人気記事:『ミニカーで振り返るF1マシン』シリーズ

日産ヘリテージコレクション観覧記①スーパーGT/JGTC Part1編

今回は神奈川県へ。

最近行なっている旧東海道踏破の旅・・・ではなく、日産座間工場跡地の一角にある、日産ヘリテージコレクションの観覧ツアーに参加してきました。

今までに多くの自動車メーカー系博物館を訪れた私ですが、各企業のそれとは違い、展示というよりも超巨大なガレージといった感じ。

ただ、ラインナップは他を圧倒しており、クルマ好き、モータースポーツファンにとってはまさに楽園。

ヘリテージコレクションを和訳すると遺産収集品とのことらしいのですが、その名に恥じぬ歴史的遺産が凝縮した施設でした。

では、館内の車両の中から、今回はスーパーGT/全日本GT選手権マシンを紹介します。

予約から見学までの流れ

と、ここから車両紹介といきたいのですが、その前に、少し複雑な日産ヘリテージコレクションの観覧手順について簡単に紹介しておきます。

見学は完全予約制で、下記のサイトから予約をします。

https://www2.nissan.co.jp/HERITAGE

開催は不定期(サイトのカレンダー参照)で、開催時間は10時から11時30分と14時から15時30分の2部制。各会30人の募集となります。

不定期開催で1日60人ということで、予約はかなり困難。私は9月6日に予約サイトを確認したところ、10月25日の14時からの枠で運よく予約することができました。

見学当日は開始の10分前までに日産座間事業所(旧座間工場)2地区の正門から入ります。

私は40分ほど前に正門から入り、正面の駐車場に停車して守衛さんに通行許可証をいただき、13時30分になったら見学者用駐車エリアまで移動。

ライバルメーカー勤務で他メーカーのクルマで乗りつけた私に、愛想よく対応してくれた守衛さん、ごめんなさい。そして、ありがとうございます。

そこから見学者用送迎バスに乗り、3分ほどでヘリテージコレクションの入り口に到着しました。

開始時間までは、エントランスホールでしばし観覧し、14時になると今回の来場者(20人ぐらい)はエントランス横の部屋に集められ、日産の歴史ビデオを15分ほど視聴します。

プリンス自動車との合併や、ルノーとの資本提携などが紹介されていましたが、功労者のカルロス・ゴーン元社長の名前が一切出なかったのがちょっと不自然でした・・・。

余談ですが、案内してくれた女性スタッフさん、超美人でした。

そして、ビデオが終了すると、見学者が2班に別れて展示場へ。

扉が開くと、そこにはとんでもない数の車両が目の前に広がり、まさに圧巻の光景でした。

レーシングマシンもご覧の通りで、モータースポーツファンとしては涎もののラインナップです。

その後は美人スタッフさんにより20台ほど車両を紹介。そして自由見学の時間に。という流れです。

では、自由時間で撮影した車両の中から、今回はスーパーGTと前身の全日本GT選手権のマシンを紹介します。

ペンズオイルニスモGT-R(1999年ニスモ)

冒頭でも書いた通り、日産ヘリテージコレクションは自動車博物館というよりも超巨大なガレージといった感じで、車両の横に簡単な説明はあるものの、車両をより美しく見せるためのライティングなどはせず、車両間隔も狭く、通路も狭い。

しかし、この場所だけは別で、5台のマシンがある程度の隙間を開けて、ライティングで照らされていました。

その中心にいたのが、1999年のペンズオイルニスモGTR。ちょうどこの年にデビューしたR34のスカイラインGT-Rです。

やっぱりR34はカッコいい! そしてペンズオイルカラーもまた最高だ!

ペンズオイルのR34はデビュー戦で2位表彰台を獲得すると、MINEで行われた第4戦で優勝し、結果、この年は4度表彰台に上がり、エリック・コマスがドライバーズタイトルを獲得しました。

向かって右にあるのが最終年の2003年のR34ですが、それと比べると市販車の面影を残すこの1999年マシンのスタイリングは絶品ですね。

カリカリに空力パーツで武装する近年のGTマシンと比べると、リヤもまた市販車の面影を残していて好感が持てます。

うっとりする美しさで、ずーっと観ていたい・・・。

モチュールピットワークGT-R(2003年ニスモ)

そのとなりに展示されていたのがニスモの2003年マシン、モチュールピットワークGT-Rです。

こちらはR34 GT-Rの最終年のマシンですが、全日本GT選手権は年々開発競争が激化しており、

となりの1999年マシンと比べると、顔の前面投影面積が少なくなり、ボンネットは低く、フェンダーの形状は湾曲して、市販車からかけ離れて行った感があります。

リヤは逆に市販車同様に日産のエンブレムが装着され、SKYLINEのロゴもあり、ナンバープレートを装着するための窪みもあり、市販車に回帰したような形状です。

こうした、新旧マシンを見比べることができるのも、多くのマシンがあるヘリテージコレクションの素晴らしいところです。

モチュールオーテックZ(2007ニスモ)

メイン展示の3台目が2007年のモチュールオーテックZ。

日産陣営は2004年よりR34 GT-Rに替わり、フェアレディZをGT500クラスのベースマシンとして投入しましたが、その4年目のマシンがこちらです。

日産には、GT-RとフェアレディZという、2台の伝統的なスポーツカーブランドがありますが、GT-Rはプリンス自動車の系譜。フェアレディZこそが日産の純粋な血統を持っているスポーツカーなのです。

とはいえ、全日本GT選手権はGT-R参戦のためにできたカテゴリーとも言われており、そのGT-RがGT500クラスから居なくなったのは、私たちファンにとっては残念でした。

まあ、Zも十分にカッコいいんですが・・・。

トミカZ(2010ハセミモータースポーツ)

メイン展示4台目は2010年のハセミモータースポーツのGT300マシントミカZ。GT500マシンと比べると、より市販車らしいデザインですね。

そしてハセミモータースポーツの代表、長谷見昌弘といえば、グラチャン時代に一世を風靡したトミカカラー。でも、私たちが知るハセミのトミカカラーといえばレッドなんだよなあ。

ハセミモータースポーツは前年の2009年までGT500クラスに参戦していましたが、この年よりGT300にクラス変更をし、初年度にチャンピオンを獲得。しかしこの年を最後に撤退しました。

ということで、ハセミモータースポーツの最後のスーパーGTマシンをメインで展示してくれているのは嬉しいことです。

モチュールオーテックGT-R(2013ニスモ)

メインステージ最後の5台目は、2013年のニスモのマシン、モチュールオーテックGT-Rです。

2008年にフェアレディZを引き継いで、R35 GT-Rで参戦した日産陣営は、この年がR35として6年目のシーズンになります。

ただ、スーパーGTを見ない方にとっては、「これがR35 GT-R?」と思われるほど、フロントはぺたんこ・・・。

リヤピラーの折れ具合だけで、なんとなくR35のシルエットを保っています・・・。

テールエンドのデザインも、市販車のボリュームあるデザインがまったく表現されていません。

GTAも市販車とかけ離れすぎたデザインを危惧したのか(そうじゃない)、翌2014年からDTM(当時)と共通モノコックとしたクラス1規定になり、だいぶ市販車のR35 GT-Rに近くなりました。

でも、個人的にはブサカッコいいこの頃のGT500マシンが嫌いではありません。

ペンズオイルニスモGT-R(1998ニスモ)

そしてホールの奥には、R33とR34の2台のスカイラインGT-Rが並んでいました。

こちらはR33最終年のペンズオイルニスモGT-R。

GT-Rの中では人気のないR33ですが、GTマシンに架装するとボリュームのあるデザインがなかなかカッコいいです。

んっ!?独眼竜??

そう、当時はヘッドライトの片方をエアインテークとして使っていたんですよね。

カルソニックスカイライン(2002チームインパル)

そしてこちらがチームインパルの2002年マシン、R34 GT-Rです。

インパルといえばカルソニックブルー。このカラーリングはインパルの歴史そのもの。

2025年に東京ラヂエーター製造(TRS)がタイトルスポンサーになり、ブルーのカラーリングを引き継いでくれたことが嬉しかったなあ。

リヤエンドに書かれたSKYLINEの文字がイイですね。

そういえばインパルのマシン名はカルソニック”GT-R”ではなく、カルソニック”スカイライン”としていて好きでした。

今回はここまでとします。

日産ヘリテージコレクションには、レーシングマシンだけでも膨大な量があり、スーパーGTや全日本GT選手権のマシンもまだまだありました。

そこで次回も引き続きGTマシンを紹介しますので、興味のある方はぜひお楽しみにしてください。

面倒ですがポチッとお願いします

人気ブログランキング
人気ブログランキング

関連記事

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

188人の購読者に加わりましょう
よかったらSNSでシェアお願いします!



サーキットでの興奮をあなたに伝えたい
MOTORSPORT観戦記

サーキットは非日常を味わえる特別な空間です。そんな素晴らしいモータースポーツの世界を、ひとりでも多くの方に伝えたい・・・。そんな思いでMOTORSPORT観戦記と題し、記事に認めました。




コメントを残す

ABOUT US
大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。