F1には1ポイントでも多く獲得したいポイントとともに、できれば獲得したくないポイントもある。
ペナルティポイントだ。
ペナルティポイントとは2014年から導入された制度で、ドライバーの規則違反があった場合に、その違反の重さに対して1から3ペナルティポイントを与えられる。
ちなみにポイントの失効は1年間で、累計で12ペナルティポイントになると次のグランプリの出場ができなくなる。
ということは、ペナルティポイントの多さで、そのドライバーのドライビングスタイルが見えてくるかもしれない。
そこで今回は、2014年からはじまったペナルティポイント制度において、どのドライバーが多くこの不名誉なポイントを与えられたのか、その総数をランキング形式で見てみようと思う。
この企画をやるにあたり、トップはデビュー当時から長きにわたりさまざまなアクシデントがあった、ロマン・グロージャンがトップだろうと考えていたが、彼を越える猛者がいた・・・。
さあ、総ペナルティポイント第10位から見ていこう!
【第10位】カルロス・サインツ
年 | 順位 | ポイント数 | 主なポイント |
---|---|---|---|
2014 | 出走せず | – | |
2015 | – | 0 | |
2016 | 5位 | 5 | ロシア パーマーをコース外に押出し(2P) ドイツ 予選でマッサを妨害(2P) |
2017 | 6位 | 4 | バーレーン ストロールと接触(2P) カナダ マッサと接触(2P) |
2018 | 13位 | 3 | ベルギー SC時エリクソン追抜き(2P) |
2019 | 13位 | 1 | |
2020 | 13位 | 1 | |
合計 | 14 |
総ペナルティポイント数で第10位に入ったのが2015年デビューのカルロス・サインツで、獲得ペナルティポイントの合計は14ポイントだった。
デビュー2年目の2016年は、ロシアグランプリでジョリオン・パーマーを押し出し、ドイツグランプリではフェリペ・マッサ妨害し、ともに2ペナルティポイントを受ける。
この年は都合5ペナルティポイントを獲得して5位になった。
3年目の2017年は、バーレーングランプリでランス・ストロールと、カナダグランプリではマッサと接触するなどして4ペナルティポイントを受け、この年はペナルティポイント選手権で6位になった。
翌2018年は、ベルギーグランプリでセーフティカー導入時にマーカス・エリクソンを追抜くなどして、3ペナルティポイントで13位だった。
その後は次第に危険なドライビングは影を潜め、2019年と2020年はそれぞれ1ポイントに止まっている。
サインツは年を重ねるごとに、危機を回避する術を身につけてきたようだ。
【第10位】ランス・ストロール
年 | 順位 | ポイント数 | 主なポイント |
---|---|---|---|
2014 | 出走せず | – | |
2015 | 出走せず | – | |
2016 | 出走せず | – | |
2017 | 18位 | 1 | |
2018 | 1位 | 7 | オーストリア 青旗無視(3P) 日本 アロンソと接触(2P) アメリカ アロンソと接触(2P) |
2019 | 7位 | 3 | イタリア (2P) |
2020 | 7位 | 3 | ポルトガル ノリスと接触(2P) |
合計 | 14 |
同じく第10位に入ったのはランス・ストロールだ。
2018年はオーストリアグランプリの青旗無視(3P)、日本グランプリのフェルナンド・アロンソとの接触(2P)、続くアメリカグランプリの2戦連続のアロンソとの接触(2P)で都合7ペナルティポイントを受け、ロマン・グロージャン、マックス・フェルスタッペンとともにこの年のペナルティポイント選手権のチャンピオンを獲得(そんなものはないが・・・)している。
2019年は、イタリアグランプリでの2ペナルティポイントなど、2020年はポルトガルグランプリでのランド・ノリスとの接触などで、ともに3ペナルティポイントでシーズン7位だった。
ストロールは、ペナルティポイントが制定された2014年から3年間は出走していないので、2017年から2020年の4年間で14ポイントとかなりのハイペースとなる。
【第9位】ニコ・ヒュルケンベルグ
年 | 順位 | ポイント数 | 主なポイント |
---|---|---|---|
2014 | – | 0 | |
2015 | 3位 | 4 | マレーシア (2P) シンガポール マッサと接触(2P) |
2016 | 14位 | 2 | 中国 ピットエントリーで不必要な減速(2P) |
2017 | 4位 | 5 | 中国 SC中にグロージャンを追抜き(2P) 中国 SC中にエリクソンを追抜き(2P) |
2018 | 13位 | 3 | ベルギー アロンソへの追突と多重クラッシュの責任(3P) |
2019 | 13位 | 1 | |
2020 | – | 0 | |
合計 | 15 |
第9位はニコ・ヒュルケンベルグ。
ヒュルケンベルグがはじめてペナルティポイントを受けたのが2015年のマレーシアグランプリ。
その後シンガポールグランプリでのフェリペ・マッサとの接触もあり、この年は4ペナルティポイントでシーズン3位になった。
2016年は、中国グランプリでピットエントリーで不必要な減速を行い、後続への渋滞を招いて2ペナルティポイントを受けたのみ。
2017年は、中国グランプリでセーフティカー中にロマン・グロージャンとマーカス・エリクソンを追い抜き、1グランプリで4ペナルティポイントを受けるなどして、シーズン5ペナルティポイントで4位となる。
2018年は、ベルギーグランプリのスタート時フェルナンド・アロンソに追突し、その後の多重クラッシュに起因したとして3ペナルティポイントを受けたが、それ以外のペナルティポイントはなかった。
ヒュルケンベルグは中国グランプリで都合3回のペナルティポイントを受けており、どうやら中国との相性が悪いドライバーだった。
【第8位】キミ・ライコネン
年 | 順位 | ポイント数 | 主なポイント |
---|---|---|---|
2014 | – | 0 | |
2015 | 6位 | 3 | ロシア ボッタスに接触(3P) |
2016 | 14位 | 2 | ヨーロッパ ピットエントリーの白線を踏む(2P) |
2017 | 8位 | 3 | ベルギー ダブル黄旗無視(3P) |
2018 | 13位 | 2 | イギリス ハミルトンと接触(2P) |
2019 | 9位 | 2 | ロシア (2P) |
2020 | 5位 | 4 | アイフェル ラッセルと接触(2P) |
合計 | 16 |
第8位はキミ・ライコネンだった。
ライコネン初のペナルティポイントは2015年のロシアグランプリで、バルテリ・ボッタスに接触して最大の3ペナルティポイントを受けた。
2016年はバクー市街地コースで行われたヨーロッパグランプリで、ピットエントリーで白線を踏んだにも関わらずピットに入らなかったことで、2ペナルティポイントを受けた。
2017年はベルギーグランプリでダブル黄旗を無視して3ペナルティポイントを、2018年はルイス・ハミルトンと接触して2ペナルティポイントを受けた。
ペナルティポイントが制定された2014年にはすでにライコネンは熟年で、ベテランらしいフェアなドライビングが持ち味になっていたが、毎年1度だけ(2020年を除く)ペナルティポイントを受けている。
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