仙台ハイランドレースウェイって覚えてます?
東北のモータースポーツファンならばもちろん記憶にあると思いますが、最近聞きませんよね?
そう、残念ながら2014年9月にサーキットの営業を終了してしまいました。
スーパーGTの前身である全日本GT選手権や全日本F3など、大規模イベントも開催されたサーキットだけに、閉鎖が残念でなりません。
そこで今回は、仙台ハイランドレースウェイがどんなサーキットだったのかを調べてみました。
仙台ハイランドレースウェイのコース

まずは仙台ハイランドレースウェイのレイアウトを見てみましょう。
コースは反時計回り。
日本の主要サーキットは鈴鹿サーキット、富士スピードウェイ、モビリティリゾートもてぎ、スポーツランドSUGO、オートポリス、岡山国際サーキットとすべてが時計回りなので、仙台ハイランドの反時計回りはかなり珍しいサーキットでした。
ちなみに反時計回りの代表的なコースとしては、イタリアのイモラサーキットやブラジルのインテルラゴスサーキットが挙げられます。
そしてコース全長は4,063mでした。
スポーツランドSUGO(3,586m)や岡山国際サーキット(3,703m)よりも長い距離ですね。
レイアウトは山地を切り開いたため高低差が最大37.3mあり、ランオフエリアが非常に狭いテクニカルな中速コースでした。
また日本の多くのサーキットと違って路面のμが低いのも特徴でした。
仙台ハイランドレースウェイは珍しい反時計回りで路面μが低い特徴的なサーキットだっただけに、今もシリーズ戦に残っていれば波乱が起きていたかも。閉鎖されたのは残念です。
仙台ハイランドレースウェイの歴史

仙台ハイランドは、ゴルフ場、遊園地、サーキットで構成された複合レジャー施設でした。
まず1974年にゴルフ場が営業を開始。そして1981年には遊園地が開場しました。
ちなみにオープン当初は宮城郡宮城町にあり西仙台ハイランドという名称でしたが、1987年に宮城町が仙台市と合併し、1990年に仙台ハイランドに名称変更しています。
サーキットのオープンは5年後の1986年(開業時の名称は西仙台ハイランドレースウェイ→1990年以降仙台ハイランドレースウェイ)。
あれ?意外と新しい??
同じ宮城県にあるスポーツランドSUGOのオープンが1975年ですから、それよりも後の開業だったのですね。
そんなオープン翌年の1987年には世界スポーツカー選手権(WSPC)の開催が決定。
開催基準を満たすためにFIAとJAFの査察を受けてコース改修を行いましたが、最終確認で基準をクリアできず、なんと開催の1週間前に断念!
1週間前ということで当然チケットも販売されていただろうし、相当混乱を招いたのだろうと思います。
WSPCは開催を断念しましたが、当時人気を博していた全日本ツーリングカー選手権がオープニングイベントとして行われ、その後も毎年開催されました。
そしてスーパーGTの前身である全日本GT選手権を初年度の1994年から開催。
当時は全日本ツーリングカー選手権と全日本GT選手権の両人気カテゴリーが仙台ハイランドとともに、同じ宮城県のスポーツランドSUGOもシリーズ戦に組み込まれていました。
東北のモータースポーツファンにとっては1年で4回も人気レースを観戦できる良い時代だったのかも。
うん?私の住む静岡県でも富士スピードウェイでスーパーGTとスーパーフォーミュラが2回ずつ・・・いや、違うサーキットで観られる方が圧倒的に楽しいですよね。
しかし1997年を最後に全日本ツーリングカー選手権の開催を終了すると、1998年いっぱいで全日本GT選手権までも開催をやめてしまいました。
全日本ツーリングカー選手権は人気にかげりが出た(翌1998年を最後にシリーズ消滅)ためかもしれませんが、人気が上り調子だった全日本GT選手権の開催終了はなぜ?開催費高騰でしょうか?
その後は1987年から開催されていた全日本F3選手権が唯一の大きなイベントでしたが、2007年を以て開催を終了。
2006年に親会社である青葉ゴルフが資金繰りに行き詰まり民事再生法を申請した影響なのかもしれません。
以降はスーパー耐久以外に大きなイベントが無くなります。
そして2011年の東日本大震災と2012年の爆弾低気圧襲来で甚大な被害を受けると、走行会など小規模なイベントを中心に運営を続けていましたが、2014年9月15日を以てサーキットは閉鎖。28年の歴史に幕が下ろされました。
翌2015年8月には仙台ハイランド遊園地が終了し、2016年11月にはゴルフ場の営業も終了しました。
現在の仙台ハイランドレースウェイ
まずはGoogleマップ航空写真で現在の仙台ハイランドレースウェイを見てみましょう。
コース形状はなんとなく分かりますが・・・。
この辺りがホームストレートだった場所ですが、アスファルトは剥がされ、全体にモザイクのような黒い物体があります。
このおびただしい数の物体はソーラーパネル。
仙台ハイランドは現在メガソーラー発電所として地域に電力を供給しているようです。
スタンドやピットガレージなど施設が撤去され、アスファルトも剥がされて、すでに別の事業を行なっている仙台ハイランド。残念ながらもう復活はムリでしょうね。
ちなみに仙台ハイランド遊園地にあった観覧車は、1992年に完成した初代アポロ(当時世界一の大きさだった)はベトナムのハノイに移設。2代目は閉鎖後に楽天イーグルスの本拠地である宮城球場の敷地内に移設され、ともに2023年現在も稼働中です。
自動車・バイク企業の資本がないとサーキット運営は厳しい
仙台ハイランドは青葉ゴルフというゴルフ場経営の会社が所有していましたが、バブル崩壊後のゴルフ場経営会社は軒並み非常に厳しいと聞きます。
例に漏れず青葉ゴルフも2006年に民事再生法を申請。
いや、大規模サーキットもバブル崩壊後にオートポリスやTIサーキット英田が破産しているし・・・サーキット運営が厳しかったのかも?
どちらが原因だったのかそれとも両方だったのか、理由はわかりませんが・・・。
現在国内の大規模サーキットの資本は以下のようになっています。
- 鈴鹿サーキット:ホンダ
- モビリティリゾートもてぎ:ホンダ
- 富士スピードウェイ:トヨタ
- スポーツランドSUGO:ヤマハ
- オートポリス:カワサキ
- 岡山国際サーキット:アスカ(自動車部品メーカー)
岡山国際サーキットを除くすべてのサーキットが、自動車/バイク企業の関連会社の資本になっており、岡山国際サーキットも大規模自動車部品メーカーが所有しています。
自動車/バイク企業ならばある程度赤字になっても企業のブランドイメージ向上に繋がりますからね。
やっぱり青葉ゴルフという中小企業が所有していた仙台ハイランドは厳しかったのでしょうか?
スポーツランドSUGOが近くにあったのも原因。
ヤマハと真っ向勝負しても設備面など資本力で負けるのは目に見えていたのかも。
事実、仙台ハイランドレースウェイの施設が老朽した晩年には、東北開催の主要レースの多くがスポーツランドSUGOに一本化されてました。
最後に
今回は2014年9月15日を以て28年の歴史に幕が下りた仙台ハイランドレースウェイについて調べてみました。
1980年代後半から1990年代中盤までがこのサーキットの全盛時代でしたが、当時私の興味はF1。仙台ハイランドレースウェイでGTマシンがレースをしていた時代を知りません。
調べてみると、珍しい反時計回りで路面μが低く、エスケーブゾーンも極端に狭かった日本の他のサーキットとは一線を画す特徴あるサーキットでした。
絶対に面白いでしょ、このサーキットのレース。観てみたかったなあ・・・。
観戦経験のある方やテレビで観た方、ぜひコメントをください!
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。
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