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富士モータースポーツミュージアムに行ってきた!③ ル・マンを戦ったマシン編

富士モータースポーツミュージアムに訪れたのは2023年6月。100周年のル・マン24時間が開催された直後でした。

そのためミュージアムでは『ル・マン24h 100周年記念企画 -サルトに魅了された人々の熱い想い-』と題された記念展示を開催中。

そこで今回はル・マンに参戦したマシンを中心に観ていきましょう。

ちなみに第1弾はモータースポーツ黎明期のマシン、第2弾はモータースポーツ最盛期のマシンを紹介していますので、興味のある方は下記のリンクからご覧ください。

日本メーカーで初めてル・マンを制覇したマツダ787B

トヨタがル・マン24時間で5連覇を達成しても、日本に於いてル・マン24時間といえば日本メーカーとして初の総合優勝を決めたマツダ787Bです。

トヨタ資本の富士モータースポーツミュージアムですが、今回のル・マン24時間企画のメインにマツダ787Bを持ってくるあたり、かなり好感が持てますね。

このマシンの特徴といえばロータリーエンジン。私も以前スズカサウンドオブエンジンでこの3ローターの甲高いエンジン音を聴いて、一発でファンになってしまいました。

そんなことを思い出しながら、マシン後方に展示されたエンジンを観ようとマシンサイドを通ると・・・

「グワーンッ!グワーンッ!」・・・ビックリした(汗)!!

人感センサーでここを通り過ぎるとマシンからエンジン音が聴こえてきます。なかなか凝った仕掛けですね。

こちらがその音を奏でたロータリーエンジン。数百馬力を絞り出すエンジンなのにむちゃくちゃ小さくない??

日本人トリオで総合2位を獲得したトヨタGT-One TS020

そんなマツダ787Bとともに今回の企画のメインとして展示されていたのがトヨタGT-One TS020。

GT-One TS020は1998年のル・マン24時間に初参戦しましたが、速さを見せながらもミッショントラブルが頻発して優勝争いから離脱。再起をかけて1999年のル・マンに再挑戦したのがこのマシンになります。

この個体はカーナンバー3。ということは終盤に優勝争いをして総合2位になった片山右京選手、土屋圭市選手、鈴木利男選手がステアリングを握った個体ですね。

こちらのマシンはリヤエンドが開いていて、搭載したエンジンを間近で拝見することができました。

時代はトヨタがF1に参戦した直前ということで、このTS020にF1用エンジンを搭載してテストも行なっていますが、この個体は当時の3.6L V型8気筒ツインターボエンジンが搭載されていました。

マツダ787B同様に細くスマートなTS020のヘッドライトも点灯されて展示されており、当時の記憶を思い起こさせてくれます。

ル・マンの借りを富士ル・マンで返した日産R391

こちらはトヨタGT-One TS020と同年のル・マン24時間に参戦した日産R391。日産からの借用車両です。

前年のR390での総合3位を上回るべく2台がエントリーしましたが、予選で1台がクラッシュして決勝を走れず。残されたもう1台の日産R391も決勝ではリタイヤを喫しました。

そんな惨敗に終わったル・マン24時間でしたが、その後に行われたル・マン富士1000kmではTS020を下して優勝。見事に屈辱を晴らしました。

ただ個人的にはR390のクローズドボディからR391でオープンカーに変貌し、一気に見た目がダサくしてしまったことに落胆した記憶があります。

あらためて今回マシンを観てみると・・・やっぱりカッコ悪いです・・・。

やっぱりプロトタイプマシンはクローズドボディじゃないと、ね!?

ル・マン総合2位を獲得したトヨタTS010

こちらは1992年のル・マン24時間で2位を獲得したトヨタTS010です。

TS010はポルシェ956や962を色濃く残すまさにプロトタイプマシンの王道的スタイルで、個人的に大好物。

これ以降のプロトタイプはヘッドライトが出っ張っていたり、フロントフェンダー内側ががっつり低くなり、大きな穴ボコが開いていたりしていますが、やっぱりこの形がプロトタイプカーの原点だと個人的には思います。

挑戦20回目にしてトヨタ悲願のル・マン初優勝マシン トヨタTS050 HYBRID

こちらは2018年のル・マン24時間でトヨタとして初の総合優勝を記録したトヨタTS050 HYBRIDです。

2018年のWEC富士で穴の開くほど撮影し、その後も東京オートサロンやスーパーGTなどで何度も見たマシンなのですが、ミュージアムならではの素晴らしい照明下で拝見するとオーラが出ています。

ただ各種イベントで展示されているマシンは、ル・マン優勝直後に24時間を戦って付着した汚れとともにクリア塗装した優勝マシンそのもの。こちらの個体はキレイに磨かれたボディなので、優勝マシンではなさそうです。

近年のル・マン最上位クラスのマシンの多くはハイブリッドが搭載されており、TS050 HYBRIDもその名の通り複雑なハイブリッドシステムでマシンを駆動します。そんな機構を装備品とともに詳しく解説しているのもトヨタ系列の富士モータースポーツミュージアムならではです。

・・・でもね、この場所には少し前までトヨタ最後のF1マシン、トヨタTF109が展示されていたのです。これを観るのも今回の楽しみのひとつだっただけに・・・残念です。

最後に

レーシングマシンに特化した最新の自動車博物館『富士モータースポーツミュージアム』はトヨタのマシンだけではなく、世界の多くの自動車メーカーのレーシングマシンが展示されていました。

またハイアットが手がけたホテルに内にあるため、内装は高級感があってとても落ち着いた素晴らしい環境。そんな中で最新の照明で照らされたマシンは一層凄みを感じました。

3階は富士スピードウェイホテルのチェックインカウンターがあり、その正面にはモータースポーツにまつわる商品が販売されているコーナーがあります。

その売店の脇から外に出てみると最終コーナーから富士スピードウェイが一望・・・さすがトヨタです。

西の鈴鹿と東の富士。モータースポーツが文化として根付いている鈴鹿サーキットの周辺に比べると遅れをとっていた富士スピードウェイですが、こんな素晴らしい施設ができました。

さらにはルーキーレーシングをはじめとした富士モータースポーツフォレスト計画も着々と進行中。今後の富士スピードウェイ周辺がさらに楽しみですね!

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。