【レーシングチーム紹介】第7弾 Team KCMG

モータースポーツ中毒者のぴぴと申します。

レーシングチームを紹介するこのコーナー、今回はスーパーフォーミュラに参戦する唯一の外国籍チーム、KCMGについて調べてみました。

スーパーフォーミュラで一番の人気を誇る小林可夢偉選手が所属するチームとしてもお馴染みで、国内外の様々なモータースポーツカテゴリーでもKCMGと書かれた白地に水色と黒のマシンが走っていますよね。

ただちょっと謎多きこのKCMG、その実態を知らないモータースポーツファンも多いかもしれませんので、一緒に見ていきましょう。

KCMGの概要

2015年10月撮影 WEC富士6時間にて

レーシングチームKCMGの母体は、KCモーターグループ株式会社という香港に本拠を置く自動車関連会社で、KCMGとはクゥン・チン・モーター・グループの略で、クゥン・チンとはチーム代表ポール・イップの香港名です。

2007年にレーシングプロジェクトを開始したまだ歴史の浅いチームですが、2008年に全日本F3選手権へ参戦(子会社のPTRS)、2010年にはフォーミュラニッポンへ参戦(その後スーパーフォーミュラへも継続参戦)、WEC(世界耐久選手権)のLMP2クラスには2012年に参戦、2018年にはWTCR(世界ツーリングカーカップ)に参戦し、世界各国の有力カテゴリーへ急速に発展しているレーシングチームです。

それでは主な参戦カテゴリーの実績を詳しく見ていきましょう。

唯一の外国籍チームとしてフォーミュラニッポンへ参戦

日本最高峰のフォーミュラニッポンへは2010年より参戦します。

多くのチームが2台で参戦をする中KCMGは1台体制で参戦し、平中克幸選手、A.インペラトーリ選手、折目遼選手と1年ごとにドライバーを変更し参戦しますが、目立った活躍はありませんでした。

ドライバーズ

年度ドライバー年間
順位
ポイント
2010年平中 克幸12位4P
2011年A.インペラトーリ12位2.5P
2012年折目 遼0P

チームズ

年度エンジン
メーカー
年間
順位
ポイント
2010年トヨタ7位4P
2011年トヨタ9位2.5P
2012年トヨタ0P

小林可夢偉を起用し注目されるスーパーフォーミュラ

2017年7月撮影 この年より小林可夢偉選手を起用

フォーミュラニッポンから継続して参戦するスーパーフォーミュラ

毎年ドライバーをチェンジしていたKCMGでしたが、2014年より前年の全日本F3を制した中山雄一選手を起用し3年間起用しますが、成績は一向に上がりませんでした。

転機は2017年、2014年までF1を戦い表彰台にも上がったことのある小林可夢偉選手を起用します。

日本人ドライバーとして佐藤琢磨選手と一二を争う実力の持ち主である小林可夢偉選手がチームに加入すると、それまでが嘘のように成績が上昇し、加入初年度の2017年第4戦ツインリンクもてぎでは2位になり、チーム結成初のスーパーフォーミュラの表彰台に上がりました。

2018年7月撮影 暴れるマシンをコントロールする小林可夢偉選手

ワンメイクマシンで争われるスーパーフォーミュラでは、ドライバーの実力が成績に直結することがよく分かる結果となりました。

しかしこのレース、ピットストップまでは2位に10秒以上のギャップを築いていながらタイヤ交換に時間がかかりまさかの首位転落で、チームとしては嬉しさよりも悔しさが残りました。

やはりこういったプレッシャーがかかる場面でチームの若さが出てしまうんですよね。

その後も2018年岡山国際サーキットの第6戦での2位や、記憶に新しい2019年第4戦富士スピードウェイでの13台抜きなど、数々の記憶に残るレースが続いており、初優勝も間も無くだと思います。

2019年7月撮影 驚異の13台抜きを達成した2019年第4戦富士戦

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ドライバーズ

年度ドライバー年間
順位
ポイント
2013年R.ブラッドリー0P
2014年中山 雄一0P
2015年中山 雄一16位1.5P
2016年中山 雄一0P
2017年小林 可夢偉7位16.5P
2018年小林 可夢偉10位7P

チームズ

年度エンジン
メーカー
年間
順位
ポイント
2013年トヨタ0P
2014年トヨタ0P
2015年トヨタ11位1.5P
2016年トヨタ0P
2017年トヨタ6位16.5P
2018年トヨタ9位7P

WECそしてル・マンへの挑戦

2015年10月撮影 WEC富士6時間でのKCMG

2014年にはWEC(世界耐久選手権)のLMP2クラスにフル参戦し、ドライバーには松田次生選手を起用(第1・4戦)、シリーズ戦の一戦でもあるル・マン24時間レース(松田次生選手は不出場)にもエントリーしました。

ハイライトは2015年、ル・マン24時間レースのLMP2クラスで念願のクラス優勝を果たし、続くニュルブルクリンク6時間でも優勝し、シリーズ2位の好成績をあげました。

2016年10月撮影 2016年はLMGTE Amクラスに参戦したKCMG

ル・マンクラス優勝という目標を達成したKCMGは、2016年にLMGTE Amにクラス変更し、この年を持ってWECの活動は終了しました。

WEC ドライバーズ

年度クラスドライバー年間
順位
ポイント
2014年LMP2M.ハウソン
R.ブラッドリー
A.インペラトーリ
3位
3位
6位
130P
130P
87P
2015年LMP2M.ハウソン
R.ブラッドリー
N.ラピエール
N.タンディ
2位
2位
5位
6位
155P
155P
84P
71P
2016年LMGTE AmC.リート
V.ヘンツラー
J.カマティアス
5位
5位
5位
121P
121P
121P

WEC チームズ

年度クラスメーカー年間
順位
ポイント
2014年LMP2日産
(エンジン)
3位130P
2015年LMP2日産
(エンジン)
2位155P
2016年LMGTE Amポルシェ
911RSR
4位125P

ホンダシビックでTCRへの挑戦

2019年7月撮影 TCRジャパンには3台のホンダシビックで参戦

近年世界のモータースポーツで人気を博しているTCR車両によるレースへの参戦も積極的で、2018年よりホンダシビックタイプRでTCRヨーロッパシリーズへ参戦し、TCR最高峰のWTCR(世界ツーリングカーカップ)にもワイルドカード枠でスポットで出場し、2019年にはWTCRにフル参戦します。

2019年7月撮影 TCRは接近戦も魅力

また2019年より始まったTCRジャパンシリーズにも3台の車両を出場させ、シリーズを盛り上げています。

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日産エースナンバーで鈴鹿10時間に参戦

2018年から始まった鈴鹿10時間耐久レースにもKCMGは参戦し、2014年のWEC出場以来の松田次生選手が起用されたことでも話題となりました。

それまでトヨタやホンダとの繋がりが深いと見られていたKCMGですが、鈴鹿10時間には日産GT-Rで参戦し、なんと日産のエースナンバーであるNo.23で出場しましたが、結果は155周を終えたところでリタイヤでした。

黒船襲来!?スーパーGT GT500参戦の噂

2019年7月31日、AUTOSPORT webで下記のような記事を見つけました。

2020年、スーパーGT GT500クラスにKCMGが参戦し、マシンは来年投入するトヨタスープラだと噂されているようです。

香港系チームであるKCMGですがそのレースの基盤は日本であるため、日本で最も人気のあるスーパーGT GT500クラスへ今まで参戦してこなかったのが不思議と考えるのが普通であり、この噂の信憑性は高いのではないかと思います。

2019年11月にはDTMとの交流戦も控えており、これから世界に打って出ようとするスーパーGTとしても参戦を歓迎するのではと記事では綴っています。

何れにしても私たちファンは楽しみに待つとしましょう。

現在の参戦カテゴリー

2019年7月撮影 スーパーフォーミュラ
  • スーパーフォーミュラ
  • WTCR
  • TCRジャパン

過去の参戦カテゴリー

2015年10月撮影 WEC富士6時間にて
  • WEC
  • 全日本F3
  • アジアF3
  • フォーミュラピロタチャイナ
  • クリオカップ中国シリーズ
  • 四川ツーリングカーエリート

最後に

2019年7月撮影 スーパーフォーミュラでの初優勝も早く見たい

これまでのレーシングチームの常識といえば、ひとつの自動車メーカーとの繋がりが深かく、同一メーカーとともに様々なカテゴリーで活躍していました。

しかしこの新興チームであるKCMGはその常識を覆し、スーパーフォーミュラにはトヨタエンジン、WTCRにはホンダ、鈴鹿10時間には日産と、日本の三大メーカーと関わりを持ちその得意カテゴリーごとに自動車メーカーを変え参戦をしています。

そしてどの参戦マシンに一貫するのは白地に水色と黒の塗装にKCMGの文字。

このマシンが近い将来、世界のモータースポーツの中核になる日がやってくるのかもしれません。

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最後までお読みいただきありがとうございました。




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奥が深いモータースポーツ撮影の世界
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モータースポーツ撮影歴18年。腕に覚えは全く無いが、知識だけは豊富なワタクシぴぴが、レース撮影について偉そうに解説します。




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モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。 一眼レフデビューは2001年頃、CANON EOS7(フィルム機)。腕に覚えは全くないが、年数だけはそこそこ長い。 【一眼レフ遍歴】 CANON EOS 7 → CANON EOS kiss N → CANON EOS 60D → CANON EOS 7D MarkⅡ → CANON EOS 5D MarkⅣ & SONY α7R Ⅲ 【所有カメラ】 CANON EOS 5D MarkⅣ SONY α7R Ⅲ SONYサイバーショット DSC-RX1R 【所有レンズ】 CANON EF100mm-400mm f/4.5-5.6L IS Ⅱ USM CANON EF70-200mm f/2.8L IS Ⅱ USM CANON EF24mm-70mm f/4L IS USM CANON EF50mm f/1.2L USM CANON EF85mm f/1.4L IS USM SONY FE24-105mm F4 G OSS