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フェラーリSF71H PU時代フェラーリ最高傑作もミスに泣いたマシン【ミニカー#69】

1/43のミニカーを実車のように撮影し、実車の現役時代を紹介するこのコーナー、今回はフェラーリが2018年のF1に参戦するために開発した、フェラーリSF71Hを取り上げていきたいと思います。

マシンデータと戦績

まずはフェラーリSF71Hの主要諸元をチェック。

年式2018年
カテゴリーF1
チームフェラーリ
マシン名SF71H
デザイナーマッティア・ビノット(テクニカルディレクター)
シモーネ・レスタ(チーフデザイナー)
エンジンフェラーリ062 EVO

つづいてフェラーリSF71Hの戦績を見てみる。

コンストラクターベッテルライコネン
シーズン順位2位2位3位
シーズンポイント571P320P251P
優勝6回5回1回
ポールポジション6回5回1回
ファステストラップ4回3回1回

マシンは良かったが詰めの甘さが目立ったシーズン

2018年2月22日にマラネロで発表されたフェラーリSF71Hは、名称からも分かるとおり前年のフェラーリSF70Hの正常進化バージョンで、ホイールベースの延長やスリム化されたリヤエンドに前年型からの変化が見られる。

このフェラーリSF71Hは、開幕からベッテルが2連勝と好スタートのシーズンだったが、前年同様にシーズン後半から失速し、またもメルセデスを相手にチャンピオンを逃した。

失速の原因はいくつかあるが、まずはドライバー面。

ほとんどミスを犯さないメルセデスに乗るハミルトンに対し、ベッテルは度重なるスピンや接触を犯し、特にベッテルの地元で行われたドイツグランプリではトップ快走中に痛恨の単独スピンをして、それがチャンピオン争いに致命的なダメージとなった。

そしてチーム戦略でも、ほぼ完璧なメルセデスの戦略に対して、随所に大きな決断ミスを連発した。

マシンの出来はよかったのに、ドライバー面、チーム面ともに、詰めの甘さが目立った2018年シーズンだった。

フェラーリSF71Hのミニカーを実車のように撮る!

それでは1/43のフェラーリSF71Hを撮影していこうと思う。

もちろんテーマはいつものように、『実車のように撮る!』。

ピットガレージで待機するフェラーリSF71Hのカーナンバー5は、セバスチャン・ベッテルのマシン。

この年からレギレーションによりマシンの全幅とリヤウイングの幅が拡大したため、マシンはワイドアンドローで迫力を増している。

フラップが多くの枚数で構成される、複雑な形状のフロントウイングが、この年のトレンドだった。

ちなみに翌2019年からフラップが5枚までに制限された。

この2018年からドライバーの頭部保護デバイスであるHALOが導入された。

当初は見た目が不恰好なことから不評だったが、2年が経過した現在では、ほぼすべてのフォーミュラカーに導入されており、逆にマシンにHALOが付いていない方が物足りなく感じる。

その後、2020年サクヒールグランプリで、このデバイスの有効性が証明されることになる。

シャークフィンのトリコローレがこのフェラーリSF71Hの特徴。

エンジンカウルとリヤウイングには当初何も描かれていなかったが、日本グランプリからメインスポンサーのフィリップモリスが、新たなプロジェクトである『Misson Winnow』のロゴを掲げている(前述の実車写真参考)。

フェラーリSF71Hを、この年6回獲得したポールポジションの位置に移動する。

奥に見えるのは同じ2018年型マシンのレッドブルRB14。

このマシンの名称の由来は、『Scuderia Ferrariのモータースポーツ参戦71年のHybrid PU』から命名された。

参戦71年とはなんとも中途半端だが、前年がモータースポーツ参戦70周年で、その正常進化バージョンのマシンということでSF70H→SF71Hとなった。

毎年自身のマシンに女性の名前をつけるベッテルだが、このSF71Hにはローリアと命名した。

バックミラーは空気の気流が内部を通過する空洞ミラーを採用したが、このモデルでは残念ながら再現されていない。

鮮やかな艶のあるレッドで塗装されたこの年のフェラーリSF71Hだが、その塗装は翌年の2019年から一転してつや消し塗装になった。

以上、1/43のフェラーリSF71Hを実車のように撮影してみた。

今回登場したミニカー

今回撮影に登場したミニカーを紹介する。

【ixo製】フェラーリSF71H

2020年11月に発売されたデアゴスティーニF1マシンコレクションの101号で、イタリアのixoが製造している。

【ixo製】レッドブルRB14

同じくデアゴスティーニF1マシンコレクションの94号で、イタリアのixoが製造している。

【ixo製】ルノーR.S.18

こちらもデアゴスティーニF1マシンコレクションの102号で、ixoが製造している。

最後に

2014年からはじまったF1のパワーユニット時代は、2020年まですべてのシーズンでメルセデスがドライバーズとコンストラクターズのWタイトルを獲得しているが、この2017年シーズンはフェラーリがもっともメルセデスに近づいたシーズンだった。

しかし前述のとおり、メルセデスの牙城を崩せなかった原因はドライバーとチームのミスによるところが大きく、マシンの完成度ではフェラーリSF71HはメルセデスW09に引けを取らなかったように思える。

やはりF1はマシンだけではなく、ドライバーとチームが1年を通してミスをいかに減らすかが、チャンピオン獲得の条件であることを知らされたシーズンだった。

以上、今回は1/43のフェラーリSF71Hを実車のように撮影し、実車の現役時代を振り返ってみた。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。