モータースポーツ中毒者のぴぴと申します。
F1チームのマシン名、メルセデスのW〇〇、アルファロメオのC〇〇、ハースのVF-〇〇、少し前までのマクラーレンMP4-〇〇など、アルファベットにはどんな意味があり、数字にはどんな法則があるのでしょうか?
そこで今回は、F1チームのシャシー名について調べてみました。
ザックリ見出し
メルセデス
年度 | シャシー名 |
2019 | F1 W10 EQ Power+ |
2018 | F1 W09 EQ Power+ |
2017 | F1 W08 EQ Power+ |
2016 | F1 W07 Hybrid |
2015 | F1 W06 Hybrid |
2014 | F1 W05 (スペインGPよりF1 W05 Hybridに変更) |
2013 | F1 W04 |
2012 | F1 W03 |
2011 | MGP W02 |
2010 | MGP W01 |
2019年メルセデスのシャシー名は『F1 W10 EQ Power+』です。
かなり長ったらしい名前ですが、F1は当然Formula1、Wは戦前のグランプリマシンから使われており(W25=1934年・W125=1937年・W154=1938年など)wagen=自動車、10は2010年からの通し番号、EQ Power+はメルセデス(市販車)の電動車両につけるブランド名です。
2010年にワークス復活を遂げた際の名称はメルセデスGPで、当初はアルファベットの頭文字をとりMGP、自動車のW、復活後の通し番号で01で『MGP W01』と命名されました。
チーム名がメルセデスAMGに変更された2012年に、マシン名がMGPからF1に変わり『F1 W03』になります。
2014年、F1はエンジンからハイブリッドパワーユニットに変更になり、スペイングランプリより通し番号の最後にHybridが付きます。
そして2017年に前述のとおりEQ Power+というブランド名ができたのを機にHybridからEQ Power+に変更し現在に至ります。
フェラーリ
年度 | シャシー名 |
2019 | SF90 |
2018 | SF71H |
2017 | SF70H |
2016 | SF16-H |
2015 | SF15-T |
2014 | F14T |
2013 | F138 |
2012 | F2012 |
2011 | 150°イタリア |
2010 | F10 |
毎年脈絡なく名称変更するのがフェラーリです。
2019年のフェラーリのマシン『SF90』はスクーデリア フェラーリのチーム創設90周年から命名し、Scuderia Ferrari チーム創設90周年で『SF90』です。
2010年から見ていくと『F10』は、2010年のF1参戦用マシンから命名(FはFerrariではなくF1から)。
2011年の『150°イタリア』は、フェラーリの母国イタリアの統一から150周年を記念して『F150』と命名したが、『F-150』の商標を持つフォードから訴えられ『F150th イタリア』に変更したが、その後また変更し『150°イタリア』となりました。
2012年は、2001年から2008年までの西暦4桁ネーミングが復活し『F2012』となります。
2013年は、西暦2013年のV型8気筒エンジンから『F138』となり、復活した西暦4桁ネーミングは1年で飽きてしまいます。
2014年の『F14T』は、公募により2014年のターボエンジンから命名。
2015年の『SF15-T』は、スクーデリア フェラーリの2015年参戦のターボエンジン。
2016年の『SF16-H』は、スクーデリア フェラーリの2016年参戦のハイブリッドマシンから。
2017年の『SF70H』2018年の『SF71H』は、フェラーリのモータースポーツ参戦70周年・71周年(71周年!?記念でもなんでもないだろ!)にハイブリッドのHでそれぞれ『SF70H』『SF71H』。
以上、全く脈絡のないフェラーリのネーミングでした。
レッドブル
年度 | シャシー名 |
2019 | RB15 |
2018 | RB14 |
2017 | RB13 |
2016 | RB12 |
2015 | RB11 |
2014 | RB10 |
2013 | RB9 |
2012 | RB8 |
2011 | RB7 |
2010 | RB6 |
フェラーリの全く脈絡のないネーミングから一転、レッドブルは2005年の参戦以来一貫して通し番号を使っています。
RBは勿論レッドブルで、その後に通し番号が続きます。
ルノー
年度 | シャシー名 |
2019 | R.S.19 |
2018 | R.S.18 |
2017 | R.S.17 |
2016 | R.S.16 |
2011 | R31 |
2010 | R30 |
2009 | R29 |
2008 | R28 |
2007 | R27 |
2006 | R26 |
2019年のルノー『R.S.19』は、ルノースポールの2019年マシンという意味です。
ちなみにルノースポールとは、自動車会社ルノーのモータースポーツ部門です。
ルノーがコンストラクターとして初めてF1に参戦したのは1977年で、そのマシン名は『RS01』でルノースポールの1号機という意味でした。
1980年に送り出したマシンは『RE20』ですがREのEの意味はわかりませんので、どなたかコメント欄で教えてください。
2002年にコンストラクターとして復活した際の名称は、ルノーのRに西暦で『R202』になり、翌2003年からはルノーのRに西暦の短縮で『R23』となり、2011年の撤退までそのままの通し番号で使われます。
そして2016年に復活してからは、ルノースポールに西暦で『R.S.〇〇』となりました。
ルノーはコンストラクターとして復活するたびに、シャシー名のコンセプトを変えています。
ハース
年度 | シャシー名 |
2019 | VF-19 |
2018 | VF-18 |
2017 | VF-17 |
2016 | VF-16 |
ハースの2019年参戦マシンの名称は『VF-19』です。
『VF-19』の名称の由来は、親会社であるハースオートメーションが最初に製造した機械の名称VF-1からきています。
2016年から参戦の新興チームは、以来『VF-』に西暦をつけてマシン名としています。
マクラーレン
年度 | シャシー名 |
2019 | MCL34 |
2018 | MCL33 |
2017 | MCL32 |
2016 | MP4-31 |
2015 | MP4-30 |
2014 | MP4-29 |
2013 | MP4-28 |
2012 | MP4-27 |
2011 | MP4-26 |
2010 | MP4-25 |
名門マクラーレンの2019年のシャシー名は『MCL34』ですが、MCLとは勿論マクラーレンからで、34はマクラーレンとプロジェクト4が合併してからの通し番号です。
1966年、F1に初参戦したマクラーレンはマクラーレンのMに通し番号(F1以外も含む)で命名していましたが、1981年にロン・デニス率いるプロジェクト4と合併してからはMP4/〇〇(通し番号)と変更されます。
このMP4とは一般的にマクラーレン プロジェクト4と思われていますが、1981年のMP4/1発表時にマールボロ プロジェクト4と発表がありました。
1997年に『/』から『-』に変更されますが、この年メインスポンサーがマールボロからウェストに変わり、MP4のMの意味もマールボロからマクラーレンに変更になった(私の推測)と思われます。
2017年、前年11月にロン・デニスがCEOを解任されたことを受け、シャシー名がMP4からMCLに変更され現在に至ります。
レーシングポイント(フォースインディア)
年度 | シャシー名 |
2019 | RP19 |
2018 | VJM11 |
2017 | VJM10 |
2016 | VJM09 |
2015 | VJM08 VJM08B |
2014 | VJM07 |
2013 | VJM06 |
2012 | VJM05 |
2011 | VJM04 |
2010 | VJM03 |
2019年、レーシングポイントのマシン名『RP19』は勿論レーシングポイントの頭文字に西暦です。
前身のフォースインディアは『VJM』に通し番号でしたが、この『VJM』とはフォースインディアのオーナービジェイ・マリアから名付けられました。
アルファロメオ(ザウバー)
年度 | シャシー名 |
2019 | C38 |
2018 | C37 |
2017 | C36 |
2016 | C35 |
2015 | C34 |
2014 | C33 |
2013 | C32 |
2012 | C31 |
2011 | C30 |
2010 | C29 |
2019年、アルファロメオのマシンは『C38』ですが、『C』はクリスティーヌのC、38は通し番号です・・・ 。
クリスティーヌって誰?
38ってアルファロメオって今年からでしょ?
しっかり説明します!
ネーミングライツによりアルファロメオとなっていますが、運営はザウバーがおこなっています。
で、クリスティーヌとは誰か?
実は創設者のペーター・ザウバーの奥様の名前がクリスティーヌなのです。
ペーターさん奥様の名前をマシンに付けちゃうなんて、カッコ良すぎない?
そして通し番号ですが、1970年アマチュアレーサーだったペーター・ザウバーがヒルクライムに参戦するために自宅で作ったのが『C1』。
以来スイスのスポーツカー選手権・ルマン・世界耐久選手権と番号を積み上げ、メルセデスと提携してル・マンで優勝した『C9』は有名ですよね。
F1には1993年より『C12』で初参戦し、2019年にはその数字が38になりました。
ちなみに2006年から2009年までBMWザウバーとして参戦していた際、マシン名は『F1.06』『F1.07』『F1.08』『F1.09』でしたが、この時の4年間もカウントしている模様で、2005年『C24』から復活した2010年は『C29』となりました。
トロロッソ
年度 | シャシー名 |
2019 | STR14 |
2018 | STR13 |
2017 | STR12 |
2016 | STR11 |
2015 | STR10 |
2014 | STR9 |
2013 | STR8 |
2012 | STR7 |
2011 | STR6 |
2010 | STR5 |
2019年、トロロッソのシャシー名は『STR14』で、スクーデリア トロロッソの頭文字に通し番号です。
2006年の参戦以来、兄弟チームレッドブルと同じく通し番号でシャシー名を付けています。
ウィリアムズ
年度 | シャシー名 |
2019 | FW42 |
2018 | FW41 |
2017 | FW40 |
2016 | FW38 |
2015 | FW37 |
2014 | FW36 |
2013 | FW35 |
2012 | FW34 |
2011 | FW33 |
2010 | FW32 |
2019年のウィリアムズのマシン名は『FW42』で、FWは勿論チーム代表であり創設者のフランク・ウィリアムズからで、その後の数字は通し番号です。
フランクウィリアムズレーシングカーズとして1969年にF1に参戦し、当初はマシンを購入していましたが、自社マシン制作を機にFW〇〇と命名します。
フランクウィリアムズレーシングカーズがウルフに買収された後、現在に至るウィリアムズグランプリエンジニアリングでも通し番号を継続します。
特筆すべきは2017年、本来通し番号で言えば『FW39』となるのが慣例ですが、ウィリアムズグランプリエンジニアリングとしてF1参戦40周年を迎えるにあたり、39を飛ばして『FW40』としました。
最後に
今回はF1チームのシャシー名について、アルファベットの意味や数字の法則を調べてみましたがいかがでしたでしょうか。
アルファベットには各チーム意味があり、チームオーナーや会社名フェラーリの頭文字、中にはF1とは関係のない機械の製品名が由来しているチームもありました。
数字は、通し番号のチームもあれば西暦を入れるチームもあり、各チーム様々でしたね。
その中にあり、フェラーリの脈絡の無さには正直呆れてしまいました。
最後に一言。
私がF1を見始めたころ、フランスのリジェという中堅チームがありました。
リジェは『JS〇〇』というシャシー名が付けられていましたが、『JS』とはリジェのチームオーナーであるギ・リジェの親友で、1968年ホンダF1に乗り事故死したジョー・シュレッサーの頭文字に由来しています。
JSの名を冠したリジェが最終年、最後に優勝した時に搭載していたエンジンが(無限)ホンダであり、奇妙な巡り合わせだと感じました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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