F1は各チーム2台のマシンを走らせます。
そのマシンに乗る2名のドライバーは協力しあって、チームのために貢献を・・・いやいや、究極のモータースポーツであるF1は、同じマシンに乗るチームメイトが最大のライバルなのです。
そこで今回は、2020年のF1に参戦する全20名のドライバーの過去を振り返り、歴代のチームメイトとの勝敗をシーズンポイントで比べてみたいと思います。
それではカーナンバー順に見ていきます。
今回のvol.1はダニエル・リカルド選手、ランド・ノリス選手、セバスチャン・ベッテル選手、ニコラス・ラティフィ選手、キミ・ライコネン選手、ロマン・グロージャン選手、ピエール・ガスリー選手の7名です。
- フル参戦したシーズンを対象とする(ケガやペナルティーで数戦離脱した場合は含む)
- チーム移籍等でチームメイトが変更になった場合、チームメイトのポイントはシーズンポイントではなく、当該ドライバーと同チーム時のポイントとする
ザックリ見出し
【3】ダニエル・リカルド歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2012 トロロッソ | 10P | × | ベルニュ 16P |
2013 トロロッソ | 20P | ◯ | ベルニュ 13P |
2014 レッドブル | 238P | ◯ | ベッテル 167P |
2015 レッドブル | 92P | × | クビアト 95P |
2016 レッドブル | 256P | ◯ | クビアト 21P + フェルスタッペン 191P |
2017 レッドブル | 200P | ◯ | フェルスタッペン 168P |
2018 レッドブル | 170P | × | フェルスタッペン 249P |
2019 ルノー | 54P | ◯ | ヒュルケンベルグ 37P |
ダニエル・リカルド選手は、2011年の第9戦からヒスパニアレーシングでデビューし、2012年にトロロッソからフル参戦を開始しました。
フル参戦1年目は、同じく初のフル参戦となるベルニュ選手を予選ではほとんど上回っていましたが、ポイントで負けてしまいます。
しかし翌年は安定的にポイントを稼ぎ、2014年からはレッドブルへ昇格し、その初年度でベッテル選手を大きく上回るポイントを稼ぎ、レッドブルのエースになるまでに成長しました。
現在は非常に評価の高いドライバーであるフェルスタッペン選手ですが、若手時代(現在も十分に若いが)は粗さが目立ち、対するリカルド選手は安定感が勝っていて、シーズンを通してのポイントはリカルド選手が上回っていました。
しかし2018年は相次ぐマシンのトラブルで完走もままならない状態の中、成長したフェルスタッペン選手にシリーズポイントで破れると、2019年に約37億円の契約で中堅チームのルノーに移籍します。
そのルノーではマシンの性能が劣り中団での戦いながらも、ヒュルケンベルグ選手を上回るポイントを稼ぎました。
【4】ランド・ノリス歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2019 マクラーレン | 49P | × | サインツ 96P |
2019年にデビューしたランド・ノリス選手は、マシントラブルもありチームメイトのサインツ選手を相手にポイントでは大きく水をあけられましたが、予選ではイーブンと速さは相当なものです。
F1で成功をおさめたレーシングドライバーでも、1年目から経験豊富なチームメイトを相手にして決勝で大きく差をつけたドライバーは数少なく、予選で速さを見せたドライバーが経験とともに決勝でも安定感が増し成績が向上していくため、ノリス選手もこれからが期待ですね。
【5】セバスチャン・ベッテル歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2008 トロロッソ | 35P | ◯ | ブルデー 4P |
2009 レッドブル | 84P | ◯ | ウェバー 69.5P |
2010 レッドブル | 256P | ◯ | ウェバー 242P |
2011 レッドブル | 392P | ◯ | ウェバー 258P |
2012 レッドブル | 281P | ◯ | ウェバー 179P |
2013 レッドブル | 397P | ◯ | ウェバー 199P |
2014 レッドブル | 167P | × | リカルド 238P |
2015 フェラーリ | 278P | ◯ | ライコネン 150P |
2016 フェラーリ | 212P | ◯ | ライコネン 186P |
2017 フェラーリ | 317P | ◯ | ライコネン 205P |
2018 フェラーリ | 320P | ◯ | ライコネン 251P |
2019 フェラーリ | 240P | × | ルクレール 264P |
2007年にBMWザウバーから負傷したクビサ選手の代役として第7戦のアメリカグランプリでF1にデビューすると、そのレースでいきなり8位入賞をして、当時の最年少入賞記録を樹立します。
その後、第11戦からトロロッソのレギュラードライバーになり、2008年からフル参戦を開始します。
すると性能の劣るトロロッソのマシンで、第14戦のイタリアグランプリでポールトゥーフィニッシュを決めてみせ、ベッテル選手はスター街道を進むことになります。
2009年にレッドブルに昇格すると、当時のエースだったウェバー選手を上回る成績をおさめます。
2010年から2013年は4年連続でワールドチャンピオンに輝き、ウェバー選手を大きく引き離します。
そういえば当時、F1界のボスであったバーニー・エクレストン氏のお気に入りのドライバーでしたね。
しかし2014年にトロロッソから昇格してきたリカルド選手に、70ポイント以上の差をつけられて大敗し、その年を最後に4年連続でチャンピオンになったレッドブルを離れフェラーリに移籍します。
フェラーリでは気の合うライコネン選手を相手に、予選決勝とも常に上回る成績でした。
しかし2019年、ライコネン選手に代わるチームメイトのルクレール選手に及ばず、焦りからかスピンを繰り返す姿を見て、ピークは過ぎたのでは、という声も上がっています。
【6】ニコラス・ラティフィ歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2020年 | デビューのため | 過去のデータ | 無し |
2020年に名門ウィリアムズからデビューするニコラス・ラティフィ選手。
2020年唯一の新人は、初めてのチームメイトとなる評価の高いラッセル選手を相手に、どのような戦いを見せるのか注目です。
【7】キミ・ライコネン歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2001 ザウバー | 9P | × | ハイドフェルド 12P |
2002 マクラーレン | 24P | × | クルサード 41P |
2003 マクラーレン | 91P | ◯ | クルサード 51P |
2004 マクラーレン | 45P | ◯ | クルサード 24P |
2005 マクラーレン | 112P | ◯ | モントーヤ 60P + デ・ラ・ロサ 4P + ヴルツ 6P |
2006 マクラーレン | 65P | ◯ | モントーヤ 26P + デ・ラ・ロサ 19P |
2007 フェラーリ | 110P | ◯ | マッサ 94P |
2008 フェラーリ | 75P | × | マッサ 97P |
2009 フェラーリ | 48P | ◯ | マッサ 22P + バドエル 0P + フィジケラ 0P |
2012 ロータスF1 | 207P | ◯ | グロージャン 96P + ダンブロシオ 0P |
2013 ロータスF1 | 183P | ◯ | グロージャン 132P |
2014 フェラーリ | 55P | × | アロンソ 161P |
2015 フェラーリ | 150P | × | ベッテル 278P |
2016 フェラーリ | 186P | × | ベッテル 212P |
2017 フェラーリ | 205P | × | ベッテル 317P |
2018 フェラーリ | 251P | × | ベッテル 320P |
2019 アルファロメオ | 43P | ◯ | ジョビナッツィ 14P |
2001年にデビューした大ベテランのライコネン選手は、以外にも若い頃はハイドフェルド選手やクルサード選手に負けています。
というのもライコネン選手はF3すらも経験することなくF1にデビューしたため、最初の数年は学習の時期でした。
F1マシンに慣れてからは、そのクルサード選手にもポイントで上回り、モントーヤ選手にも大勝します。
まあモントーヤ選手は、少々やる気が失せていた時期ですが・・・。
フェラーリに移籍してからは、マッサ選手を相手にほぼ互角の勝負をしますが、アロンソ選手にシートを奪われ一時F1を離れます。
2012年にロータスF1から復帰してからは、グロージャン選手をポイントで大きく上回り、その実力が評価され(圧倒的な人気も評価され)フェラーリに復帰し、アロンソ選手とファンにとっては夢のラインナップが実現します。
しかし2014年のフェラーリF14 Tは近年稀に見る失敗作で、優勝もさることながらアロンソ選手が表彰台に1度上がったのみという燦々たる結果で、ライコネン選手は、アロンソ選手の約3分の1のポイントしか稼げない有様でした。
翌2015年から2018年まではベッテル選手がチームメイトになりますが、ライコネン選手の成績はベッテル選手に遠く及ばない4年間でした。
2019年からアルファロメオに移籍し、40歳も間近になりピークは過ぎたライコネン選手ですが、決勝でベテランらしい老練な戦いをして多くのポイントを稼ぎ、まだまだ若手のジョビナッツィ選手より実力があることを証明した結果でした。
【8】ロマン・グロージャン歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2012 ロータスF1 | 96P | × | ライコネン 207P |
2013 ロータスF1 | 132P | × | ライコネン 183P + コバライネン 0P |
2014 ロータスF1 | 8P | ◯ | マルドナド 2P |
2015 ロータスF1 | 51P | ◯ | マルドナド 27P |
2016 ハース | 29P | ◯ | グティエレス 0P |
2017 ハース | 28P | ◯ | マグヌッセン 19P |
2018 ハース | 37P | × | マグヌッセン 56P |
2019 ハース | 8P | × | マグヌッセン 20P |
2012年にデビューしたロマン・グロージャン選手は、速いがクラッシュがめっぽう多いドライバーで、所属したロータスF1は良いマシンでしたが、ライコネン選手に遠く及ばない成績でした。
その後チームメイトとなったマルドナド選手や、ハースに移籍してからのグティエレス選手には大勝しましたが、現在はマグヌッセン選手を相手に劣勢の戦いが続いています。
【10】ピエール・ガスリー歴代チームメイト対決
年度 チーム | ポイント | 勝敗 | チームメイト |
---|---|---|---|
2018 | 29P | ◯ | ハートレイ 4P |
2019 レッドブル ↓ トロロッソ | 95P | × | フェルスタッペン 181P + クビアト 10P |
2018年にトロロッソからF1フル参戦を開始したピエール・ガスリー選手。
開始初年度のチームメイトはWECのポルシェなどで活躍したハートレイ選手でしたが、ガスリー選手は予選決勝ともチームメイトに対して大差をつけて完勝しました。
翌2019年はレッドブルに昇格しましたが、特殊なマシンに手を焼きチームメイトのフェルスタッペン選手を相手に大幅に遅れをとり、第13戦のハンガリーグランプリ以降はトロロッソに戻されます。
すると第13戦からシーズン終了にかけて32ポイントを稼ぎ、チームメイトのクビアト選手の10ポイントに対して大きく勝ち越しました。
以上、今回は7名のF1ドライバーの歴代チームメイト対決について書いてみました。
No. | ドライバー | チームメイト 勝敗 |
---|---|---|
3 | ダニエル・リカルド | 5勝3敗 |
4 | ランド・ノリス | 0勝1敗 |
5 | セバスチャン・ベッテル | 10勝2敗 |
6 | ニコラス・ラティフィ | 0勝0敗 |
7 | キミ・ライコネン | 9勝8敗 |
8 | ロマン・グロージャン | 4勝4敗 |
10 | ピエール・ガスリー | 1勝1敗 |
次回のvol.2は、セルジオ・ペレス選手、シャルル・ルクレール選手、ランス・ストロール選手、ケビン・マグヌッセン選手、アレクサンダー・アルボン選手、ダニール・クビアト選手、エステバン・オコン選手の7名の歴代チームメイト対決を書いていきますので、よかったら下の水色のボタンをクリックしてください。