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JGTC(現スーパーGT)黎明期にGT500(GT1)クラスから参戦した『伝説のスーパーカー』5選

世界を代表するGTカーレースとして人気を誇るスーパーGT。

その最上位のGT500クラスでは日本を代表するトヨタ・ホンダ・日産の日本3大メーカーが技術の粋を集めて鎬を削っている。

しかしその前身である全日本GT選手権黎明期には、最上位のGT1(現GT500)クラスにも多くのメーカーやブランドが参戦していた。

その中には世界で伝説となっているいわゆるスーパーカーも・・・。

ということで今回は全日本GT選手権黎明期に参戦した『伝説のスーパーカー』を5台紹介しよう。

ランボルギーニ・カウンタック

出典:https://twitter.com/romagna_cento/status/1023930124079517698
DATA
  • 参戦時期・・・1994年
  • チーム・・・KEN WORF with TERAI ENG(JLOC)

スーパーカーメーカーといえばランボルギーニ。そんなランボルギーニの代表的なモデルといえばスーパーカーブームの火付け役であるカウンタックだ。

そのカウンタックも1994年に全日本GT選手権のGT1クラス(現在のGT500クラス)に参戦している。

マシンを製作したのは寺井エンジニアリングで、ランボルギーニ社とゆかりの深かったJLOCの則竹功雄JLOC代表の協力で、カウンタックの最終モデルである25thアニバーサリーをベースにレーシングマシンに仕立てた。

ランボルギーニ社はそれまでレース活動をしてこなかったが、この全日本GT選手権がきっかけとなりランボルギーニ社の心を動かし、翌年から当時の最新車両であったディアブロをベースに同社がチューンアップし参戦。その後もムルシエラゴ、ガヤルド、ウラカンなど、現在でもスーパーGTに参戦を続けている。

ちなみに1994年シーズン、カウンタックをドライブしたドライバーは、漫画『サーキットの狼』の著者として有名な池沢さとし選手(現:池沢早人師氏 私としてはフェラーリ教教祖の清水草一氏の師匠)だった。

フェラーリ・F40

写真提供:Mさん
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  • 参戦時期・・・1994年-1996年
  • チーム・・・TEAM TAISAN

ランボルギーニが出ればやっぱりフェラーリだろう。

そのフェラーリ社の創業40周年を記念して発売された伝説のフェラーリF40は世界生産1311台の限定車両で、日本のバブル期と重なり走る不動産と称された。

そんな激レア車両のF40だが、過去に全日本GT選手権に参戦した実績がある。

初登場は全日本GT選手権初年度の1994年で、その希少なマシンをエントリーさせたのはかつて全日本GT選手権、スーパーGTの代表的なチームであったチームタイサン(2018年を最後に撤退)だった。

GT1(現GT500)クラスに参戦したフェラーリF40は、1994年最終戦のMINEサーキットでのレースで太田哲也/オスカー・ララウリ組が優勝を遂げた。

その後1995年も国産ワークス勢に対し互角の戦いを繰り広げたフェラーリF40であったが、1996年を最後に全日本GT選手権の参戦を終了した。

マクラーレン・F1 GTR

写真提供:Mさん
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  • 参戦時期・・・1996年、1999年-2003年、2005年
  • チーム・・・チームラークマクラーレン(チーム郷)、チームTAKE ONE、一ツ山レーシング

次はマクラーレンの市販車第1号のマクラーレンF1 GTRを紹介しよう。

前に挙げたランボルギーニのカウンタックやフェラーリのF40は、市販車の発売から年月が経っていたこともあり、全日本GT選手権で大きな活躍はできなかったが、マクラーレンF1 GTRは大成功を収めたマシンだった。

レーシングモデル28台を含む総生産台数106台の超希少車のマクラーレンF1 GTRは、レギュレーションによりGTマシンで争われることとなった1995年のル・マン24時間で総合優勝を果たす。

そんな世界最強のGTカーが日本の全日本GT選手権に参戦したのはル・マン制覇の翌年の1996年で、チームラークマクラーレン(後のチーム郷)が2台のマシンをGT500クラスにエントリーした。

その2台のマクラーレンF1 GTRは全レースでポールポジションとファステストラップを記録し、全6戦中4勝を挙げ圧倒的な速さでシリーズを制した。

しかしその速さが仇となり、GTAは度重なる馬力規制やバラストによるハンデを課すこととなり、チームラークマクラーレンは翌1997年以降の参戦を辞退した。

2003年全日本GT選手権第2戦にて

その後1999年にチームTAKE ONEがロングテールバージョンで復活を遂げ2002年まで参戦し、2003年と2005年には一ツ山レーシングがエントリーをしている。

ランチア・ラリー037

出典:https://nitter.pussthecat.org/pic/media%2FEdLOV8EVAAAvLv4.jpg%3Fname%3Dsmall
DATA
  • 参戦時期・・・1994年
  • チーム・・・ROSS Competition

1982年の世界ラリー選手権(WRC)でマニュファクチャラーズチャンピオンになったランチアのラリー037。

言わずもがなラリー界の名車だが、じつはのマシン全日本GT選手権に参戦していたのだ。

ロッソコンペティションにより全日本GT選手権のレギュレーションに合わせて改良されたランチアラリー037は、1994年第3戦の富士スピードウェイ戦にGT1(現GT500)クラスにエントリーした。

しかしギヤ比はラリー仕様のクロスレシオのままで、富士の長いストレートでなんと170km/hしか出せなかったのだ!

結局GT2(現GT300)クラスの最後尾とほぼ同様のラップタイムしか記録できず、決勝では7周遅れで完走し、この1戦限りで参戦を終了した。

ポルシェ・962C

2016年鈴鹿サウンドオブエンジンにて
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  • 参戦時期・・・1994年
  • チーム・・・TEAM TAISAN

今回は全日本GT選手権に参戦したスーパーカーということだが、最後に番外編ということでポルシェ962Cを紹介しよう。

おいおい完全なレーシングカーだろ・・・というよりGT選手権なのにGTじゃなくて純レーシングカーが出場していいのかよ!

どうやら黎明期は参戦が許されていたようだ・・・。

ポルシェ962はポルシェ社がル・マン24時間やIMSA用に開発製造したプロトタイプカー。いわゆるCカーで、1985年に変更された安全基準に合わせて962Cとなった。

そんな純レーシングカーが全日本GT選手権に参戦したのはシリーズ初年度の1994年だった。

このマシンをエントリーさせたのは先のフェラーリF40と同じくチームタイサン。そう、チームタイサンはポルシェ962CとフェラーリF40の2台体制だった(どんだけ資金があるんだ!?)。

しかし純レーシングカーをGTカーと競わせるため、運営側は300kgのウエイトを積んだりリストリクターでエンジン出力を絞ったりしたが、それでも第1戦と第3戦でポールポジションを獲得し、第3戦では優勝(優勝ドライバーの1人は近藤真彦選手)も記録した。

やはりレーシングカーとGTカーではポテンシャルが違いすぎるのだ。

だがその後ライバルの国産ワークス勢がマシンの改良によりタイムアップをしていく中、ポルシェ962Cは規制が多くタイムアップは困難だったため、1994年限りで参戦を中止した。

ちなみにこの1994年全日本GT選手権の第3戦での勝利が、名車ポルシェ962Cが記録したメジャーレースでの最後の優勝となった。

まとめ

今回は全日本GT選手権黎明期にGT500(GT1)クラスで参戦した伝説のスーパーカーを5台紹介してみた。

メーカー車種参戦時期
ランボルギーニカウンタック1994
フェラーリF401994-1996
マクラーレンF1 GTR1996,1999-2003,2005
ランチアラリー0371994
ポルシェ962C1994

世界でも有数のGTカーレースとして認知されている今日のスーパーGTは、特にGT500クラスでは日本を代表する3メーカーの開発競争が繰り広げられている。

しかしスーパーGTの前身である全日本GT選手権時代の黎明期はまだまだおおらかな時代で、今回挙げた伝説のスーパーカーもGT1(GT500)クラスに参戦できたのだ。

その後、1996年に当時の世界最高峰GTマシンであるマクラーレンF1 GTRの参戦でその開発競争が一気に底上げされ、3メーカーによりマクラーレンはシリーズから追い出されてしまったが、結果、日本の3メーカーが本気で戦う場に変わっていった。

私としては今後スーパーGTがさらに世界に躍進し、GTカーのF1となってもらい、フェラーリやマクラーレン、ランボルギーニなど世界のスーパーカーメーカーが参戦して、いわゆる最新のハイパーカーによる戦いの場になってもらいたいと思っている。

そう、全日本GT選手権黎明期のようなマシン構成で、戦闘力は今と同様に各車一進一退。

えっ?FIA GT選手権(1997-2009)があったじゃないかって?

いや、あのシリーズにはカリスマがいなかった。

しかしスーパーGTを司るGTAには日本のバーニー・エクレストンこと坂東正明代表がいる!

彼ならばできる・・・気がする・・・。

以上、最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。