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ノリスが初のF1世界チャンピオンに!

マックスの復調により混戦になった今年のF1ドライバーズタイトル争いですが、最終戦アブダビでついに決まりましたね。

2025年F1世界選手権のドライバーズチャンピオンはランド・ノリス。F1参戦6年目、初の栄冠を手にしました!

初タイトル、しかも最終戦までなかなか決まらなかったこともあり、マシンを降りた後のノリスの喜びようはもの凄く、またファンや関係者のみんなに愛されるノリスなので、その祝福もまた凄かった。

では、そののノリスの最終戦を振り返ってみましょう。

ノリスは今回、表彰台に上がれば自力でタイトル獲得ということで、完全に守りの展開。

2番グリッドからスタートを決めたノリスでしたが、早々にピアストリにオーバーテイクを許し3番手に後退。

その後は失うものがない4位ルクレールがギリギリの走りでDRSを使いアタックを試みるも、ノリスは要所を押さえてしっかりと3位をキープします。

ペースをコントロールしてタイヤを温存していたノリスは、酷使したルクレールに対して少しずつ差を広げ、17周目の終わりにノリスがピットインするとルクレールも続きます。ノリスはミディアムからハードに交換。

ノリスがコースに戻ると、ポジションは団子状態でバトルをする混戦の9番手でしたが、すぐにアントネッリを抜き8番手に上がり、さらにはホームストレートでサインツをオーバーテイクし7番手に。

さらに19周目の裏ストレートでは、ストロールとローソンを2台抜きして一気に5番手までポジションアップします。

その後3位を走るオコンがピットに入り、4位に上がったノリスの次の相手は角田くん。

マックスをチャンピオンにさせたいレッドブルは角田くんに対し、ノリスを抑えるように無線が入ります。

しかしハードタイヤでここまで無交換の角田くんと、まだ新しいタイヤのノリスとでは速さの差は歴然。

ということでノリスはすぐにバックストレートで角田くんに並ぶのですが、角田くんはストレートを蛇行しながらノリスをコース外に押し出します。

角田くん、ちょっとやりすぎ・・・と思いましたが、ノリスは怯まずコース外からオーバーテイクを決めます。

角田くんはストレートでの2度の進路変更により5秒のペナルティを受けますが、チーム離脱が発表されても最後までしっかりとチームの作戦を遂行する角田くんはさすが。

あれ以上やると、接触やスピンオフしてノリスがチャンピオン争いから離脱しかねないので、あれがギリギリのライン。クラッシュゲート事件のようになったらかないませんからね。

ちなみにコース外で追い抜いたノリスですが、FIAは『接触を避けるために仕方なしにコース外に出たから問題なし』という判断。一部でこの判断が問題視されているようですが、まあ、私としてもFIAの言う通りだと思います。

ということで、23周目にノリスが3位に戻り、それを見てトップのマックスが24周目に1回目のピットストップをしてミディアムからハードに変更。ノリスとマックスのタイヤの差は7周になります。

ノリスはそのまま最後まで走り切ることもできたのですが、後ろを行く4位ルクレールがピットインし、代わりに4位になったラッセルとは26秒以上のアドバンテージがあるので、41周目に最後のピットストップを行い、ハードからハードへ交換。さらに上位を目指すのではなく、完全に3位を盤石にする作戦です。

そしてレース終了。

優勝はマックスで2位にピアストリ、そしてしっかりと3位に入ったノリスが、F1参戦6年目にして、初の栄冠を手にするのでした。

現行のマシン規定の基本は2022年から5年目で、パワーユニット規定は2014年から12年目ということで、マシンもパワーユニットも成熟しきった今シーズンはかなりの僅差。マシンの僅かなセッティングの誤りや、ドライバーのミスでトップから脱落することも多いシーズンでした。

そんな中、前半はマクラーレンが優位にシーズンを進めるも、自身のドライビングに合っているピアストリが優勢。

ノリスはチームメイトを追いかける前半戦でしたが、中盤戦からしっかりとアジャストして、第20戦メキシコシティグランプリでノリスが選手権トップに躍り出ます。

同じく中盤戦から復調したのがマックス。一時は104ポイントあったポイントリーダーとの差をみるみる詰めて、最後にはチャンピオンシップ争いに加わりました。

24戦で行われた2025年シーズンを前半12戦と後半12戦に分けて勝利数を見ると、ご覧の通りになります。

ドライバー前半戦後半戦通算
ノリス4勝3勝7勝
フェルスタッペン2勝6勝8勝
ピアストリ5勝2勝7勝
その他1勝1勝2勝
※スプリントでの勝利は除く

前半はピアストリで後半がマックスの図式が歴然です。

そんな中、ノリスはコンスタントに勝利を上げて、後半は開発のリソースを来年のマシンに回してほぼアップデートが行われないマクラーレンのマシンでも、自身のドライビングでしっかりとポイントを積み重ね、王者になるのでした。

これまでF1王者になった面々をあらためて考えてみると、とにかく自己中心的で、ちょっと性格としてはイマイチな人たちばかりでしたが、ノリスは人柄の良さが滲み出ているとってもイイやつ。ドライビングミスが原因でリタイヤを余儀なくされると、他のドライバーやマシンのせいにするのではなく自分を戒める言動が多々あり、日本人的でとっても好感が持てます。

そんなノリスがチャンピオンになったので、表彰台でのファンやチームスタッフ、F1関係者の盛り上がりは凄かった。

イイやつでも王者になれるですね。

F1ドライバーはチャンピオンになるとドライビングに余裕が生まれてさらに強くなります。

まあ、来年はマシンとパワーユニットのレギュレーションが大きく変更されるので、ワークス勢が優位になることは間違いなく、いくらマクラーレンといえど、厳しいシーズンになるだろうけど、さらに強くなるカーナンバー1がどれだけ活躍するか、今から楽しみですね。

ノリス、オメデトー!!

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。