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F1 スーパーGT スーパーフォーミュラ インディカー NASCARのルーティンピットインでのクルー人数比較

F1のピットストップは、1台のマシンを多くのピットクルーが取り囲み、時には2秒にも満たないスピードでマシンを送り出す。

対するスーパーフォーミュラやスーパーGTはF1よりも少ないような・・・。

ではインディカーやNASCARなどのアメリカの主要レースカテゴリーはどうなのだろう?

ということで、今回は世界の主要レースカテゴリーのルーティンピットイン時のピットクルーの人数を比較してみよう。

F1

2019年F1日本GPにて

ピットイン時の作業クルー人数・・・18人

担当人数
ジャッキマン2人
ガンナー4人
ホイールオフクルー4人
ホイールオンクルー4人
スタビライザークルー2人
サブジャッキマン2人
合計18人

ルーティンピットイン時のピットクルーがもっとも多いのはもちろんF1。

F1は他の多くのカテゴリーと違いピットレーンでの作業時のピットクルーの人数制限がないが、で、チームにもよるがおおよそ18人で行なっている。

1輪あたりタイヤを外すクルー(ホイールオフクルー)、ホイールガンでセンターロックを外すクルー(ガンナー)、タイヤを装着するクルー(ホイールオンクルー)の3人がおり、4輪合わせて12人でタイヤの脱着から締め付けまでを行う。

ジャッキアップは人力で前後に1人ずつの合計2人で、その背後にはジャッキが壊れた時のことを想定してサブジャッキマンが前後合計2人が控えている。

またジャッキアップ時にマシンを安定させるために左右に1人ずつスタビライザークルーがマシンを押さえる。

ドライバーにGOサインを出す通称ロリポップマンは・・・いない。

そう、現在はロリポップマンは各チームともに存在せず、ドライバーの前方上にあるシグナルでGOサインを出すように変更されている。

またフロントウイングのフラップを調整するクルーも左右に1人ずついたが、こちらも2022年現在は廃止されたようだ。

1990年代初頭、古舘伊知郎さんが『フェラーリマジック』や『マクラーレンイリュージョン』と呼んだあの頃のピット作業が7-8秒ほど。

あれから30年以上経過した現在は、18人のピットクルーがシステマチックに作業を行い、時には2秒を切る早技でマシンを送り出す。

F1はピットストップでも進化が止まらないのだ。

スーパーGT

2022年スーパーGT最終戦にて

ピットイン時の作業クルー人数・・・6人(規定では7人まで 消化器マン除く)

担当人数
エアジャッキマン1人
タイヤ交換クルー2人
フューエルマン1人
ドライバー交代補助1人
フロントウインドウフィルム剥がしなど1人
(消化器マン)(1人)
合計6人

スーパーGTはピットレーンで作業ができるクルーは7人まで(消化器マン除く)と規定されているが、多くのチームでは6人で行なっているようだ。

スーパーGTのピット作業では給油が可能だが、給油中はドライバー交代とその補助以外の作業は禁止されているのが特徴。

ピットにマシンが滑り込むと、1人がマシンにホースを差し込みエアジャッキでマシンを持ち上げる。

その後にリヤタイヤを左右1人ずつ合計2人でガンでのセンターロック取り外しからタイヤの取り外しから装着、締め付けまでを行い、同時に別のクルーがフロントウインドウのフィルムを剥がす。

それが終わると給油開始。

ヒューエルマンが1人でホースでマシンに燃料を流し込む。

給油が終わると先ほどリヤのタイヤ交換を終えた2人のクルーが、今度はフロントのタイヤ交換全般を行う。

ドライバー交代はタイヤ交換や給油の最中でも行うことができるため、クルー1人と降りたドライバーでシートベルトの調整や装着、クールスーツの装着やドリンクボトルの交換の作業を行う。

作業を終えたクルーがピット停止版を外し、最後にエアジャッキマンがホースを引き抜き作業終了。

ピット停止版を外したクルーがサインを出し、マシンがピットアウトする。

スーパーフォーミュラ

2019年スーパーフォーミュラ第4戦にて

ピットイン時の作業クルー人数・・・6人(消化器マン除く)

担当人数
ロリポップマン1人
タイヤ交換クルー4人
ジャッキマン1人
合計6人

スーパーフォーミュラはピットレーンに出て作業ができる人数は6人までとなっている。

作業はロリポップマン1人、タイヤ交換クルーが各タイヤに1人ずつの合計4人、そしてジャッキマンが1人という構成だ。

ジャッキマンが1人?と思うかもしれないが、フロントは自動で持ち上がるため、ジャッキマンはまず人力でリヤのジャッキを装着してマシンを持ち上げ、その後フロントに回りタイヤ交換作業が終了したらフロントジャッキを外す。リヤのジャッキは自動で外れるような仕組みになっている。

ちなみに2019年以前はレース中の給油を認めており、1人は給油ホースを、1人は燃料タンクの空気抜きホースを持ち作業を行なっていたが、2022年現在は給油は禁止されている。

インディカー

2019年ホンダコレクションホールにて

ピットイン時の作業クルー人数・・・6人(ウォール外に別途2人)

担当人数
エアジャッキマン1人
タイヤ交換クルー4人
ヒューエルマン1人
合計6人

インディカーのピットストップクルーは6人までという制限がある。

担当はタイヤ交換クルーが各タイヤに1人ずつの合計4人。

ジャッキマンが1人で、そのジャッキマンがエアホースをマシン差し込みマシンをジャッキアップし、リヤのタイヤ交換の手助けをすることもある。

そしてインディカーは給油作業もあるため、燃料給油のホースを差し込むヒューエルマンが1人で担当しており、その6人でマシンを送り出す。

ちなみにインディカーではピットにウォールがあり、6人とは別にそのウォール外からピットクルーの補助作業を行うクルー2人ほどいる。

NASCAR

ピットイン時の作業クルー人数・・・7人(ウォール外に別途3人)

担当人数
ジャッキマン1人
タイヤチェンジャー2人
タイヤキャリアー2人
ヒューエルマン1人
ユーティリティーマン1人
(サポートクルー)(3人)
合計7人

NASCARの7人(内1人は一連のタイヤ交換作業や給油作業に加わることができない)。

NASCARのピットストップは独特だ。

ジャッキアップはエアジャッキではなくF1同様に人力だが、マシンの前後にジャッキを差し込まずマシンのサイドにジャッキを突っ込み左右片側ずつ順番に持ち上げる。この作業は1人で行う。

ジャッキアップして斜めになったマシンは前後2人ずつタイヤを交換。

5穴(他のカテゴリーの多くはセンターロックの1穴)のロックを外しそのクルーがガンでタイヤを外すと、もう1人が新しいタイヤを装着しふたたび外したクルーがガンで装着し、それを左右で行う。

5穴のロックをガンで巧みに脱着する様は非常に見応えがある。

NASCARは給油作業があり、その燃料をマシンに流し込むヒューエルマンは給油機からホースで送り込むのではなく、重い燃料缶を1人で担ぎ重力で給油する。

この一連の作業は6人と定められているが、それとは別にウインドシールドのバイザーを剥がしたりドライバーにドリンクを手渡すクルーが1人いる。

またNASCARのピットにはインディカー同様にウォールがあるが、その外側からタイヤを用意したり作業を手助けするクルーが別に2人から3人補助を行う。

まとめ

今回はF1・スーパーGT・スーパーフォーミュラ・インディ・NASCARの5つのカテゴリーのルーティンピットイン時のピットクルーの作業エリアでの人数を比較してみたが、まとめると以下のとおりになる。

カテゴリー作業クルー人数レギュレーションでの
作業クルーの制限人数
備考
F118人制限なし
スーパーGT6人7人消化器マン除く
SF6人6人
インディカー6人6人サポートクルーあり
NASCAR7人7人サポートクルーあり

多くのカテゴリーではピットレーンでのピットクルーの作業人数が6-7人に制限がなされているのに対し、F1は制限がなく、他のカテゴリーとは圧倒的に人数が多いことが今回の記事でおわかりいただけたと思う。

F1はこの異様と思える人数がシステマチックに作業をこなし、わずか2-3秒でマシンを送り出す様は圧巻だ。

そしてNASCARもまた、他のレースカテゴリーとは一線を画したクルーの動きが面白く、アメリカンモータースポーツに馴染みのない方には一見の価値があると思う。

そんなピットクルーの動きにも注目してレースを視聴すると、よりモータースポーツ観戦が楽しくなるだろう。

ということで今回は以上。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。