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フェラーリF1 66台のマシン名の由来全部教えます!【1950-2020】

F1チームのマシン名の付け方はチームにより異なりますが、多くは自チームや前のチームから続く連番や西暦という法則があります。

  • メルセデス・・・W+復帰後の連番+ハイブリッドを表す名前など
  • レッドブル・・・RB1から始まった連番
  • マクラーレン・・・プロジェクト4と合併後の連番で、頭のアルファベットのみ途中MP4からMCLに変更
  • ルノー・・・R.S.+西暦の下二桁
  • アルファタウリ・・・昨年までRBR+連番 今年チーム名変更のためあらためてAT+01
  • レーシングポイント・・・RP+西暦の下二桁
  • アルファロメオ・・・C+ザウバーからの連番(F1以外含む)
  • ハース・・・VF-+西暦の下二桁
  • ウィリアムズ・・・連番(FW39は無し)

しかしフェラーリのみ、命名法に一貫性がまったくと言っていいほど無いんです。

そこで今回は、1950年から現在に至るまで、すべてのフェラーリF1マシンの名前の由来をご紹介したいと思います。

それでは行ってみましょう!

1950年代は1気筒あたりの排気量から

2019年のSF90 2019年F1日本GPにて
初年度マシン名マシン名の由来
1950125F11気筒あたりの排気量125ccのF1マシン
1950275F11気筒あたりの排気量275ccのF1マシン
1950375F11気筒あたりの排気量375ccのF1マシン
1952500F21気筒あたりの排気量500ccのF2マシン
1953553F1500F2の1953年バージョンのF1マシン
1954625F11気筒あたりの排気量625ccのF1マシン
1955555F1500F2の1955年バージョンのF1マシン
1957801F1ランチアから譲渡されたD50の改修型
F1の8気筒F1マシン
1958246F12,400ccの6気筒のF1マシン

1950年代のフェラーリは、1気筒あたりの排気量からマシン名を決めることが多くありました。

ちなみに、1952年のF1はF2マシン規定で行われたため、『500F2』とマシン名にF2が入っていました。

1957年の『801F1』はフェラーリの歴史上異色のマシンとして有名です。

もともと『801F1』は『ランチアD50』でした。

1954年の最終戦にランチアが『D50』を投入し、翌1955年の第2戦モナコグランプリ以降資金難でランチアがF1を撤退し、6台の『ランチアD50』がフェラーリに譲渡されました。

フェラーリにより改修され『ランチア・フェラーリD50』と呼ばれたマシンは、1956年の主力マシンとして投入され、1957年に再び改修されたのが『801F1』でした。

1958年の『246F1』では、初めて排気量に気筒数のネーミングを採用します。

1960年代は排気量に気筒数

初年度マシン名マシン名の由来
1961156F11,500ccの6気筒のF1マシン
1964158F11,500ccの8気筒のF1マシン
19663123,000ccの12気筒マシン

1960年代は1958年型『246F1』から続く、排気量に気筒数の法則が踏襲されます。

『F1』の文字が消えたのが1966年の『312』でした。

1970年代は排気量に気筒数+メカニカルな特徴

1976年の312T2 2017年FUJI WONDERLAND FES!にて
初年度マシン名マシン名の由来
1970312B3,000ccの12気筒ボクサー(Boxer)エンジン※
1971312B23,000ccの12気筒ボクサー(Boxer)エンジン2代目
1973312B33,000ccの12気筒ボクサー(Boxer)エンジン3代目
1975312T3,000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス
1976312T23,000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス2代目
1978312T33,000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス3代目
1979312T43,000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス4代目

※正確に表現するとこのエンジンはボクサーエンジンではない

1970年代も排気量に気筒数の法則が踏襲され、その後にメカニカルな特徴であるBやTを入れました。

1979年の312T4は前年の312T3とマシンコンセプトが大きく異なっていましたが、312Tシリーズで継続しています。

1980年代前半はバンク角に気筒数+メカニカルな特徴 しかし突如異変が・・・

1987年のF187 2018年F1日本GPにて
初年度マシン名マシン名の由来
1980312T53,000ccの12気筒横置き(Trasversale)ギアボックス5代目
1981126CKバンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)がKKK社製
1982126C2バンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)の2代目
1983126C3バンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)の3代目
1984126C4バンク角120度の6気筒 過給機(Compressore)の4代目
1985156/851,500ccの6気筒の1985年マシン
1986F186F1の1986年マシン
1987F187F1の1987年マシン
1988F187/88CF187の1988年型で過給圧(Compresso)ルールに適合させたマシン※
1989640
(F189)
640は開発コードナンバー640
別称のF189はF1の1989年マシン

※Cの意味は推測

1980年代前半はバンク角を取り入れ、バンク角+気筒数+過給機になり、その126シリーズは4代にわたり使用されます。

そして1986年、マシンが完全に新設計になったのを機に初めて西暦を取り入れます。

1989年は『F189』という名前はあったものの、一般には開発コードナンバーの『640』で呼ばれ1990年代に続きます。

1990年代前半は開発コード その後2年毎に法則変更!

1992年の珍車!?F92A
初年度マシン名マシン名の由来
1990641
(F190)
641は開発コードナンバー641
別称のF190はF1の1990年マシン
1991642
(F191)
642は開発コードナンバー642
別称のF191はF1の1991年マシン
1991643開発コードナンバー643
1992F92AFerrariの1992年マシンAスペック
1992F92ATFerrariの1992年マシンAスペックの横置き(Trasversale)ギアボックス
1993F93AFerrariの1993年マシンAスペック
1994412T11気筒あたり4バルブの12気筒エンジンの横置き(Trasversale)ギアボックスの1代目
1994412T1B1気筒あたり4バルブの12気筒エンジンの横置き(Trasversale)ギアボックスの1代目のBスペック
1995412T21気筒あたり4バルブの12気筒エンジンの横置き(Trasversale)ギアボックスの2代目
1996F310Ferrariの3,000ccの10気筒エンジン
1997F310BFerrariの3,000ccの10気筒エンジンBスペック
1998F300Ferrariの3,000ccの10気筒エンジンのエンツォ・フェラーリ生誕100周年
1999F399Ferrariの3,000ccの1999年マシン

1990年代前半は1989年からの開発コードナンバーを踏襲します。

ちなみに開発コードナンバーは現在も続いていて、2020年型『SF1000』開発コードナンバーは『671』です。

1992年からは2年に一度法則が変更します。

私的には1994年から1995年の『412T1』『412T2』が、1970年代の強かったフェラーリの名前を踏襲していて(狙ってつけたのでしょうが)好きでしたが、こちらも2年で終わってしまいます。

イタリア人は飽き性なんでしょうか・・・。

2000年代は西暦を採用

2005年のF2005 1987年のF187 2018年F1日本GPにて
初年度マシン名マシン名の由来
2000F1-2000F12000年マシン
2001F2001Ferrariの2001年マシン
2001F2001BFerrariの2001年マシンのBスペック
2002F2002Ferrariの2002年マシン
2003F2002BFerrariの2002年マシンのBスペック
2003F2003-GAFerrariの2003年マシンにジャンニ・アニエリのイニシャルGA
2004F2004Ferrariの2004年マシン
2005F2004MFerrariの2004年マシンに改良された(Modificato)
2005F2005Ferrariの2005年マシン
2006248F12,400cc 8気筒エンジンのF1マシン
2007F2007Ferrariの2007年マシン
2008F2008Ferrariの2008年マシン
2009F60F1参戦開始から60周年

フェラーリ最大の黄金期は2000年からは西暦をそのまま取り入れてネーミングします。

しかし『F2005』でドライバーズタイトル6連覇を逃すと1年だけ1960年前後のネーミングにしますが、翌年からまた西暦に戻します。

ちょうどジャン・トッド氏が退任した2008年までF+西暦は継続され、翌年から法則が崩壊したのでした!

補足

F2001やF2002などの頭の”F”はFerrariの”F”か、それともF1の”F”なのか。

フェラーリの新車発表でも発言されず、様々な資料も調べてみましましたが答えが出ませんでした。

そこでTwitterでアンケートをとったところ、多くのファンがFerrariの”F”だと答えてくれました。

そこで当ブログでは、2000年代の『F+西暦』の”F”はFerrariの”F”として紹介します。

2010年代は法則崩壊!

2018年のSF71H 2018年F1日本GPにて
初年度マシン名マシン名の由来
2010F10F1用2010年マシン
2011150°イタリアイタリア統一150周年(周年=th=°
2012F2012Ferrariの2012年マシン
2013F138Ferrariの2013年型8気筒エンジン
2014F14 TFerrariの2014年型Turboエンジン
2015SF15-TScuderia Ferrariの2015年型Turboエンジン
2016SF16-HScuderia Ferrariの2016年型Hybrid PU
2017SF70HScuderia Ferrariのモータースポーツ参戦70周年のHybrid PU
2018SF71HScuderia Ferrariのモータースポーツ参戦71年のHybrid PU
2019SF90Scuderia Ferrariのチーム創設90周年

2010年代に入ると法則が完全に崩壊します。

2011年の『150°イタリア』はイタリア統一150周年からってフェラーリ関係ないし、2012年に西暦に戻ったかと思えば1年で辞めちゃうし、2017年の『SF70H』や2019年の『SF90』はタイトル獲得で祝えないから自ら祝ってます!

あと気になるのが2018年。

『SF71H』はモータースポーツ参戦71年って、記念でもなんでもないじゃん!

2014年はマシン名を公募したんですよね。

もはやマシン名にこだわりやプライドも捨ててしまったフェラーリなのでした・・・。

2020年代はどうなる!?

2019年のSF90 2019年F1日本GPにて
初参戦マシン名マシン名の由来
2020SF1000Scuderia FerrariがF1参戦1000戦目を迎えることから

2020年代初のマシンである『SF1000』の由来も、フェラーリがF1参戦1000戦目を迎えるという自身を祝うネーミングです。

おめでたいチームですねぇ・・・。

最後に

2019年のSF90 2019年F1日本GPにて

フェラーリのマシン名は、1950年代が1気筒あたりの排気量、1960年代から1970年代は総排気量に気筒数を含めていましたが1990年代頃からチームの不調とともにマシン名も迷走します。

2000年代の黄金期は西暦を取り入れ他ネーミングで安定しますが、またも不調の2010年代には催事ごとや公募でネーミングし、法則は完全に崩壊してしまいました。

不調とともにマシン名の法則が迷走するところも、スクーデリアフェラーリが、『オレたちのフェラーリ』と比喩される所以でもあります。

不調がつづくフェラーリ・・・となると2021年型のマシンは催事の法則!?でイタリア統一160周年で『160°イタリア』?

それとも初めて18インチタイヤを採用することから『SF18』か!?

とまあ一貫性のないフェラーリのマシン名に呆れるばかりでしたが、みなさん楽しんでいただけたでしょうか?

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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大福
モータースポーツをこよなく愛す、セナプロ世代の四十代。 サーキット観戦デビューは、1996年フォーミュラニッポン第7戦の富士スピードウェイ。ど迫力のエキゾーストノートとタイヤの焼ける匂いを実感し、それまでテレビでしか観戦してこなかった事を悔やむ。以降、F1・WEC・スーパーGT・スーパーフォーミュラなどを富士スピードウェイ・鈴鹿サーキットを中心に多数観戦する。