先日、鈴鹿1000kmを観戦しましたが、6時間30分という長丁場。そこでレースの途中にホンダレーシングギャラリーを訪れました。
ホンダレーシングギャラリーは今年の2月も観覧しましたが、その後展示マシンが変更されており、さらに魅力的なラインナップに。
ということで、展示マシンを紹介しますので、興味のある方はお付き合いください。
ザックリ見出し
F1ブームの主役マシン セナがドライブしたマクラーレンMP4/5B

ホンダレーシングギャラリーに入場すると、真正面に1990年のマクラーレンMP4/5Bが展示されていました。カーナンバー27はアイルトン・セナのマシンですね。
2月に来た時は、この場所はレッドブルRB16Bでしたが、変更されたようです。
いきなり私の大本命マシンがお出迎えなんて、ホンダさん、分かってるねえ。
近年F1ファンの若年化が進んでいますが、まだまだボリュームゾーンはF1ブーム世代。かく言う私もF1ブームからのファンで、ちょうどこのマシンが活躍した1990年から全戦F1を視聴するようになったので、学生時代の感動が甦り、胸が張り裂けそう!

MP4/5Bといえばこのアングル。私が考えるF1マシンのカタチのお手本のような佇まいです。
ライバルのフェラーリやウィリアムズなどがモノコックボディを採用して細いノーズになりましたが、旧来の被せ式ボディを踏襲したMP4/5Bは、ボテっとしたノーズのまま。それがなんとなく愛嬌があり好きだったなあ。

そしてノーズ先端には日本語で『ジャンプ』の文字。この10cmほどのロゴを掲げてスポンサー料が1億円と当時話題になりました。

近年のF1マシンは細かいエアロフィンがそこかしこに取り付けられていますが、当時のF1マシンはそのようなものは装着されておらず、実にシンプル。フロントウイングも2枚翼の単純な形状です。

2024年のサンパウログランプリでルイス・ハミルトン選手がデモ走行したMP4/5Bは、タバコスポンサーが取り払われていましたが、やっぱりこの時代のマクラーレンはMarlboroロゴが描かれてないと完全体ではないですよね。
ちなみにサンパウログランプリの主催者は、ホンダに対してデモ走行用のMP4/5Bの提供を依頼したらしいのですが、ホンダ所有のMP4/5B(おそらくこの個体)はエンジンの調子が良くなく、マクラーレン所有のものを使用したらしいです。
ぜひ、エンジンを直してもらい、日本でこのMP4/5BがV10サウンドを奏でながら走行する姿を観てみたいですね。
セナ最後のチャンピオン獲得マシン マクラーレンMP4/6

メインフロアに入ると2月に訪れた時とは展示車両が様変わりしていました。
前回ここに展示されていたのはマクラーレンMP4/5とMP4/7Aでしたが、MP4/6とホンダRA300に。

MP4/6は2月に来た時にフロアで展示されていましたが、あちらはカーナンバー2のベルガー車。この個体は、2024年の暮れにホンダウエルカムプラザ青山で開催された『Honda Racing 2024 Season Finale』の時に展示されたドンガラ(展示用)マシンと同様だと思われますが、最高のライティングで観ると映えますね。

MP4/6は第1期以来のV型12気筒エンジンを搭載し、甲高くもやや濁った音だったと記憶しています。
このマシンは最初に紹介したMP4/5Bの発展型で、最後の被せ式カウルを採用していますが、先に紹介した前年のMP4/5Bと比べると鼻筋が美しく伸びており、整った印象です。
そしてMP4/6は、アイルトン・セナが生涯最後のチャンピオンを獲得したマシン。
ナイジェル・マンセルが駆るウィリアムズとの激闘の末、鈴鹿の1コーナーでマンセルがコースアウトして、セナの王者が決定し、ゴール目前で両雄のベルガーに優勝をプレゼントしたシーンが今でも鮮明に甦ります。
ホンダに2勝目をもたらした”ホンドーラ” ホンダRA300

マクラーレンMP4/6とともにメインステージに展示されていたのがホンダRA300。2月に来たときはフロアにあったため、メインに昇格です。
イギリスのレーシングコンストラクターローラカーズと共同開発したRA300は、ホンダ+ローラで通称ホンドーラと呼ばれたマシン。1967年シーズンの終盤に投入し、デビュー戦の1967年イタリアグランプリでいきなり優勝。ホンダに2勝目をもたらしました。
この個体は2019年にホンダコレクションホールを訪れた際に展示されていた、動態保存のホンモノマシンだと思われます。
佐藤琢磨が日本人2人目の表彰台を獲得したマシン BAR006

こちらはBAR006。2月に佐藤琢磨選手の企画展が開催されており、そこで展示されていたマシンですが、常設展示エリアに移動になったようです。
BARがF1に参戦した1999年から2005年で、一番活躍したのが006が参戦した2004年シーズンで、コンストラクターズランキング2位を獲得。このマシンを駆る佐藤琢磨選手は第9戦アメリカグランプリで3位に入り、日本人として2人目の表彰台に上がりました。

カーナンバー10のこのマシンを観ていると、深夜から明け方にかけて大声を張り上げた当時のことを思い出します。
インディアナポリスの表彰台に立った琢磨選手、カッコよかったなあ。
レッドブルとのタッグが始まったマシン トロロッソSTR13

そしてこちらはホンダ第4期のマシン、トロロッソSTR13です。
ホンダは2015年、パワーユニット時代となったF1にマクラーレンとタイアップして復帰するも、パワー信頼性ともに不足しており、マクラーレンと決別します。
供給先を失ったホンダでしたが、当時のF1界のドン バーニー・エクレストンさんの仲人でトロロッソと契約。ここから2025年まで続くレッドブルグループとの協業が始まりました。

STR13はトロロッソの最終年で、レッドブル缶をイメージしたカラーリングが好感を持てます。
F1は年々空力が洗練されて、これまで紹介したマシンと比べると格段にエアロパーツが増え、複雑化しています。
ご覧の通りフロントウイングのフラップも複雑な形状で、触るとほろっと取れてしまいそうですが、何百kgもの荷重がかかる場所なので、強度も相当なものだと推測します。
ということで、今回は以上。
ホンダレーシングギャラリーには他にも多くのホンダエンジン搭載のマシンが展示されていました。
次回も引き続き紹介していきますので、ご興味のある方は下記のバナーからどうぞ。














マールボロカラーのマクラーレンホンダを観て熱狂していた世代なのでMP4/5BとかMP4/6は突き刺さるんですが、トロロッソのSTR13の青はメタリックブルーはとても綺麗です!
アクセントで入っているシルバーとレッドの組み合わせがさらに良しです!
ありがとうございます!