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【観戦記】2025年スーパーGT富士公式テスト③ 過去遺産!30度バンクと旧トンネルに行ってみた!

今回は2025年スーパーGT富士公式テストの観戦記続きです。

午前中の公式テストが終了して時間が空いたので、今回は富士スピードウェイの過去遺産、30度バンクとグランドスタンドとヘアピンを繋ぐ旧トンネルを訪ねてみました。

30度バンクの歴史

午前中の走行が終了し、午後の走行までは1時間以上時間があったので、ちょっと気になる場所に行ってみます。

2019年に撮影された富士スピードウェイの航空写真
出典:国土地理院地図より引用

こちらは富士スピードウェイの航空写真(国土地理院地図より引用)ですが、写真の右上、ホームストレートの先にコースが続いているような・・・気になる場所とはココ。そう、30度バンクの跡地です。

ご存知の方も多いと思いますが、富士スピードウェイは元々NASCARと契約をして、日本ナスカー株式会社という名称でオーバルトラックでオープンする予定でした。

しかし地形がオーバルに適さないことなど、諸々の理由でNASCARとの契約を破棄。ロードコースとしてレイアウトを再考したのですが、オーバルの30度バンクはそのまま採用され、1966年に富士スピードウェイはオープンしました。

しかし当時の日本の舗装技術ではバンクを平滑にすることが出来ずに事故が多発。結局、1974年6月の富士GC第2戦の大事故を最後に、使用がされなくなりました。

1974年から1978年の間に撮影された富士スピードウェイの航空写真
出典:国土地理院地図より引用

こちらは1974年から1978年の間に撮影された国土地理院地図の航空写真。使用停止の直後ですが、まだコースははっきりと残っています。

1979年から1983年の間に撮影された富士スピードウェイの航空写真
出典:国土地理院地図より引用

こちらは1979年から1983年の航空写真。すでに使用停止から5年以上が経過していますが、30度バンクからS字コーナーを抜けて、現在の2コーナーに合流するコース形状が確認できます。

2012年に撮影された富士スピードウェイの航空写真
出典:国土地理院地図より引用

そしてこちらが2012年の航空写真。30度バンクは途中で寸断されています。

国土地理院地図ではその間の大事な部分が公開されていないのですが、おそらく2003年から2005年の大改修工事で一部を撤去して、ショートサーキットなどに転用されたはず。

思えばリニューアル中に30度バンクのアスファルトを小分けにして販売されましたので、まあ、この時で間違いないでしょう。

30度バンクの今

開業から10年足らずで使用されることのなくなった30度バンクは、今、どんな姿になっているのか。行ってみました。

グランドスタンド裏の周遊道を1コーナーに向かって進み、右のカーブの途中で左に曲がり、ガードを潜った左側から30度バンクに入ることが出来ます。

入り口には30度バンクメモリアルパークの看板があります。

では階段を登って現在の姿を見てみましょう。

こちらが30度バンク。写真ではあまり伝わらないかもしれませんが、とんでもない急斜面です。

上な危険!と警告がある通り、あの急斜面を上まで登るのは非常に危険。危険ではない範囲で近づいてみます。

尚、現在いる場所はホームストレートの先で、写真左上に見えるのが現在の1コーナーの先にある看板(裏側)。おそらく傾斜角が最大の場所になります。

コースの真ん中付近から撮影。ここより上が30度のバンクですが、これ以上登ると危険と判断と判断・・・というか、とても登れないほどの急斜面です。

最頂部に当時のガードレールの支柱がありますが、1段のみ??

使われていた当時の写真を見るとやっぱりガードレールは1段のみでした。

1.6km(当時)のストレートからほぼノンブレーキで30度バンクに突入したら、当時のマシンでも200km/h近くは出ていたはず。

もし、外にはらんだら、あの雑木林の中にクルマもろとも??

いやー、当時のレーシングドライバーは命を張っていたのだと痛感します・・・。

路面には苔が生えており、継ぎ目には芝生も。使われなくなって既に50年以上の歳月が経っており、月日を感じます。

では、コースに沿って旧S字コーナー方向に向けて歩いてみます。

しばらく歩くと桜の木などが植えられていていましたが、木はまだ若く、おそらくリニューアルの時に植えられたのでしょう。

その先でコースは寸断されていました。ここまで来るとバンクはかなり緩やかになり、当時はこの先で右、左とS字コーナーを抜け、現在の2コーナー付近に接続されていました。

もう50回以上は訪れた富士スピードウェイですが、30度バンクに足を踏み入れたのは今回が初めて。感想はほぼ壁・・・聳り立つ壁でした。

バンクといえばモビリティリゾートもてぎのオーバルトラックが有名ですが、もてぎのバンク角は10度。あの3倍の角度がある富士スピードウェイの30度バンクは、レースファンならばぜひ一度は見ていただきたい。驚くと思います。

土管??グランドスタンドとヘアピンを繋ぐ旧トンネル

2003年から2005年にかけてのリニューアルで多くの旧施設が取り壊されましたが、今も残るいにしえの場所をもうひとつ紹介します。

それがヘアピンスタンドの後方にあるコレ。

鉄格子で覆われたこのトンネルは、グランドスタンドとヘアピンを繋ぐ旧トンネルです。

中にはピットウォークの看板がありますが、書体が古く、これも旧コースの時に使われたものでしょうか。

鉄格子の隙間から中を見てみると・・・土管のようですね。

旧コース時代にこのトンネルを通りましたが、天井が低くて腰を屈めながら歩いた記憶があります。

さらに、この狭い通路に太いパイプもあり、すれ違いが大変だったなあ。

このトンネルはグランドスタンドの最前列に繋がっていました。

たしか、ピット侵入のこの辺りだったと思いますが、こちらはもう塞がれてしまったようです。

当時は狭いトンネルの影響で、トンネル入り口が渋滞していました。

現在はこんな立派なトンネルが完成し、

恐竜も通れるようになりました・・・えっ??

最後に

今回は2025年スーパーGT富士公式テストの昼休みを利用して富士スピードウェイの過去遺産、30度バンクと旧トンネルに行ってみました。

その後、始まった午後の走行はカメラを置き1コーナーで観戦。GT500マシンの3メーカーの音が結構違うことを発見しました。

今更って? はい、撮影ばかりしていたので、気付きませんでした・・・。

その音を文字で表すと、日産のZは3メーカー中一番音がデカく、『ベーーーッン!』というだらしない(失礼)音。

トヨタのGRスープラは一番静かで、音色は『ボーーーン!』というスマートな音。

ホンダはその中間の『ビーーーンッ!』という感じ(伝わった??)。

これはテレビではなかなか気づかない発見でした(今更ですが)。

ということで、本日決勝を迎えるスーパーGTの開幕戦。2025年はどんなドラマが待ち受けているのか、楽しみでなりません。

モータースポーツファンのみなさん、今年も大いに楽しみましょ〜!!

以上、最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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サーキットは非日常を味わえる特別な空間です。そんな素晴らしいモータースポーツの世界を、ひとりでも多くの方に伝えたい・・・。そんな思いでMOTORSPORT観戦記と題し、記事に認めました。




2件のコメント

こんにちは。
30℃バンクは見学できるのですね。いつか行ってみたいです。
4輪も2輪もそうですが、メーカーによって音が異なるのは不思議ですね。自然とそうなるのか、意図的に変えているのか。いずれにしても、エンジンの音は心地いいです。

こんにちは。コメントありがとうございます。

見学できるように整備されていました。

ただ、スーパーGTのテストで多くの観客が訪れていたのに、訪れていたのは私の他にお一人だけ。

かなり見応えがあるのに勿体無いです。

おっしゃる通り、レーシングマシンのエンジン音は心地いいですね!

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ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。