し、ダラーラはF1から完全に去っていった。

このスクーデリアイタリアのローラT93/30最大のポイントはカラーリング。

それまでスクーデリアイタリアのマシンは、イタリアンレッドにマールボロの白いラインが特徴だったが、この年はタバコブランドのチェスターフィールドカラーに変更した。

このカラーリング、みなさんはどう思われるだろうか・・・。

通常タバコブランドのカラーはほぼ間違いなくカッコいいと思わせるものだが、このチェスターフィールドの稲妻のような塗り分けは酷すぎると思えてならない。

まあ、この強烈なカラーリングのために、ローラT93/30は強烈に私の記憶に残っている。

いやー、今見ても酷いなあ・・・。

そしてローラが設計したマシンの形状も、相当に旧態然としている。

ハイノーズが主流になりつつあるこの時代、このローラT93/30もマシン下部に空気を取り入れるためにノーズが持ち上がったデザインを採用しているが、ノーズに厚みがありすぎて、かなりもっさりとしている。

同年代のマシンと比べるとご覧のとおり・・・もさい・・・。

この年大流行したハイテク装備だが、まず複雑なアクティブサスペンションだが・・・へっ!?搭載されてる!

トップチームと比べると、かなり簡易的なものらしいが、それでも一応搭載しているようだ。

セミオートマは・・・おっ!これも搭載しているようだ。

おそらくエンジンの供給先であるフェラーリから一緒にもらっている(私の推測)のだろう。

テールエンダーのローラT93/30でもハイテク装備が搭載されていたとは、正直知らなかった・・・。

グッチやブルガリなどのハイブランドを産んだ、イタリアのチームと思えぬような酷いカラーリングのマシンを見ながら人知れずほくそ笑むのが、ミニカー鑑賞の醍醐味だと勘違いする私であった・・・。

HRT F110

お次はHRT F110。

HRTってどこのF1チームだっけ?と思うF1ファンもいるだろう。

このチーム、正式名称をHRT F1チームといい、2010年に当時のF1のドンであるバーニー・エクレストン主導で新規エントリーしたF1チームのひとつだ。

おそらく通称名のヒスパニアレーシングの方が馴染み深い方も多いだろう。

新規3チームのロータスレーシング(後のケータハム)、ヴァージンレーシング(後のマルシャ)とともに参戦したHRTだが、その中でももっともマシン性能が劣っていたのがHRTで、深刻な資金難で何度も参戦が危ぶまれていた。

結局2012年まで58グランプリに参戦したが、ポイントはおろか、最高位は2010年モナコグランプリと同年の韓国グランプリの14位と、燦々たる成績であった。

さて、そのHRT F110のミニカーをじっくり見ていこう。

先ほどのローラT93/30と対照的で、濃いグレーのカラーリングがなんとも地味で、アスファルトと同化している・・・。

そしてサイドポッドの通常タイトルスポンサーのロゴが入る位置に『BRUNO』の文字。

そう、この年はタイトルスポンサーが無く、ドライバーのブルーノ・セナのファーストネームをデカデカと入れており、貧乏チームらしい悲しい演出だ。

2010年はFダクトが大流行したため、この年のF1マシンの特徴は大きなシャークフィンだった。

これはノーズやインダクションポッド付近のダクトを開閉し、シャークフィン上端からリヤウイングへ向かう空気の流れをコントロールして、ストレートでのドラッグを減少させるシステム。

しかしHRTにはFダクトが搭載されておらず、当然シャークフィンは無い・・・。

HRT F110の最大の特徴はフロントウイング。

同年のメルセデスMGP W01と比べるとご覧のとおりで、大きな2段式のフロントウイングが唯一目を引いた。

その他、サイドポッドのエントリーダクトの開口部形状も独特だった。

しかし成績を見ても、これらに大きな効果があったとは思えない。

いやー、それにしても地味なマシンだ、と、トップチームのミニカーよりも時間をかけてじっくりとマシンを堪能する私。

やっぱりF1ミニカーは、テレビでは稀にしか映らない弱小チームのマシンが最高なのだ!

最後に

ということで、今回は超マイナーF1マシンのローラT93/30と、HRT F110のミニカーを紹介してみた。

やっぱりF1ミニカーは、洗練されたトップチームのマシンではなく、ツッコミどころ満載のマイナーマシンが面白い。

そして超マイナーF1マシンといえば、F1ブーム世代にとってこのマシンを忘れてはならない。

その名はスバルコローニC3B。

スバルお得意の水平対向12気筒エンジンを搭載した、あの伝説のマシンだ。

マイナーF1ミニカーがお好きな方ならばきっと楽しめるはずなので、ぜひ下記リンクからあのマシンのミニカーをとくとご覧あれ!

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。