GT500とGT300、2つのクラスが混走するスーパーGTですが、実はGT300クラスの中にも3つの規定があります。
1つ目はGTA-GT300規定。従来のJAF-GT規定ですね。そして2つ目がGTA-GT300 MC規定。いわゆるマザーシャシーです。
そして3つ目が世界でもっとも多く製造されるFIA-GT3規定です。
2024年のスーパーGTで各規定の台数はどのような分布になっているのでしょうか?
各規定の解説
まずは各規定を簡単に解説します。
GTA-GT300規定
ベースとなる車両からキャビンは流用しますが、前後をパイプフレームに交換したり、フェンダー形状を変更できます。
エンジンは同一メーカー内で変更が可能。
各チームが規定内で自由に空力パーツなどマシンを開発することができるのも特徴です。
GTA-GT300 MC規定
GTAが企画開発したモノコックとGTA専用の4.5L V8エンジンを使用。
GTA-GT300規定と同様に、各チームが規定内で自由に空力パーツなどマシンを開発することができます。
FIA-GT3規定
自動車メーカーが開発し販売するレース専用車両。
エンジンや駆動方式を公認状態から変更できず、空力パーツも同じく基本的に変更できません。
では、2024年スーパーGTの各規定別の台数を見てみましょう。
あっ!ついでに車種と使用するチームも一緒にご覧ください。
GTA-GT300規定(旧JAF-GT)
5車種9台
GTA-GT300規定のマシンでエントリーするのは5車種9台でした。
スーパーGT独自のGTA-GT300規定なのですべて国内メーカーの車種で、自動車メーカーと関わりの深いチームが製造していますね。
実はJAF-GTと呼ばれていた時代は一時、数を減らしていましたが、近年は増える傾向にあります。
日本のものづくりを守るためにもぜひ増えてもらいたい規定です。
GTA-GT300 MC規定(マザーシャシー)
1車種1台
トヨタ・86(1台)
- #5 チームマッハ
マザーシャシーのマシンは旧型トヨタ86の1台のみ。
旧型86なのでまもなく絶滅してしまうのでしょうか。
かつてはロータスエヴォーラやトヨタマークXも参戦していましたが、2014年発表と設計が古いのが原因でしょう。
今後の規定改良が望まれます。
FIA-GT3規定
8車種17台
レクサス・RC F(2台)
- #50 アルナージュ
- #96 K-tunes
日産・GT-R(4台)
- #48 NIZZレーシング
- #56 KONDOレーシング
- #62 ヘルムモータースポーツ
- #360 東名スポーツ
ホンダ・NSX(1台)
- #18 チームアップガレージ
メルセデスAMG・GT(4台)
- #4 グッドスマイルレーシング&チーム右京
- #9 パシフィックレーシング
- #22 R’Qsモータースポーツ
- #65 レオンレーシング
フェラーリ・296(2台)
- #6 チームルマン
- #45 ポノスレーシング
ランボルギーニ・ウラカン(2台)
- #87 JLOC
- #88 JLOC
BMW・M4(1台)
- #7 チームStudie×CRS
アストンマーティン(1台)
- #777 D’stationレーシング
FIA-GT3規定のマシンは8車種17台で、これはGT500クラスのクラス1規定のマシンも含め、スーパーGTで一番多い台数です。
FIA-GT3規定のマシンは世界でもっとも多くのカテゴリーに参戦できる車両なので、海外メーカーはあえてスーパーGTにしか参戦できないGTA-GT300規定でマシンを製造することはありませんよね。
またFIA-GT3はマシンを開発することもなく、メンテナンスも他の規定より容易と聞きます。
なのでこの規定のマシンを購入し参戦するチームが多いのでしょうね。
まとめ
今回は2024年のスーパーGTで、GTA-GT300・マザーシャシー・FIA-GT3の3つの規定の中で一番台数が多いのはどれか、ということで調べてみましたが、結果は以下の通りでした。
- GTA-GT300規定の車両:9台
- GTA-GT300 MC規定の車両:1台
- FIA-GT3規定の車両:17台
圧倒的にFIA-GT3規定の車両が17台と一番多くエントリーしていました。
当然、海外自動車メーカーは日本市場のためにあえてスーパーGTにしか参戦できないGTA-GT300規定で製造するのは得策ではない、と考えるのは当然ですよね。
逆に言えばスーパーGTはFIA-GT3マシンが参戦できるからこそ、多くの車種が参戦していると考える方がいいのかも。
GTA-GT300規定のマシンは9台と以前に比べて増える傾向にあります。
マシンを製造し改造できるGTA-GT300規定で参戦するチームは、F1と同じくコンストラクター。
ぜひ日本のものづくりを途絶えさせないためにも、GTAには今後も良きバランスでお願いしたいですね。
そしてマザーシャシーは・・・1台のみ。しかも車種は旧型トヨタ86なので、まもなく絶滅??
かつてはロータスエヴォーラやトヨタマークXも参戦していましたが、発表が2014年と設計が古く、今後の規定改良が望まれます。
ちなみに最も多い車種は日産GT-RとメルセデスAMG GTの4台で、両車種ともにFIA-GT3規定の車両になります。
ということで今回は以上。最後までご覧いただきありがとうございました。
トヨタ・GRスープラ(3台)
トヨタ・GR86(3台)
レクサス・LC500h(1台)
日産・フェアレディZ(1台)
スバル・BRZ(1台)