1976年のF1初開催から50年目で、開催回数としては今回が40回目となる節目の日本グランプリ。
私は春開催になった2024年以来現地に行っておらず、今年もテレビ観戦だが、金曜日から過去最多の75,000人が訪れ、土曜日は全盛期並みの110,000人という盛り上がりを聞くと、やっぱり現地観戦をしたかった。
場内はファンによるトラフィックが随所で起きていて、まるで2006年(過去最多)の時のようだ、というXの投稿もあり、当時は私も現地にいてその人の多さを体感したので、あの移動渋滞を考えると、まあテレビ観戦も悪くない。
さて、そんな盛り上がる鈴鹿でポールポジションを獲得したのがキミ・アントネッリ。今季好調のメルセデスに乗る19歳は、前戦の中国グランプリに続いて2戦連続の予選トップタイムを記録した。
それに続いたのが0.298秒差のチームメイトラッセル。僅差のマクラーレン、フェラーリがトップ6を形成する。
開幕2戦を見るとメルセデスが最速で、それに続くのがフェラーリといった感じだったが、その2レースでまともに走れなかったマクラーレンが実はフェラーリと互角の速さだったようだ。
そんな3強に続いたのがアルピーヌのガスリー。トップから1秒以内の7位に入ったのは圧巻だった。弟分の角田裕毅から鈴鹿のコツを聞いたのか。
逆に昨年のポールシッターフェルスタッペンがなんとQ2で敗退し、ハジャーにも先に行かれたのには驚いた。今季のマシンに不満をぶちまけるフェルスタッペンは、まだ乗りこなせていないようだ。
開幕からホンダエンジンの振動に悩まされるアストンマーティンの2台は、ホンダの地元鈴鹿でも改善は見られず最下位を独占。地元で一縷の望みを期待したのだが、やっぱりダメか。
グリーンのウェアやキャップを身につけたファンが多い今年の鈴鹿だが、そんなファンにとっては無念だっただろう。もちろんホンダファンの私もガックリ。
決勝ではまず、今季初完走を目指してもらいたい。
予選結果は以下の通り(トップ10)。
- 1位:アントネッリ(メルセデス)
- 2位:ラッセル(メルセデス)
- 3位:ピアストリ(マクラーレン)
- 4位:ルクレール(フェラーリ)
- 5位:ノリス(マクラーレン)
- 6位:ハミルトン(フェラーリ)
- 7位:ガスリー(アルピーヌ)
- 8位:ハジャー(レッドブル)
- 9位:ボルトレート(アウディ)
- 10位:リンドブラッド(レーシングブルズ)
そして迎えた決勝。観客数はチケットソールドアウトの130,000人と、現地はとんでもなく盛り上がっているようだ。いいなあ・・・。
日本のサラリーマンにとって3月末は決算で忙しく、また、4月の改変が迫っている大切な時期。やっぱり行けないけど行きたかった・・・。
午後1時30分に10分遅れでレコノサンスラップ開始。各スタンドにマシンがやってくると、拍手で出迎えるのが鈴鹿の風習。今年はさらに外国人が多くなっているようだが、伝統はしっかりと受け継がれているのかな。
そして各マシンは何度もピットレーンを通過しながら、最終調整やスタート練習を繰り返す。
ここで、ハミルトンのバックショットが映し出される。312T3を彷彿されるような、赤地に白のカラーリングが実にカッコよく見える。伝統のカラーリングでのハミルトンの優勝を期待したい。
そして各マシンがダミーグリッドに整列する。開幕2レースは大幅レギュレーション変更によりグリッドに着けなかったが、とりあえず全マシンがグリッドに整列してくれて一安心。
そしてスタート前セレモニーが始まる。
まずはアバンギャルディによるパフォーマンス。学生服のようなコスチュームにおかっぱアタマの女性たちが、寸分違わぬキレッキレのダンス・・・見た目は昭和でダンスは令和・・・すごっ!
そして力士がグリッドに登場。完全に外人が思う日本を演出している。
最後は君が代演奏。
ピアノでの入りにいつものそれとは随分と違うと思い目を凝らすが、誰だかわからない。その後バイオリンが奏でられ、ドラムが入ると一気にボルテージが高まり、エレキで最高潮に。
こんな君が代、聴いたことがない、と思ったらYOSHIKIさんだった。音楽素人の私をも魅了するYOSHIKIさんってやっぱり凄かった。
F1 CEOのドメニカリと談笑する和装のお方は三笠宮家彬子女王殿下。瑶子女王もいらっしゃっていたようだ。御姉妹はモータースポーツに造詣が深く、スーパーフォーミュラでもそれを披露された。
若き日のウィリアムズ皇太子もイギリスグランプリに来たことがあったように、ヨーロッパでは貴族のスポーツとして認知されているF1だが、こと日本においては暴走族とダブられて敬遠されていた。
そんなモータースポーツも昨今は受け入れられ、皇室の方が来場していただけるようになり、ファンとしてはこの上なく嬉しい。
時刻は14時10分になり、フォーメーションラップが開始される。出遅れるマシンはないようだ。
そして各マシンがグリッドに整列し、鈴鹿は静寂に包まれる。
エンジンが雄叫びを上げ、レッドランプが点灯しオールフラッシュ。そしてブラックアウト!
メルセデス2台の真ん中を割って、今回もフェラーリ ルクレールがスタートダッシュを決めた・・・いや、大外からマクラーレンが一気に来た!
ピアストリ、ルクレール、ノリス、ラッセルの順でS字へ。ポールポジションスタートのアントネッリはハミルトンの後ろの6位までポジションを落とした。
いやー、マクラーレンのスタートはフェラーリ以上に良かった。ということは、今季メルセデスがスタートが悪いのはパワーユニットのせいではないのか。両マシンの近いは、ギヤボックス・・・ギヤ比?
アントネッリは2周目のホームストレートでハミルトンをオーバーテイクして5位に。さらに11周目のシケインではノリスを抜き4位へ。
ラッセルも3周目にノリス、4周目にルクレールを抜いて2位に上がり、スタートで失ったポジションを取り戻します。
抜けない鈴鹿でも、今季のマシンならば追い抜きが可能なようだ。
ただ、バッテリー切れでの抜きつ抜かれつも。
2位ラッセルは8周目のシケインでピアストリのインをつきトップに立つも、その後のホームストレートでソックがなくなり、今度はピアストリに抜き返される。
同じく4位アントネッリも15周目のシケインで3位のルクレールを抜くも、ホームストレートで抜き返されてしまう。
人工的な攻防でも現地で観ていたら楽しいが、テレビでじっくりと観ている者としてはちょっと興醒め。追い抜きはドライバーのテクニックで行われてほしいのだが、ライトなファン層にとってはこれでイイのかも。
16周目の終わりからこのレース唯一となるピットインが開始。トップ勢はノリスが一番乗りで入ってきて、ハードタイヤに交換。次の周にはルクレールが入る。
どうやら先に入ったノリスやルクレールのペースが良いようで、18周目の終わりにトップピアストリもピットインをする。
対して純粋なペースが良いと思われるメルセデスは、前がいなくなり、クリンエアで飛ばす作戦をとり、ピアストリに代わりトップにたったラッセルは、3周遅れの21周目の終わりにピットに入るも、逆転叶わず実質2位のまま。
すると、ピットイン直後の22周目にベアマンがクラッシュ。原因はバッテリーをチャージ(スーパークリッピング)するために減速したコラピントに、後方のベアマンが追突しそうになり回避したため。このスーパークリッピングによる速度差は危険だと、ドライバーから警鐘を鳴らされていたが、早くもそれによる事故が起こってしまった。
これによりセーフティカー導入。ついていないラッセル・・・。
トップ勢でまだピットストップをしていなかったアントネッリはもちろん入り、悠々とトップで復帰し、同じくハミルトンも6位から4位にジャンプアップする。
コース上では鈴鹿のマーシャルが、散らばった発泡スチロールの破片を竹ぼうきで履いていた。鈴鹿ではよくある光景だが、世界基準はデッキブラシか。
世界よ、これがニッポン伝統の竹ぼうきの威力だ!
と、ここでトップ勢の順位を整理してみる。
- 1位:アントネッリ(メルセデス)
- 2位:ピアストリ(マクラーレン)
- 3位:ラッセル(メルセデス)
- 4位:ハミルトン(フェラーリ)
- 5位:ルクレール(フェラーリ)
- 6位:ノリス(マクラーレン)
ポールポジションからのスタートも、スタートで順位を下げたアントネッリだったが、幸運にもここでトップに復帰。彼は今、ツキまくっているようだ。
そしてアントネッリを先頭に28周目からレース再開。するとハミルトンが一気に加速して3位に上がる。スタンディングスタートで速いフェラーリは、ローリングスタートでも速いようだ。
再スタート後は、トップのアントネッリが次第に2位ピアストリを引き離し、2位以下は団子状態が続く。
37周目には、ルクレールがまっちゃんコーナーでラッセルをオーバーテイクして4位浮上。一般的な追い抜きポイントではないまっちゃんコーナーなので、ラッセルは油断してスーパークリッピングをしていたのか。
さらにルクレールは、42周目の1コーナーでチームメイトのハミルトンも追い抜き、これで表彰台圏内に。
ハミルトンはストレートでの速さがなく、その後ラッセルとノリスにも抜かれて6位でフィニッシュすることになる。
セーフティカー導入後にトップに立ったアントネッリは、その後もペースを緩めることなく、最終的には2位に13秒以上の差を付けてフィニッシュ。中国グランプリから2戦続けてのポールトゥフィニッシュを達成した。
これでドライバーズチャンピオンシップで首位になったアントネッリ。19歳でのチャンピオンシップリーダーは史上最年少だ。
2位はピアストリ。地元での開幕戦ではレコノサンスラップ時にクラッシュしてグリッドに着けず、第2戦もマシントラブルによりスタートができなかったピアストリだったが、第3戦にして初の完走は自身にとっては満足の2位だった。
セーフティカー導入後に2台を追い抜き、自身の力で表彰台を射止めたルクレールは3位。その後はラッセル、ノリス、ハミルトンと続いた。
7位は大健闘のガスリー。国際映像にまったく映らなかったガスリーだが、最後はフェルスタッペンの厳しいチャージを何とか振り切り、スタート順位を死守できたのは凄かった。
尚、開幕からリタイヤが続いたアストンマーティンは、アロンソが今季初の完走(17位)を達成した。いや、私の静岡マラソンじゃないんだから、完走したくらいで喜んでんるなよ・・・。
表彰台はまずイタリア国歌(マメーリの讃歌)が鳴り響く。F1ではフェラーリのための音楽という印象の強いイタリア国歌だが、最初に流れるのはちょっと違和感を覚える(F1表彰台の国歌はドライバー→チームという順)。でも今季でその違和感はなくなりそうだ。
優勝者への優勝カッププレゼンターは三笠宮家彬子女王殿下。そして優勝メダルは何と豊田章男トヨタ自動車会長。今回は日本自動車会議所会長としての登壇だが、豊田会長がF1のプレゼンターを務める意味合いはデカい。
F1を辞めた社長から、F1に復帰させた会長になってください!
余談だが、メダルを授与されたアントネッリは、この人があのトヨタの会長だとわかっていないようだ・・・まあ、19歳だからしょうがないか。
そしてシャンパンファイト。前戦中国では18歳から飲酒が許可されているので通常のシャンパンだったが、日本は当然20歳からなので、ノンアルコールだった。まあ、ピアストリとルクレールから盛大にかけられていたが・・・。
ということで、2026年の日本グランプリの結果は以下の通り。
- 1位:アントネッリ(メルセデス)
- 2位:ピアストリ(マクラーレン)
- 3位:ルクレール(フェラーリ)
- 4位:ラッセル(メルセデス)
- 5位:ノリス(マクラーレン)
- 6位:ハミルトン(フェラーリ)
- 7位:ガスリー(アルピーヌ)
- 8位:フェルスタッペン(レッドブル)
- 9位:ローソン(レーシングブルズ)
- 10位:オコン(ハース)
- 11位:ヒュルケンベルグ(アウディ)
- 12位:ハジャー(レッドブル)
- 13位:ボルトレート(アウディ)
- 14位:リンドブラッド(レーシングブルズ)
- 15位:サインツ(ウィリアムズ)
- 16位:コラピント(アウディ)
- 17位:ペレス(キャデラック)
- 18位:アロンソ(アストンマーティン)
- 19位:ボッタス(キャデラック)
- 20位:アルボン(ウィリアムズ)
レース内容も観客動員数も、とっても盛り上がった今年の鈴鹿。だが、大きなものがひとつ抜けていた。日本人ドライバーだ。
来年はぜひ角田裕毅に復帰してもらい、さらに盛り上がりましょう。いや、岩佐歩夢も??
その時は鈴鹿さん、仮設スタンドの増設をぜひ。過去最高の盛り上がりを世界に見せつけてやりましょう。ね?











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