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【観戦記】2025年WEC富士③ハイパーカー全8台紹介編

今回も2025年WEC富士の観戦記。

グランドスタンドでスタートから序盤戦の争いを楽しみ、その後はファンゾーンへ。

そして、今度はGRスープラコーナーとダンロップコーナーに移動して、今年のハイパーカーをじっくりと撮影してみたいと思います。

アストンマーティン・ヴァルキリー(LMH)

今年WECのハイパーカークラスに加わったニューマシンが、アストンマーティンのヴァルキリー。

F1など多くのアストンマーティンのマシンと同様にブリテッシュグリーンのカラーリング施されたヴァルキリーは、流れるようなボディラインがとても美しかったです。

それにも増して良かったのがエンジン音。

近年は多くのカテゴリーが過給機付きになり、WECハイパーカーも多くがV6やV8のターボハイブリッドを搭載する中、このマシンはノンハイブリッドのV型12気筒NAエンジンを搭載しているため、高音のイイ音色を奏でていました。

まあ、耐久レースである程度回転を抑えていて、排気量が6.5Lなのでシリンダー当たりの排気量が541ccもあるので、私の大好きな2000年代のF1エンジンのような澄んだ音色ではありませんでしたが、やっぱりレーシングマシンはNAがいいのだ、と再認識しました。

ちなみにそのV12エンジンはあのコスワース製。さすが生粋のレーシングエンジンビルダーだけあり、いい仕事をします。来年からF1同様にホンダにする、なんて言わないでね。

そんなヴァルキリーは、デビュー以来苦戦続きのレースが続きましたが、この富士では予選3位を獲得し、レースでも順調に上位でレースをしていました。

キャデラック・Vシリーズ.R(LMDh)

こちらはキャデラックVシリーズ.R。ポールスタートからホールショットを決めたキャデラックですが、スタートから1時間半が経過しても12号車が依然トップを走行しています。

昨年はブルーのカラーリングだったキャデラックですが、今年チップガナッシレーシングからハーツチームジョタに運営が変更になり、ジョタのおなじみのカラーに変更されています。

うーん、このカラーリング、ポルシェのイメージがまだ抜けない・・・。

そういえば、昨年のWEC富士でマシンの『JOTA』のロゴを『ジョタ』とカタカナで表記して、日本のファンにサービスしてくれましたが、今年はやめてしまったようです。

昨年出店していたジョタのブースも今年は無く、日本のファンにとっては寂しいですが、レース展開はここまで盤石です。

プジョー・9X8(LMH)

こちらは今回BoPのおかげで好調のプジョー9X8。

驚きの羽根無しスタイルで当時した9X8ですが、さすがにやり過ぎで昨年から翼を授かったプジョー。

ヘッドライトやテールライト、

そしてコクピット上の三角のエアインテークと、それに続く立髪のようなシャークフィンなど、他のLMHマシンと比べるとスタイリングは群を抜いています。

ただ、カラーリングはかつてのグレーが好きだったなあ。

アルピーヌ・A424(LMDh)

こちらはアルピーヌのA424です。

フランスのレーシングカーコンストラクターオレカの製造したマシンに搭載されるのは、メカクロームがFIA-F2に供給しているV6ターボを大幅改良したエンジンらしい。

ということは、F1風にシャシーコンストラクター+エンジンで表現すると、オレカ・メカクロームになる・・・アルピーヌじゃないじゃん。

そんなA424は、アルピーヌの市販車を彷彿とさせるフレンチブルーのカラーリングとフォグランプ(補助灯?)がフロントの特徴ですが、このマシンの特徴はなんといってもリヤにあります。

こちらがA424のリヤスタイル。AlpineのAをあしらったテールランプが非常に目を引くデザインです。

そんなアルピーヌA424は2024年のデビュー以来、厳しい成績が続きましたが、この富士では波乱のレース展開を味方につけて、初勝利を上げることになります。

トヨタ・GR010 HYBRID(LMH)

そしてこのマシンがトヨタのGR010 HYBRID。

昨年からブラックのカラーに変わりオーラが出まくっていますが、デビューが2021年とどのハイパーカーよりも古い設計で、少々古さを感じます。

ただ、性能は今でもフェラーリ499Pと並びトップクラスのGR010 HYBRIDですが、今回も厳しいBoPにより低迷しています。

ラップタイムが速いと重量を重くされ、トップスピードが速いと250km/h以上のパワーが削がれるBoP。過度なBoP介入にはちょっとどうかと思いますが、まあ、それもあって多くのメーカーが参入してWECが盛り上がっているので、致し方ないのかなあ。

でも、250km/hの-7.7%ゲインでストレートで追い抜かれるトヨタのマシンはかわいそすぎる。トップスピードを同じにするためのBoPのはずなのに、ねえ。

このWEC富士の後に、来年デビューするエボリューションモデルを公開したトヨタ。来年の巻き返しに期待です。

フェラーリ・499P(LMH)

ル・マン24時間3連覇を達成したフェラーリ499P。今年は選手権でもトップをひた走る、ハイパーカーの最強マシンです。

WECハイパーカーはレギュレーションにかなりの自由度があり、499Pのリヤディフューザーは複雑な形状をしています。

F1にコストキャップ制が導入されたため、ハイパーカーでのデータをF1にフィードバックされているのかも、と思い調べてみると、マシン開発はF1部門ではなく耐久レース部門で、ザウバーの風洞を使用して製造はダラーラ。ちなみにチーム運営はAFコルセです。

ということで、F1とは切り離して開発運営がなされているようです。

尚、499Pは3台がエントリーしていますが、WECハイパーカークラスは同一チームで2台までしかエントリーが出来ないため、フェラーリレッドの2台がフェラーリAFコルセで、イエローの1台がAFコルセとなります。

ポルシェ・963(LMDh)

こちらは耐久王ポルシェの963です。

LMP1時代の919 HYBRIDは極端に低いエンジンカウルの攻めたデザインでしたが、マルチマチック社が製造する963は超オーソドックスといった印象。

他のハイパーカーに比べるとフロントの開口部が控え目で、往年のCカーに少しだけ近いような感じもあります。

リヤは近年のポルシェの市販車と同様に、横一線のテールランプに『PORSHE』のロゴが入ります。

そんなポルシェ963はフェラーリ499P同様に3台がエントリー。

ワークスチームの2台はペンスキーが運営し、もう1台がカスタマーのプロトンコンペティションのマシンになります。

そのポルシェは、WEC富士終了後に2025年限りでWECからの撤退という、電撃発表をしました。

IMSAには2026年も参戦するとのことですが、はたしてWECのカスタマーでの参戦は継続されるのか。

BMW・M Hybrid V8(LMDh)

最後はBMWのM Hybrid V8。

どデカいキドニーグリルでBMWのマシンだということは一目瞭然ですね。

昨年はBMWらしいホワイトベースのレッド、ダークブルー、ライトブルーのカラーでしたが、今年はブルーとレッドと2台の色を分けていました。

ということで、今回は2025年のハイパーカーを紹介してみました。

次回もWEC富士の観戦記を書いていきたいと思いますので、興味のある方はお楽しみに。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。