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スーパーGT/JGTCに参戦した7車種の『4ドア』GTマシン

トヨタ・プリウス(2012-2022)

3代目プリウスのスーパーGTマシン
2015年スーパーGT第4戦にて

カローラアクシオとレガシィB4が撤退した翌2012年、ついに日本で一番売れている4ドア車両がスーパーGTに参戦します。

そう、3代目プリウスです。

5代目になりスポーティ路線に振ったプリウスですが、当時はハイブリッド大衆車。そんなこの年発売された3代目プリウスのレーシングマシンがデビューするとなり、当時は相当な話題となりました。

開発は先のカローラアクシオと同じトヨタ系のapr。

市販車プリウスは音もなく走行しますが、サーキットのプリウスのエンジン音は凄まじいものでした。

ただレーシングマシンのプリウスもデビューから代名詞であるハイブリッドシステムは搭載(海外戦では非搭載)。

そんな3代目プリウスのGTマシンは2015年まで参戦し、最後の年にはドライバーズランキング3位に躍進しました。

2018年スーパーGT第2戦にて

市販車のプリウスが4代目になったのを機に、2016年からスーパーGTのプリウスも4代目になり、aprは2台の4代目プリウスで参戦。この年はドライバーズランキング2位になります。

2019年スーパーGT×DTM特別交流戦にて

2019年にはPHEV顔に換装。

そんな世界でも類を見ないプリウスのレーシングマシンはDTM関係者も注目。『スーパーGT×DTM特別交流戦』の前座レースで走行したプリウスを、DTM関係者がじっくりと観ていたのが印象的でした。

そして2022年シーズンを最後に参戦を終了しました。

スポーティーにイメージチェンジした5代目プリウスでスーパーGTに復帰してもらいたいのですが、aprさんどうでしょう?

トヨタ・マークX(2017-2019)

トヨタの4ドアセダンマークXもスーパーGTに参戦していました。

参戦時期は2017年から2019年の3年間。最近なので覚えているファンも多いかと思います。

開発しスーパーGTにエントリーしたチームは埼玉トヨペットグリーンブレイブ。埼玉県のトヨペット系ディーラーです。

現在トヨタ系ディーラーはどのチャンネルも全車種を扱っていますが、2017年当時トヨペット系ディーラーはトヨタ唯一のスポーツカーである86の販売はしていませんでした。

そこで選んだのが4ドアセダンの2代目マークX。マークⅡ時代からトヨペット店の代表的な車種ですが、長い歴史の中でレーシングマシンのベース車両になることはほとんどなく、このマシンがサーキットを走る姿は一種独特でした。

もちろんFIA-GT3車両ではなくマザーシャシーをベースに独自製造されたマシンです。

そんなマークXのスーパーGT初年度(2017年)はノーポイントに終わりますが、年々速さを増し、2019年には2度の表彰台を獲得。GT300クラスドライバーズランキングで9位に入りました。

2020年からトヨタ系ディーラーがトヨタの全車種を販売できるようになり、GRスープラが販売されたこともあり、同年にGRスープラにスイッチ。

マークXでの参戦は3年で終了しました。

ちなみに埼玉トヨペットは2020年から2022年まで、15代目クラウンでスーパー耐久に参戦していましたね。

ホンダ・シビックタイプR(2024-)

キャビンが異様にデカい4ドア4シーターシビックタイプR-GT
2024年スーパーGT富士公式テストにて

2024年にデビューした4ドアのスーパーGTマシンがシビックタイプR-GTです。

ジャパンモビリティショー2023で展示されたシビックタイプR-GT(モックアップ?)

2023年初旬にシビックタイプRをベースとすることが発表され、本当に驚きました。

今まで紹介した6台の4ドアスーパーGTマシンはすべてGT300クラスでのエントリーでしたが、このシビックタイプR-GTはなんと最上位クラスのGT500クラスのマシンです。

ライバルのトヨタGRスープラと日産Z NISMO GT500はもちろん2ドア2シーターで、対するホンダシビックタイプR-GTは4ドア4シーターの車両がベース。そのためキャビンの大きさはライバルとは比べ物にならないほどデカい。

同一のモノコックで競われるGT500クラスは空力的に優れた小さなキャビンが断然有利ですが、敢えて4ドアのシビックをベースにするあたりが常に挑戦するホンダの証でしょう。

まあ、それまでベースにしていた2代目NSXが販売終了し、市販のスポーツカーがシビックタイプRしかなかったのがこの車種を選んだ理由でもありますが・・・。

そんなキャビンがデカくワゴン車のような4ドアのGT500マシンですが、デビュー戦となる岡山国際サーキットで行われた2024年開幕戦でチームクニミツが安定した速さで見事3位になり、初の表彰台を獲得しました。

今後、ホンダの技術力でこのシビックタイプR-GTがどのような戦いを私たちファンに見せてくれるのか、楽しみでなりませんね。

まとめ

今回はスーパーGT/JGTCに参戦した『4ドア』GTマシンを紹介しましたが、メーカーと車種、クラスと参戦時期は以下の通りです。

メーカー車種クラス参戦時期
スバルインプレッサGT3002002-2008
レクサスIS350GT3002008-2012
トヨタカローラアクシオGT3002009-2011
スバルレガシィB4GT3002009-2011
トヨタプリウスGT3002012-2022
トヨタマークXGT3002017-2019
ホンダシビックタイプRGT5002024-

メーカー別だとトヨタ(レクサス含む)が4車種で最も多く、スバル2車種、ホンダ1車種と続きます。

スーパーGTはトヨタ系チームが多く参戦していますが、少し前まではトヨタのスポーツカーラインナップがなく、4ドア車両での参戦となったこと。またプロモーションの観点から宣伝したい4ドア車両の製造に踏み切ったと私は考えます。

そんな4ドアスーパーGTは2022年のプリウス撤退とともに途絶えましたが、2024年に最上位のGT500クラスのマシンとしてホンダが4ドアのシビックタイプRをベースとして参戦。俄然注目が集まりました。

多様性の時代。国内最高峰のスーパーGTでも様々な車種、そして様々な形状のマシンが登場することを個人的には望みます。

そして4ドアのマシンがバリバリのスポーツカーをぶっちぎる姿が観てみたい!

個人的にはそう思っています。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。