スーパーGT GT500クラスに参戦するもっとも異色なチームなチームといえば、おそらくレーシングプロジェクトバンドウと答える方が多いでしょう。
爆走坂東組とちょっとヤバめな異名の通り、創業者の坂東正明さんを筆頭とした参戦当初の武勇伝は有名です。
そんなバンドウのGT参戦は全日本GT選手権時代の1997年。当初はGT300クラスからのエントリーでした。
群雄割拠のGT300クラスで参戦初年度になんとチャンピオンを獲得。その後も常にトップコンテンダーとして活躍し、2011年に念願のGT500クラスにステップアップをします。
それではGT500クラスでの歴史を振り返ってみましょう。
敬称について
現役選手の敬称については〇〇選手と表記すれば失礼がないと思いますが、引退選手の敬称についてはどのように表記すればいいのか・・・いつも悩んでしまいます。
〇〇元選手?それとも〇〇氏?いやちょっと硬いですね。では〇〇さん?うーん、チカラが抜けてしまいます。
色々考えましたが、現役時代のことについて書くため引退選手に関しても〇〇選手と表記します。
ちょっと違和感があるかもしれませんがあしからず。
2011年
- ドライバー:片岡龍也/荒聖治
- マシン:SC430
- タイトルスポンサー:ウェッズスポーツ/アドバン
- タイヤ:ヨコハマ
- ドライバーズランキング:13位
- チームズランキング:13位
レーシングプロジェクトバンドウがGT500クラスに参戦を開始したのが2011年でした。
この年のドライバーはGT300クラスで前年まで2年間バンドウに所属し、同チームで2009年のドライバーズチャンピオンに輝いた片岡龍也選手と、ル・マン24時間で総合優勝を達成した荒聖治選手のコンビ。
GT300参戦2年目からバンドウをサポートする自動車用ホイールを中心とした自動車部品製造のウェッズスポーツと、同じくGT300時代から長年付き合いのある、ヨコハマタイヤのブランド、アドバンの2社がタイトルスポンサーに名を連ねました。
マシンはレクサスSC430、当然タイヤはヨコハマを装着して参戦。
そんなGT500クラス参戦初年度の成績は13位と厳しいシーズンでしたが、第2戦の富士戦では3位表彰台を獲得しました。
2012年
- ドライバー:荒聖治/アンドレ・クート
- マシン:SC430
- タイトルスポンサー:ウェッズスポーツ/アドバン
- タイヤ:ヨコハマ
- ドライバーズランキング:9位
- チームズランキング:9位
GT500参戦2年目の2012年はドライバーが片岡龍也選手からアンドレ・クート選手に変更。ちなみにクート選手は2000年のマカオグランプリの優勝ドライバーです。
この年は第6戦富士と第7戦オートポリスで3位表彰台を獲得し、シーズンランキング9位と前年よりも成績を上げました。さらにオートポリスでは、チームとして初のGT500ポールポジションを獲得しています。
2013年
- ドライバー:荒聖治/アンドレ・クート
- マシン:SC430
- タイトルスポンサー:ウェッズスポーツ/アドバン
- タイヤ:ヨコハマ
- ドライバーズランキング:14位
- チームズランキング:14位
2013年はドライバー、マシン、タイトルスポンサー、タイヤなど、すべて前年から踏襲しましたが、表彰台はおろか最高位が6位とシーズンを通して成績が上がらず、ランキング14位と燦々たる結果でした。
2014年
- ドライバー:脇阪寿一/関口雄飛
- マシン:RC F
- タイトルスポンサー:ウェッズスポーツ/アドバン
- タイヤ:ヨコハマ
- ドライバーズランキング:15位
- チームズランキング:13位
2014年は大きくチーム体制を変更します。
まずドライバーは3度のGT王者Mr.GTと呼ばれる脇阪寿一選手が加入。脇阪選手のチームメイトにはGT500発参戦の関口雄飛選手がチームに加わります。
マシンは長年レクサス勢のマシンとして使われたSC430に別れを告げ、この年からRC Fを導入します。
しかしこの年も成績は上がらずシーズン最高位は6位で、ドライバーズランキングは15位に終わりました。
2015年
- ドライバー:脇阪寿一/関口雄飛
- マシン:RC F
- タイトルスポンサー:ウェッズスポーツ/アドバン
- タイヤ:ヨコハマ
- ドライバーズランキング:11位
- チームズランキング:10位
2015年の体制は前年と変わらず。
成績はドライバーズランキング11位とやや成績を上げましたが、この年も表彰台は獲得できず、最高位は第5戦鈴鹿の4位でした。
ちなみにこの年はアップガレージとタイアップしてGT300クラスにも久々に参戦しました。
2016年
- ドライバー:関口雄飛/国本雄資
- マシン:RC F
- タイトルスポンサー:ウェッズスポーツ/アドバン
- タイヤ:ヨコハマ
- ドライバーズランキング:4位
- チームズランキング:4位
2016年は2年間在籍した3度のGT王者脇阪寿一選手が前年でGTを引退し、チームルマンから国本雄資選手が加入。チーム在籍3年目となる関口雄飛選手とコンビを組みます。
そんな若手ドライバーのコンビで挑んだ2016年シーズンのレーシングプロジェクトバンドウは、素晴らしい年となりました。
ハイライトはチャーンインターナショナルサーキットで行われた第7戦。灼熱のタイで行われたこのレースでヨコハマタイヤがバッチリと機能し、GT500 2度目のポールポジションを獲得します。
さらに決勝でもヨコハマタイヤがチャーンの路面にマッチし、GT500参戦以来初の優勝を果たしました。
ツインリンクもてぎ(現在モビリティリゾートもてぎ)で行われた最終戦でも3位表彰台を獲得して、ドライバーズランキング4位に躍進。
このシーズン成績は2023年現在、レーシングプロジェクトバンドウとして最上位のランキングです。
2017年
- ドライバー:関口雄飛/国本雄資(/山下健太/小林可夢偉)
- マシン:LC500
- タイトルスポンサー:ウェッズスポーツ/アドバン
- タイヤ:ヨコハマ
- ドライバーズランキング:13位
- チームズランキング:12位
前年同様の関口雄飛選手と国本雄資選手のコンビで挑んだ2017年シーズン。第2戦ではWEC(世界耐久選手権)に参戦する国本雄資選手の代役で当時GT300に参戦中だった山下健太選手が出場。さらに第6戦ではサードドライバーとして小林可夢偉選手を起用しています。
この年からレクサス勢はマシンをLC500にスイッチしました。
さて、成績は前年の躍進から一転し表彰台も獲得できず低迷。ドライバーズランキング13位に終わりました。
ちなみにアップガレージとタイアップしてGT300クラスに参戦したバンドウでしたが、この年を最後にタイアップは終了しています。
次のページでは2018年のレーシングプロジェクトバンドウを紹介します