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フェラーリF1マシン全71台 名前の由来全部教えます!(1950-2025)

F1チームのマシン名の付け方はチームにより異なりますが、多くは自チームや前のチームからの続き番号や西暦という法則があります。

各チームのマシン名の法則
  • メルセデス・・・W+復帰後の続き番号+ハイブリッドを表す名前など
  • レッドブル・・・RB+1から始まった続き番号
  • マクラーレン・・・プロジェクト4と合併後の続き番号で、頭のアルファベットのみ途中MP4からMCLに変更
  • アルピーヌ・・・A5+西暦の下二桁
  • レーシングブルズ・・・VCARB+続き番号
  • アストンマーティン・・・AMR+西暦の下二桁
  • ザウバー・・・C+続き番号(F1以外含む)
  • ハース・・・VF-+西暦の下二桁
  • ウィリアムズ・・・FW+続き番号(FW39は無し)

しかしフェラーリのみ、もう、めちゃくちゃ・・・。命名法に一貫性がまったくと言っていいほど無いんです。

そこで今回は、1950年から現在に至るまで、すべてのフェラーリF1マシンの名前の由来をご紹介したいと思います。

それでは行ってみましょう!

1950年代は1気筒あたりの排気量から

フェラーリ125F1(1950年)
登場年マシン名マシン名の由来
1950125F11気筒あたりの排気量125ccのF1マシン
1950275F11気筒あたりの排気量275ccのF1マシン
1950375F11気筒あたりの排気量375ccのF1マシン
1952500F21気筒あたりの排気量500ccのF2マシン
1953553F1500F2の1953年バージョンのF1マシン
1954625F11気筒あたりの排気量625ccのF1マシン
1955555F1500F2の1955年バージョンのF1マシン
1957801F1F1の8気筒F1マシン(ランチアから譲渡されたD50の改修型)
1958246F12400ccの6気筒のF1マシン

1950年代の多くのフェラーリマシンは、1気筒あたりの排気量から決めていました。

気になるのは1952年の500F2・・・なぜ、F1なのにF2って入っているの??

実は1952年のF1はF2マシン規定で行われたため、500F2なのです。

1957年の801F1はフェラーリの歴史上異色のマシンとして有名。

もともと801F1はランチアD50でした・・・へっ??

1954年の最終戦にランチアがD50を投入しましたが、翌1955年の第2戦モナコグランプリ以降資金難でランチアがF1を撤退。6台のランチアD50がフェラーリに譲渡されました。

フェラーリにより改修されたランチアフェラーリD50として1956年シーズンに投入。1957年にさらに改修されたのが801F1でした。

1958年の246F1では、初めて排気量+気筒数のネーミングを採用します。

1960年代は排気量に気筒数

フェラーリ156F1(1961年)
登場年マシン名マシン名の由来
1961156F11500ccの6気筒のF1マシン
1964158F11500ccの8気筒のF1マシン
19663123000ccの12気筒マシン

1960年代は、1958年型246F1から続く、排気量+気筒数の法則が踏襲されます。

それまですべてのF1マシン名には『F1(F2)』が入っていましたが、文字が消えたのが1966年の312でした。

1970年代は排気量に気筒数+メカニカルな特徴

フェラーリ312T2(1977年)
2017年FUJI WONDERLAND FES!にて
登場年マシン名マシン名の由来
1970312B3000ccの12気筒ボクサー(Boxer)エンジン
正確に表現するとこのエンジンはボクサーエンジンではないのだが・・・
1971312B23000ccの12気筒ボクサー(Boxer)エンジン2代目
1973312B33000ccの12気筒ボクサー(Boxer)エンジン3代目
1975312T3000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス
1976312T23000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス2代目
1978312T33000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス3代目
1979312T43000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス4代目

1970年代も排気量に気筒数の法則が踏襲され、その後にメカニカルな特徴であるBやTを入れました。

1979年の312T4は前年の312T3とマシンコンセプトが大きく異なっていましたが、大成功した312Tの名前を引き続き使用します。

その後もフェラーリは黄金期にはマシン名の法則を継続し、低迷すると法則を変更する癖があります。ゲン担ぎ?

1980年代前半はバンク角に気筒数+メカニカルな特徴 しかし突如異変が・・・

フェラーリF187(1987年)
2018年F1日本GPにて
登場年マシン名マシン名の由来
1980312T53000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス5代目
1981126CKバンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)がKKK社製
※Cの意味は推測
1982126C2バンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)の2代目
1983126C3バンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)の3代目
1984126C4バンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)の4代目
1985156/851500ccの6気筒の1985年マシン
1986F186F1の1986年マシン
1987F187F1の1987年マシン
1988F187/88CF187の1988年型で過給圧(Compresso)ルールに適合させたマシン
1989640
(F189)
640は開発コードナンバー640
別称のF189はF1の1989年マシン

1980年代前半はバンク角を取り入れ、バンク角+気筒数+過給機になり、その126シリーズは4代にわたり使用されます。

そして1986年、マシンが完全に新設計になったのを機に、初めて西暦を取り入れました。

それまで多くのF1チームと違いちょっと捻りのきいたマシン名だったのに、一般的な名称になってしまい、ちょっと残念!?

1989年はF189という名前はあったものの、一般には開発コードナンバーの『640』で呼ばれ1990年代に続きます。

1990年代前半は開発コード その後2年毎に法則変更!

フェラーリF92A(1992年)
登場年マシン名マシン名の由来
1990641
(F190)
641は開発コードナンバー641
別称のF190はF1の1990年マシン
1991642
(F191)
642は開発コードナンバー642
別称のF191はF1の1991年マシン
1991643開発コードナンバー643
1992F92AFerrariの1992年マシンAスペック
1992F92ATFerrariの1992年マシンAスペックの横置き(Trasversale)ギアボックス
1993F93AFerrariの1993年マシンAスペック
1994412T11気筒あたり4バルブの12気筒エンジンの横置き(Trasversale)ギアボックスの1代目
1994412T1B1気筒あたり4バルブの12気筒エンジンの横置き(Trasversale)ギアボックスの1代目のBスペック
1995412T21気筒あたり4バルブの12気筒エンジンの横置き(Trasversale)ギアボックスの2代目
1996F310Ferrariの3000ccの10気筒エンジン
1997F310BFerrariの3000ccの10気筒エンジンBスペック
1998F300Ferrariの3000ccの10気筒エンジンのエンツォ・フェラーリ生誕100周年
1999F399Ferrariの3000ccの1999年マシン

1990年代前半は1989年からの開発コードナンバーを踏襲します。

ちなみに開発コードナンバーは現在も続いていて、2025年型SF-25の開発コードナンバーは677です。SF-25を677って呼んだらちょっと通っぽい??

1992年からは法則が変更するも、F92A/F93Aシリーズ、412T1/412T2シリーズともに2年で終了。イタリア人は飽き性なんでしょうか・・・。

F92A/F93Aシリーズなんて、Bスペックを出す予定で『A』と命名したのに、素性が悪すぎてBを出さずに開発終了する有様でした。

私としては、1994年からの412Tシリーズが、1970年代の強かったフェラーリの名前を踏襲していて(狙ってつけたのでしょうが)好きでしたが、2年で終わってしまったのが残念でした。

2000年代は西暦を採用

フェラーリ248F1(2006年)
2018年F1日本GPにて
登場年マシン名マシン名の由来
2000F1-2000F12000年マシン
2001F2001Ferrariの2001年マシン
2002F2001BFerrariの2001年マシンのBスペック
2002F2002Ferrariの2002年マシン
2003F2002BFerrariの2002年マシンのBスペック
2003F2003-GAFerrariの2003年マシン Giovanni Agnelli
2004F2004Ferrariの2004年マシン
2005F2004MFerrariの2004年マシンの改良型(Modificato)
2005F2005Ferrariの2005年マシン
2006248F12400cc 8気筒エンジンのF1マシン
2007F2007Ferrariの2007年マシン
2008F2008Ferrariの2008年マシン
2009F60F1参戦開始から60周年

フェラーリ最大の黄金期は2000年からは西暦をそのまま取り入れてネーミングします。

しかしF2005でドライバーズタイトル6連覇を逃すと、1年だけ1960年前後のネーミングにしますが、翌年からまた西暦に戻します。調子が悪くなると名前を変える癖がまた出ましたね。

F+西暦の法則は、黄金期を支えた立役者のひとり、ジャン・トッドが退任した2008年で終了。黄金期終焉とともに、翌年からは法則が完全崩壊するのでした・・・。

補足

F2001やF2002などの頭の”F”はFerrariの”F”か、それともF1の”F”なのか。

フェラーリの新車発表でも発言されず、様々な資料も調べてみましましたが答えが出ませんでした。

そこでX(アンケート時はTwitter)でアンケートをとったところ、多くのファンがFerrariの”F”だと答えてくれました。

そこで当ブログでは、2000年代の『F+西暦』の”F”はFerrariの”F”とします。

2010年代は法則崩壊!

フェラーリSF90(2019年)
2019年F1日本GPにて
登場年マシン名マシン名の由来
2010F10F1用2010年マシン
2011150°イタリアイタリア統一150周年(周年=th=°
2012F2012Ferrariの2012年マシン
2013F138Ferrariの2013年型8気筒エンジン
2014F14 TFerrariの2014年型Turboエンジン
2015SF15-TScuderia Ferrariの2015年型Turboエンジン
2016SF16-HScuderia Ferrariの2016年型Hybrid PU
2017SF70HScuderia Ferrariのモータースポーツ参戦70周年のHybrid PU
2018SF71HScuderia Ferrariのモータースポーツ参戦71年のHybrid PU
2019SF90Scuderia Ferrariのチーム創設90周年

2010年代に入ると法則が完全に崩壊します。

2011年の150°イタリアはイタリア統一150周年からなんてフェラーリ関係ないし、2012年に西暦に戻ったかと思えば1年でやめちゃうし、2017年のSF70Hや2019年のSF90はタイトル獲得出来ず祝えないから自ら祝ってます!

あと気になるのが2018年。SF71Hはモータースポーツ参戦71年って、記念でもなんでもないじゃん!

2014年はマシン名を公募したんですよね。もはやマシン名にこだわりやプライドも捨ててしまったフェラーリなのでした・・・。

2020年代は記念年以外はチーム名+西暦

フェラーリSF-23(2023年)
2023年F1日本GPにて
登場年マシン名マシン名の由来
2020SF1000Scuderia FerrariがF1参戦1000戦目を迎えることから
2021SF21Scuderia Ferrariの2021年のマシン
2022F1-75量産車が出荷されてから75周年を祝うF1マシン
2023SF-23Scuderia Ferrariの2023年マシン
2024SF-24Scuderia Ferrariの2024年マシン
2025SF-25Scuderia Ferrariの2025年マシン

2020年代初のマシンであるSF1000の由来は、フェラーリがF1参戦1000戦目を迎えるという自身を祝うネーミング。おめでたいチームですねぇ・・・。

翌2021年にチーム名+西暦二桁のシンプルなパターンになりますが、また2022年に催事毎。いや、量産車出荷75周年って大してめでたくないだろ!?

そして2023年からはチーム名-西暦二桁のシンプルパターンになり、珍しく3年が経過していますが、そろそろ飽きそう・・・。

最後に

2019年のSF90 2019年F1日本GPにて

フェラーリのマシン名は、1950年代が1気筒あたりの排気量、1960年代から1970年代は総排気量に気筒数を含めていましたが1990年代頃からチームの不調とともにマシン名も迷走します。

2000年代の黄金期は西暦を取り入れ他ネーミングで安定しますが、またも不調の2010年代には催事ごとや公募でネーミングし、法則は完全に崩壊してしまいました。

2023年以降はチーム名+西暦下二桁で安定していますが、不調のためそろそろ記念に走りそうな予感。

2026年は電気出力が増大するから、電気のイタリア語=ElettricitàのEを入れて、SF-26Eと予想します。

そして2027年はモータースポーツ参戦80周年でSF80Eかな??

不調とともにマシン名の法則が迷走するスクーデリアフェラーリ。今後も一貫性のないマシン名を大いに楽しむことにしましょう!

以上、最後までご覧いただきましてありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。